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農林水産省

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第19回ジャガイモシロシストセンチュウ対策検討会議(令和7年3月7日開催)

本会議においては、今年度の対応を報告するとともに、今後の対応について検討が行われ、以下の対応とすることが妥当とされた。

1.令和6年度の緊急防除対策の実績

網走市、清里町及び斜里町において、令和5年度までの調査でジャガイモシロシストセンチュウ(Gp)が確認され、検出限界以下になっていない23ほ場64haのうち、19ほ場52haにおいて対抗植物による防除を実施。

2.令和6年度の調査結果

(1)防除効果確認調査
網走市、清里町及び斜里町において、本年度の防除により、防除が完了した19ほ場52haにおいて防除効果を確認するための調査を実施し、16ほ場42haで検出限界以下となっていることを確認。

(2)検出限界以下ほ場における調査
令和5年度までに検出限界以下が確認された網走市、斜里町及び清里町のほ場のうち、令和6年度に、Gp抵抗性品種の馬鈴しょを植付けた又は馬鈴しょの代わりに他の作物を植え付けた55ほ場217haにおいて調査を実施したところ、53ほ場208haで検出限界以下を維持していることを確認。一方、2ほ場9haにおいてはGpが再び確認された。

(3)Gpが再確認されたほ場における調査
検出限界以下ほ場における調査で令和5年度にGpが再確認された網走市及び斜里町の5ほ場15haにおいて、令和6年度の防除後に調査を実施したところ、全てのほ場で検出限界以下となっていることを確認。

(4)新たなGpの確認
令和6年度の種馬鈴しょ検疫の検査において、防除区域から既に除外された網走市内の区域の1ほ場2ha、また、これまで防除区域に指定されていない大空町内の区域の1ほ場1haでGpを確認。

(5)Gpの発生状況(令和7年3月時点)
現在、Gpが確認されているほ場は3市町6大字8ほ場25ha。
(上記(2)の2ほ場9haと(4)の1ほ場1haの計3ほ場10haを除く。)

3.Gpの新たな確認等に伴う対応

(1)種馬鈴しょ検疫の検査における確認
(ア)対応状況
上記2.(4)のとおり、令和6年度の種馬鈴しょの検査でGpが確認された網走市及び大空町の計2ほ場について、当該ほ場を含む地区内の一部区域においては、植物防疫官による移動検査等により、本線虫のまん延防止対策を実施。
また、Gpが確認されたほ場を含む一部区域について、防除区域への追加の必要性を判断するため、カップ法により改めて土壌検診を実施した結果、網走市のほ場ではGpが確認された一方、大空町のほ場ではGpは確認されなかった。

(イ)発生要因調査
遺伝子系統解析の結果、南米が起源で、現在、欧州、米国等で発生しているものと遺伝的に近い関係にあり、これまでに網走市等で確認された本線虫と同一系統であることを確認。
本線虫の発生要因について、生産者等への聞き取り調査を実施したものの、その特定には至らなかった。

(2)検出限界以下となったほ場における調査での再確認
(ア)対応状況
上記2.(2)のとおり、令和6年度の検出限界以下となったほ場における調査でGpが確認された網走市及び斜里町の2ほ場については、既に取り組んでいる再発防止対策について徹底するよう指導を実施。

(イ)再確認された要因の検討
遺伝子系統解析を実施した結果、これまでに網走市等で確認された本線虫と同一系統であることを確認。
また、当該ほ場において再確認された要因に関して、生産者への聞き取り調査を実施したものの、その特定には至らなかった。
これらを踏まえ、再確認された要因について検討した結果、昨年度の事例と同様に、検出限界以下の確認以降にGpが増殖して確認(再発)されたということではなく、検出限界以下となった後もほ場に残存していたごくわずかなGpが検出された可能性が高いことが示唆された。

4.今後の対策について

(1)Gp発生ほ場における密度低減のための防除
Gpの発生が確認されているほ場については、小麦の収穫時期後における対抗植物の植栽による防除も活用し、密度低減のための防除を実施。

(2)種馬鈴しょ検疫におけるGpの新規確認を踏まえた対応
種馬鈴しょ検疫における検査でGpが確認された大空町の1ほ場については、その後のカップ法による土壌検診の結果を踏まえ、当該ほ場を含む一部地域を緊急防除の防除区域に指定しない。
一方、当該ほ場では、ほ場内に検出限界以下に近い密度レベルでGpが存在すると考えられ、また、これまでに密度低減のための防除は実施されていない状況。
このため、今後、当該ほ場では対抗植物の植栽による防除を実施した上で、あらためて検出限界以下が確認されるまでの間は、当該ほ場を含む一部地域において、現在実施しているまん延防止対策を実施。

(3)検出限界以下ほ場におけるGpの再確認を踏まえた対応
上記3.(2)(イ)のとおり、今回のGpの再確認は、昨年度の事例と同様、Gpが増殖し確認(再発)されたことによるものとは考えられないため、Gpのほ場内の密度は検出限界に近いレベルと推測され、Gpのまん延リスクは限りなく低いと考えられることから、従前の対応どおり、確認ほ場を含む地域について防除区域への追加は行わず、再確認ほ場では現在実施している再発防止対策を引き続き実施するとともに、当該ほ場においては、来年度以降、対抗植物の植栽による防除を実施。

(4)防除区域の追加及び除外
(ア)本年度の種馬鈴しょ検疫の検査において新たにGpが確認された網走市の一部区域を防除区域に追加。
(イ)これまでにGp発生状況が明らかとなった網走市及び清里町の防除区域(2大字)のうち、全てのほ場においてGp密度が検出限界以下となった一部区域を防除区域から除外。
(ウ)本年度の調査の結果、これまでに防除を実施した全てのほ場においてGp密度が検出限界以下となったことが確認された網走市1大字(音根内)及び斜里町2大字(川上、美咲)を防除区域から除外。

5.緊急防除終了を見据えた対応

(1)現地では、令和6年度においても、生産者、農業者団体等と連携してGp確認ほ場での防除を進めた結果、検出限界以下が確認されたほ場は増加し、防除は着実に進んでいる状況。
(2)一方、これまでの対策会議において示したとおり、Gpの性状を踏まえれば、今後は、検出限界以下となったほ場を中心に、Gpを(再)発生させない取組を継続的に、かつ地域全体で実施していくとともに、Gpの(再)発生を確認する体制を構築することが重要。
(3)このため、今後の緊急防除の終了後を見据えて、北海道庁では、既に同庁が策定しているシストセンチュウ類の防除対策に係る基本方針の活用等により、地元の関係機関や生産者がこれらの取組に連携して対応していくことができるよう調整を進める。
(4)また、現在、緊急防除における防除に活用している対抗植物についても、地元の生産者が通常の営農の中で活用できるよう、関係機関で検討を進めていく必要。

添付資料

議事概要(PDF : 230KB)

お問合せ先

消費・安全局植物防疫課

担当者:国内防除第1班
代表:03-3502-8111(内線4564)
ダイヤルイン:03-3502-5976

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