食品流通段階別価格形成調査の概要
調査の目的
食品流通段階別価格形成調査は、産地から消費地に至る各流通段階別の流通経費等の実態を把握するとともに、その結果を用いて価格形成の過程を試算することにより、食料の安定供給の確保に向けた食品流通の効率化・高度化、流通構造改革等の施策を推進するため、並びに水産物の流通について多様な流通ルートの構築による取引の選択肢の拡大等を推進するための資料を整備することを目的として実施したものである。
調査の沿革
平成15年:「食品流通段階別価格形成追跡調査」の調査体系を見直し、「食品流通段階別価格形成調査」として実施。
平成27年:平成27年度の調査をもって、周期年調査へ移行。
平成30年:青果物生産者段階調査及び水産物漁業者段階調査を開始。青果物小売段階調査及び水産物小売段階調査については、個人店に加え、大手スーパーマーケット等を対象に追加。
調査の根拠法令
調査は、統計法(平成19年法律第53号)第19条第1項に基づく一般統計調査として実施している。
調査体系
食品流通段階別価格形成調査は、次の体系により実施した。
調査の対象
1. 青果物調査
(1) 青果物生産者段階調査
生産者販売価格に関連性の強い卸売価格を指標として、目標精度5%で算出した調査対象品目別の必要標本数を出荷先数に積算し合計した28,932の経営体を、2015年農林業センサス結果を基に、青果物の作付けがあり、かつ販売実績のある農業経営体の中から抽出し調査対象者とした。
なお、配分については以下のとおり。
ア 調査対象品目いずれかを作付けする経営体については、調査対象品目別、出荷先別(集出荷団体、卸売市場、小売業、消費者に直接販売等)、作付面積規模別及び都道府県別に区分し配分。
イ 調査対象品目以外を作付けする経営体については、出荷先別(集出荷団体、卸売市場、小売業、消費者に直接販売等)、作付面積規模別及び都道府県別に区分し配分。
ウ 品目ごとの有効回収数は、次のとおりである。
(2) 青果物集出荷段階調査(A)
調査対象品目ごとに、全国の青果物卸売市場の卸売価額が全国計の8割を超えるまでの上位産地(都道府県)を選定。ただし、8割を超えるまでの都道府県が3未満の場合は3都道府県まで、10以上の場合は10都道府県までを選定した。さらに、選定した都道府県に所在し、当該都道府県内において、調査対象品目の卸売市場等への出荷金額が多い集出荷団体から有意に選定した320の集出荷団体(16品目×20団体=320団体)を調査対象者とした。
なお、品目ごとの調査対象道府県、調査対象者数、有効回収数は、次のとおりである。
(3) 青果物集出荷段階調査(B)
全国の青果物集出荷団体のうち、青果物集出荷段階調査(A)の対象を除く全ての団体1,919を調査対象者とした。
(4) 青果物仲卸段階調査
全国の卸売市場のうち、青果物の卸売価額が全国計の6割を超えるまでの上位市場を選定し、選定した卸売市場に所属し青果物を取り扱う仲卸業者のうち、無作為に抽出した100の仲卸業者を調査対象者とした。
(5) 青果物小売段階調査
生産者販売価格に関連性の強い卸売価格を指標として、目標精度5%で算出した調査対象品目(16品目)別の必要標本数を平均し、仕入先数を積算した1,334の小売業者を、平成26年商業統計調査結果を基に、野菜・果実の販売のあった事業所から抽出し調査対象者とした。
2. 水産物調査
(1) 水産物漁業者段階調査
漁業者販売価格に関連性の強い産地卸売価格を指標として、目標精度5%で算出した調査対象品目別の必要標本数を出荷先数に積算し合計した22,757の経営体を、2013年漁業センサス結果を基に、水産物の水揚げ(漁業生産)がある経営体の中から抽出し調査対象者とした。
なお、配分については以下のとおり。
ア 調査対象品目いずれかの水揚げ(漁業生産)がある経営体については、調査対象品目別、出荷先別(漁協、卸売市場、小売業、消費者に直接販売等)、販売金額規模別及び都道府県別に区分し配分。
イ 調査対象品目以外の水揚げ(漁業生産)がある経営体については、出荷先別(漁協、卸売市場、小売業、消費者に直接販売等)、販売金額規模別及び都道府県別に区分し配分。
ウ 品目ごとの有効回収数は、次のとおりである。
(2) 水産物産地卸売段階調査
調査対象品目ごとに、全国の産地卸売市場の卸売価額が全国計の8割を超えるまでの漁港の産地卸売市場を選定。ただし、8割を超えるまでの漁港数が10未満の場合は10漁港まで、20以上の場合は20漁港までの産地卸売市場を選定した。
選定した産地卸売市場において卸売を行う産地卸売業者の中から、原則として水産物の卸売価額が最も多い産地卸売業者(複数の調査対象品目が該当する場合もあるため、79産地卸売市場が対象)を調査対象者とした。
なお、品目ごとの調査対象産地卸売業者が所在する道府県、調査対象者数、有効回収数は、次のとおりである。
(3) 水産物産地出荷段階調査
(2)で選定した産地卸売市場において卸売を行う産地卸売業者から主として生鮮の水産物を買い受けて消費地卸売市場へ出荷する産地出荷業者の中から、原則として調査対象品目ごとに取扱金額が最も多い産地出荷業者(複数の調査対象品目が該当する場合もあるため、93産地出荷業者が対象)を調査対象者とした。
(4) 水産物仲卸段階調査
全国の卸売市場のうち、水産物の卸売価額が全国計の6割を超えるまでの上位市場を選定し、選定した卸売市場に所属し水産物を取り扱う仲卸業者のうち、無作為に100の仲卸業者を調査対象者とした。
(5) 水産物小売段階調査
漁業者販売価格に関連性の強い産地卸売価格を指標として、目標精度5%で算出した調査対象品目(10品目)別の必要標本数を平均し、仕入先数を積算した1,292の小売業者を、平成26年商業統計調査結果を基に、水産物の販売のあった事業所から抽出し調査対象者とした。
3.前回調査(平成26年度)との主な変更点
調査対象範囲については、これまで中央卸売市場のみを経由する青果物又は水産物を対象としていたが、地方卸売市場も対象とした。
また、小売業者は仲卸業者から仕入れのある小売業者のみを対象としていたが、青果物又は水産物を仕入れ・販売する小売業者に拡充し、大手スーパーマーケット等も対象とした。
このため、前回調査結果との比較は行っていない。
本調査の調査対象の選定において、事業所母集団データベースは使用していない。
調査事項
調査事項は、調査ごとに次のとおりである。
なお、販売金額、経費等には消費税を含む。
1. 青果物調査
(1) 青果物生産者段階調査
農産物・青果物の年間販売金額、農産物・青果物の出荷先別販売金額割合、品目別出荷先別年間販売量・年間販売金額、消費者への直接販売の販売経費等
(2) 青果物集出荷段階調査(A)
生産者の労働による入荷荷姿別青果物卸売市場向け出荷量等、出荷量、販売収入、経費等、青果物全体の販売金額・出荷先別販売金額割合
(3) 青果物集出荷段階調査(B)
青果物全体の販売金額・出荷先別販売金額割合
(4) 青果物仲卸段階調査
青果物全体の年間仕入金額、品目別の仕入金額・販売金額
(5) 青果物小売段階調査
青果物全体の年間仕入金額、年間仕入金額の品目別割合、品目別の荷姿当たりの仕入価格・販売価格、又は品目別の年間仕入金額・年間販売金額、品目別の年間仕入先別仕入金額割合
2. 水産物調査
(1) 水産物漁業者段階調査
水産物全体の年間販売金額、出荷先別販売金額割合、品目別出荷先別年間販売量・年間販売金額、消費者への直接販売の販売経費等
(2) 水産物産地卸売段階調査
産地卸売市場の取扱数量・取扱金額、水産物全体の出荷先別販売金額割合、販売事業収益、販売費、事業管理費等、品目別の取扱数量・取扱金額
(3) 水産物産地出荷段階調査
年間仕入金額、年間販売金額、完納奨励金、出荷奨励金、販売費、一般管理費、品目別の年間仕入金額・年間販売金額
(4) 水産物仲卸段階調査
水産物全体の年間仕入金額・年間販売金額、品目別の仕入金額・販売金額
(5) 水産物小売段階調査
水産物全体の年間仕入金額・年間販売金額、年間仕入金額の品目別割合、品目別の荷姿当たりの仕入価格・販売価格、又は品目別の年間仕入金額・年間販売金額等、品目別の年間仕入先別仕入金額割合
調査の時期
1. 調査対象期間
平成29年度(平成29年4月1日から平成30年3月31日まで)の1年間とした。
また、この期間での記入が困難な場合は、記入が可能な調査実施期間の直近1年間とした。
なお、青果物仲卸段階調査の品目別の仕入金額及び販売金額について、上記期間での記入が困難な場合は、野菜については平成30年7月分、果実については平成30年2月分の1か月間を、水産物仲卸段階調査の品目別の仕入金額及び販売金額については、平成30年7月分の1か月を調査対象期間とした。
2.調査実施期間
平成30年7月から9月までの間に実施した。
調査の方法
1. 青果物生産者段階調査、青果物集出荷段階調査(B)及び水産物漁業者段階調査
農林水産大臣が委託した民間事業者が調査票を郵送により配布し、調査対象者が記入した調査票を郵送又はオンラインで回収する自計調査の方法により実施した。
2. 青果物集出荷段階調査(A)、青果物仲卸段階調査、青果物小売段階調査、水産物産地卸売段階調査、水産物産地出荷段階調査、水産物仲卸段階調査及び水産物小売段階調査
農林水産省職員が調査票を配布し、調査対象者が記入した調査票を農林水産省職員が回収又は郵送若しくはオンラインで回収する自計調査の方法により実施した。
集計・推定方法
本調査の集計は、農林水産省において行った。
1. 青果物調査
(1) 青果物生産者段階調査
ア 1経営体当たり平均
単純平均により算出した。
イ 農産物全体・青果物全体の出荷先別販売金額割合
農産物全体・青果物全体の年間販売金額及び出荷先別の年間販売金額の推定値を次の推定式により算出した。
ウ 品目別の出荷先別販売価格
単純集計により算出した。
(2) 青果物集出荷段階調査(A)
ア 1集出荷団体当たり平均
単純平均により算出した。
イ 調査対象品目100kg当たり
ウ 青果物全体の販売金額割合
全ての集出荷団体を対象として調査を実施したが、有効回収率が100%とならなかったことから、青果物集出荷段階調査(B)の結果と合わせ青果物全体の販売金額の推定値を1(1)イと同様の推定式により算出した。
(3) 青果物集出荷段階調査(B)
全ての集出荷団体を対象として調査を実施したが、有効回収率が100%とならなかったことから、青果物集出荷段階調査(A)の結果と合わせ青果物全体の販売金額の推定値を1(1)イと同様の推定式により算出した。
(4) 青果物仲卸段階調査
1業者当たりの平均は、単純平均により算出した。
(5) 青果物小売段階調査
ア 1業者当たりの平均
単純平均により算出した。
イ 品目別の年間仕入先別仕入金額割合
品目別の年間仕入金額及び品目別仕入先別仕入金額の推定値を1(1)イと同様の推定式により算出した。
2. 水産物調査
(1) 水産物漁業者段階調査
ア 1経営体当たり平均
単純平均により算出した。
イ 水産物全体の出荷先別販売金額割合
水産物全体の年間販売金額及び出荷先別の水産物年間販売金額の推定値を1(1)イと同様の推定式により算出した。
ウ 品目別の出荷先別販売価格
単純集計により算出した。
(2) 水産物産地卸売段階調査
ア 1業者当たりの平均
単純平均により算出した。
イ 水産物100kg当たり
ウ 水産物全体の出荷先別販売金額割合
単純集計により算出した。
(3) 水産物産地出荷段階調査
1業者当たりの平均は、単純平均により算出した。
(4) 水産物仲卸段階調査
1業者当たりの平均は、単純平均により算出した。
(5) 水産物小売段階調査
ア 1業者当たりの平均
単純平均により算出した。
イ 品目別の年間仕入先別仕入金額割合
品目別の年間仕入金額及び品目別仕入先別仕入金額の推定値を1(1)イと同様の推定式により算出した。
用語の解説
1. 青果物調査
(1) 調査対象者
生産者 |
青果物の作付けがあり、かつ販売を行った農業経営体をいう。 |
集出荷団体 |
青果物の産地において、生産者から青果物の販売の委託を受けて卸売市場等に出荷する農協及び任意組合等をいう。 |
仲卸業者 |
卸売市場内において、当該市場の卸売業者から買い受けた青果物を小売業者等に販売する業務を行う者をいう。 |
小売業者 |
仕入れた青果物を消費者に販売する業務を行う者をいう。 |
(2) 青果物集出荷段階調査
ア 販売収入、集出荷・販売経費等
全ての項目について、調査対象品目のみに係る金額としている。
販売収入 | |
卸売金額又は卸売価格 |
青果物卸売市場で販売された調査対象品目の金額又は100kg当たりの価格をいう。 |
荷主交付金・出荷奨励金等 |
集出荷団体が卸売業者から卸売金額に応じて受け取った荷主交付金・出荷奨励金及び都道府県や市町村等から交付された奨励金をいう。 |
その他の入金 |
青果物の出荷に関連した入金及び価格補填金をいう。 |
集出荷経費 |
|
包装・荷造材料費 |
段ボール箱や通いコンテナ等の容器代、商品個々を包装するポリパック、ビニール袋、発泡ネット等の個装費、容器に充てんするトレーパック、中仕切りに使う波型段ボール等の内装費及び容器の外側に用いるラベル、針、バンド、ビニールテープ等の外装費をいう。 |
選別・荷造労働費 |
選別、包装、荷造りのために支払った労賃(生産者及び集出荷団体)をいう。 |
生産者 |
生産者個々が選別、包装、荷造りを行っている場合、その出荷量を1人1日(8時間労働で換算)当たりの荷造量で除して延べ作業人日を算出し、それに調査対象期間に対応した都道府県別労賃単価を乗じて算出した金額をいう。 なお、都道府県別労賃単価は、「毎月勤労統計調査」(厚生労働省)における「運輸業、郵便業(5~29人規模)」から算出した男女平均賃金を用いている。 |
集出荷団体 |
集出荷団体が選別、包装、荷造りを行っている場合に、職員等に支払った労賃をいう。 なお、選別・荷造労働費(集出荷団体)は事業管理費の人件費には含まれていない。 |
その他集出荷経費 |
集荷費、検査料、予冷費、保管料、事業管理費(人件費、施設費、商品廃棄処分費等)等が該当する。 |
販売経費 | |
出荷運送料 |
青果物卸売市場へ出荷するのに要した運送料をいう。 なお、集出荷団体が負担する出荷運送料のうち、卸売業者が立替払いをし、卸売代金精算の際に卸売金額から差し引かれる卸売会社立替払運送料を含めて計上した。 また、集出荷団体所有の車両で出荷したものについては、運送会社等へ委託したものとして見積もった金額を含む。 |
卸売手数料 |
卸売業者が卸売代金から控除した手数料(出荷先の卸売業者へ支払った卸売手数料)をいう。 |
卸売代金送金料 |
卸売業者が卸売代金を集出荷団体に支払った際に要した送金料をいう。 |
上部団体手数料 |
集出荷団体の全国連及び道府県連が卸売代金から徴収した販売手数料をいう。 |
負担金 |
出荷対策費、価格安定費、共済金等をいう。 |
生産者受取収入 |
集出荷団体から生産者へ支払われた青果物の販売代金(生産者受取金額又は生産者受取価格)と青果物に関する奨励金等の合計金額をいう。 具体的には、集出荷団体の「集出荷・販売経費計」から「選別・荷造労働費(生産者)」を差し引いた金額を「集出荷団体の販売収入」から控除した金額 生産者受取収入 = 集出荷団体の販売収入-(集出荷・販売経費計-選別・荷造労働費(生産者)) |
イ 販売金額及び出荷先別販売金額割合
販売金額 |
集出荷団体が出荷した青果物全体の販売金額をいう。 |
出荷先別販売金額割合 |
集出荷団体が出荷した青果物全体の出荷先別の販売金額割合をいう。 |
(3) 青果物仲卸段階調査
仕入金額 | 店舗で取り扱った国産の青果物(加工・冷凍は含まない。)を仕入れる際に支払った代金で、買掛金を含む金額をいう。 |
販売金額 | 店舗で取り扱った国産の青果物(加工・冷凍は含まない。)を販売した際に受け取った代金で、売掛金を含む金額をいう。 |
(4) 青果物小売段階調査
仕入金額 | 店舗で取り扱った国産の青果物(加工・冷凍は含まない。)を仕入れる際に支払った代金で、買掛金を含む金額をいう。 |
販売金額 | 店舗で取り扱った国産の青果物(加工・冷凍は含まない。)を販売した際に受け取った代金で、売掛金を含む金額をいう。 |
品目別仕入先別仕入金額割合 | 店舗で取り扱った国産の青果物(加工・冷凍は含まない。)の仕入先別の仕入金額割合をいう。 |
(5) 青果物生産者段階調査
販売数量 |
生産者が販売した調査対象品目の販売数量をいう。 |
販売金額 |
生産者が販売した農産物全体・青果物全体又は調査対象品目の販売金額をいう。 なお、農産物全体は、青果物の作付けがあり、かつ、販売実績のある農業経営体の販売金額である。 |
出荷先別販売金額割合 |
生産者が販売した農産物全体・青果物全体の出荷先別の販売金額割合をいう。 |
集出荷団体への販売価格を100.0とした出荷先別販売価格比率 |
生産者が集出荷団体へ販売した調査対象品目の価格を100.0とし、小売業へ販売した価格及び消費者に直接販売した価格を集出荷団体へ販売した価格で除して算出した比率をいう。 |
販売経費 |
生産者が消費者に直接販売した際にかかる経費をいう。 |
2. 水産物調査
(1) 調査対象者
漁業者 |
水産物の水揚げ(漁業生産)がある漁業経営体をいう。 |
産地卸売業者 |
水揚げ漁港における産地卸売市場において、生産者から水産物の販売の委託を受けて卸売業務を行う者をいう。 |
産地出荷業者 |
産地卸売市場において、産地卸売市場の卸売業者から買い受けた水産物を、消費地卸売市場に出荷する業務を行う者をいう。 |
仲卸業者 |
卸売市場内において、当該市場の卸売業者から買い受けた水産物を小売業者等に販売する業務を行う者をいう。 |
小売業者 |
仕入れた水産物を消費者に販売する業務を行う者をいう。 |
(2) 水産物産地卸売段階調査
産地卸売数量 | 産地卸売市場で販売された水産物の数量をいい、買い入れたものを販売した際の数量を含む |
販売収入 | |
産地卸売金額又は産地卸売価格 |
産地卸売市場で販売された水産物の金額又は100kg当たりの価格をいい、買い入れたものを販売した際の金額を含む |
産地卸売手数料等 | |
産地卸売手数料 |
産地卸売を行った際の卸売手数料をいう。 |
その他の手数料 |
産地卸売業者が、水揚料、選別料等を産地卸売手数料以外に産地卸売金額から控除している手数料をいう。 |
買付販売差額 |
産地卸売業者が直接買い付けたものを販売した際の差額をいう。 |
生産者への支払金額 | 水産物の産地卸売金額から産地卸売手数料等を控除した金額をいう。 |
産地卸売経費 | |
包装・荷造材料費 |
産地卸売市場で選別、箱詰め等を行った場合に用いた発泡スチロール箱、木箱、ビニール袋等の容器のほか、容器の外側に用いるビニールテープ等の外装に用いる材料、氷等の保冷剤の費用をいう。 |
運送費 |
産地卸売業者が水産物を他の市場等に出荷した際の運送費をいう。 なお、産地卸売業者所有の車両で出荷したものについては、運送会社等へ委託したものとして見積もった金額を含めて計上した。 |
集荷費 |
産地卸売業者が水産物の集荷を行った際の運送費をいう。 なお、産地卸売業者所有の車両で集荷したものについては、運送会社等へ委託したものとして見積もった金額を含めて計上した。 また、生産者が産地卸売市場まで運搬するのに要した費用を産地卸売業者が負担した場合は、その負担した金額を含む。 |
保管費 |
他社の倉庫、冷蔵庫等を水産物の保管のため使用している際に支払った保管料(倉敷料、入出庫料、保険料等)をいう。 |
事業管理費 |
水産物の販売事業に占める割合により、産地卸売業者の事業管理費を配賦計算し、水産物販売事業における事業管理費を算出した |
廃棄処分費 |
水産物を廃棄(選別による減耗、傷み等による廃棄処分)した際に処分経費がかかる場合に要した廃棄処分費とし、発泡スチロール等の容器類の処分費は含めない |
支払利息 |
銀行等金融機関からの借入金の支払利息及び手形の割引料をいう。 |
その他の事業管理費 |
人件費、施設費、減価償却費等が該当する。 |
交付金 |
販売代金の早期納入を促進するため、買受人又はその組織する団体に対して支払う完納奨励金(売買参加者交付金)のほか、計画的出荷、規格・包装の改善を奨励するために、出荷者又はその組織する団体に対して支払う出荷奨励金をいう。 |
品目別の産地卸売数量、産地卸売金額及び産地卸売価格 | 国産の生鮮食用向け水産物(冷凍品を含む。)の産地卸売数量、産地卸売金額及び産地卸売価格をいい、買い入れたものを販売した際の数量及び金額を含む |
出荷先別販売金額割合 | 産地卸売業者の水産物全体(輸入水産物を含む。)の出荷先別販売金額割合をいう。 |
(3) 水産物産地出荷段階調査
仕入金額 | 店舗で取り扱った水産物(品目別にあっては、国産の生鮮食用向け水産物(冷凍品を含む。))を仕入れる際に支払った代金で、買掛金を含む金額をいう。 |
販売金額 | 店舗で取り扱った水産物(品目別にあっては、国産の生鮮食用向け水産物(冷凍品を含む。))を販売した際に受け取った代金で、売掛金を含む金額をいう。 |
完納奨励金(売買参加者交付金) |
卸売業者(産地出荷業者においては、産地卸売業者)から、仕入代金の早期納入に対して支払われた交付金をいう。 |
出荷奨励金 |
出荷先の卸売業者から、計画的出荷及び規格・包装の改善に対して支払われた交付金をいう。 |
産地出荷経費 | |
卸売手数料 |
卸売業者が卸売代金から控除した手数料(出荷先の卸売業者へ支払った卸売手数料。)をいう。 |
包装材料費 |
紙、ビニール袋、パック、ひも、テープなどの包装材料費をいう。 |
車両燃料費 |
営業のために使用したガソリン代、オイル代等をいう。 |
支払運賃 |
配送、荷受け等のため運送会社等へ支払った運賃をいう。 |
商品保管費 |
取扱商品を倉庫(冷蔵庫等)に保管した場合に支払った保管料をいう。 |
商品廃棄処分費 |
商品の仕入減耗、販売残等に関わる廃棄処分費をいう。 |
支払利息 |
銀行等金融機関からの借入金の支払利息及び手形の割引料をいう。 |
その他の産地出荷経費 |
給与手当、租税公課及び水道光熱費等が該当する。 |
(4) 水産物仲卸段階調査
仕入金額 | 店舗で取り扱った水産物(品目別にあっては、国産の生鮮食用向け水産物(冷凍品を含む。))を仕入れる際に支払った代金で、買掛金を含む金額をいう。 |
販売金額 | 店舗で取り扱った水産物(品目別にあっては、国産の生鮮食用向け水産物(冷凍品を含む。))を販売した際に受け取った代金で、売掛金を含む金額をいう。 |
(5) 水産物小売段階調査
仕入金額 | 店舗で取り扱った水産物(品目別にあっては、国産の生鮮食用向け水産物(冷凍品を含む。))を仕入れる際に支払った代金で、買掛金を含む金額をいう。 |
販売金額 | 店舗で取り扱った水産物(品目別にあっては、国産の生鮮食用向け水産物(冷凍品を含む。))を販売した際に受け取った代金で、売掛金を含む金額をいう。 |
品目別仕入先別仕入金額割合 | 店舗で取り扱った水産物(国産の生鮮食用向け水産物(冷凍品を含む。))の仕入先別の仕入金額割合をいう。 |
(6) 水産物漁業者段階調査
販売数量 | 漁業者が販売した調査対象品目の販売数量をいう。 |
販売金額 | 漁業者が販売した水産物全体又は調査対象品目の販売金額をいう。 |
出荷先別販売金額割合 | 漁業者が販売した水産物全体の出荷先別の販売金額割合をいう。 |
産地卸売市場への販売価格を100.0とした出荷先別販売価格比率 | 漁業者が産地卸売市場へ販売した調査対象品目の価格を100.0とし、小売業へ販売した価格及び消費者に直接販売した価格を産地卸売市場へ販売した価格で除して算出した比率をいう。 |
販売経費 | 漁業者が消費者に直接販売した際にかかる経費をいう。 |
調査票
利用上の注意
1. 統計数値については、表示単位未満の数値を四捨五入したため、合計値と内訳の計が一致しない場合がある。
2. 表中に使用した記号は、次のとおりである。
「0」:単位に満たないもの(例:0.4円→0円)
「0.0」:単位に満たないもの(例:0.04%→0.0%)
「-」:事実のないもの
Q&A
1. 食品流通段階別価格形成調査とは
Q. 「食品流通段階別価格形成調査」はどのような調査ですか?
A. 産地から消費地に至る各流通段階別の流通経費等の実態を把握し、食料の安定供給の確保に向けた食品流通の効率化・高度化、流通構造改革等の施策を推進するため、並びに水産物の流通について多様な流通ルートの構築による取引の選択肢の拡大等を推進するための資料を整備することを目的として実施しました。
Q. 「食品流通段階別価格形成調査」の結果からどのようなことがわかるのですか?
A. 生鮮農水産物について、産地から市場を経由して消費地に至る流通のほか、消費者への直接販売等の市場外流通における価格形成や出荷先状況等が明らかになります。
Q. どうしても答えなければならないのでしょうか?
A. もし、皆様から回答を頂けなかったり、正確な回答が頂けなかった場合、得られた統計が不正確なものとなってしまいます。そのようなことがあれば、この調査の結果を利用して立案・実施されている様々な施策や将来計画が誤った方向に向かったり、行政の公平性や効率性が失われたりするおそれがあります。
正確な統計に基づいて、公正で効率的な行政を行うためには正確な回答が必要ですので、ご協力をお願いします。
2. 調査方法について
Q. 「食品流通段階別価格形成調査」はどのように行われましたか?
A. 1 青果物生産段階調査、青果物集出荷段階調査(B)及び水産物漁業者段階調査
民間事業者が調査票を郵送により配布し、調査対象者が記入した調査票を郵送又はオンラインで回収する自計調査の方法により実施しました。
A. 2 青果物集出荷段階調査(A)、青果物仲卸段階調査、青果物小売段階調査、水産物産地卸売段階調査、水産物産地出荷段階調査、水産物仲卸段階調査及び水産物小売段階調査
農林水産省職員が調査票を配布し、調査対象者が記入した調査票を農林水産省職員が回収又は郵送若しくはオンラインで回収する自計調査の方法により実施しました。
Q. 「食品流通段階別価格形成調査」の対象はどのように選ばれたのですか?
A. 1 青果物調査
(1) 青果物生産者段階調査
2015年農林業センサス結果を基に、青果物の作付けがあり、かつ販売実績のある農業経営体から、調査対象品目いずれかを作付けする経営体については、調査対象品目別・出荷先別・作付面積規模別・都道府県別に区分し、調査対象品目以外を作付けする経営体については、出荷先別・作付面積規模別・都道府県別に区分し、無作為に抽出し対象としました。
(2) 青果物集出荷段階調査(A)
調査対象品目ごとに全国の青果物卸売市場の卸売価額が全国計の8割を超えるまでの上位産地(都道府県)を選定し、当該都道府県に所在し、卸売市場等への出荷金額が多い集出荷団体から有意に抽出し対象としました。
(3) 青果物集出荷段階調査(B)
全国の青果物集出荷団体のうち、青果物集出荷段階調査(A)の対象を除く全ての団体を対象としました。
(4) 青果物仲卸段階調査
全国の卸売市場のうち、青果物の卸売価額が全国計の6割を超えるまでの上位市場を選定し、選定した卸売市場に所属し青果物を取り扱う仲卸業者から無作為に抽出し対象としました。
(5) 青果物小売段階調査
平成26年商業統計結果を基に、野菜・果実の販売のあった事業所から無作為に抽出し対象としました。
A. 2 水産物調査
(1) 水産物漁業者段階調査
2013年漁業センサス結果を基に、水産物の水揚げ(漁業生産)がある経営体を調査対象品目別・出荷先別・販売金額規模別・都道府県別に区分し、調査対象品目以外の水揚げ(漁業生産)がある経営体については、出荷先別・販売金額規模別・都道府県別に区分し、無作為に抽出し対象としました。
(2) 水産物産地卸売段階調査
調査対象産地卸売市場の開設者等からの情報収集により、原則として当該産地卸売市場における水産物の卸売金額が最も多い産地卸売業者を有意に抽出し対象としました。
(3) 水産物産地出荷段階調査
調査対象産地卸売市場の開設者等からの情報収集により、原則として当該産地卸売市場における調査対象品目ごとに取扱金額が最も多い産地出荷業者を有意に抽出し対象としました。
(4) 水産物仲卸段階調査
全国の卸売市場のうち、水産物の卸売価額が全国計の6割を超えるまでの上位市場を選定し、選定した卸売市場に所属し水産物を取り扱う仲卸業者から無作為に抽出し対象としました。
(5) 水産物小売段階調査
平成26年商業統計調査結果を基に、水産物の販売のあった事務所から無作為に抽出し対象としました。
3. 結果の公表について
Q. 調査結果はいつ頃公表されるのですか?
A. 農林水産省のホームページで年間の公表予定を掲載していますので、大まかな時期はそちらを参考にして下さい。また、具体的な公表予定日時については、公表日を含む週の前週の金曜日に週間公表予定という形で掲載しますのでそちらで確認して下さい。
(リンク先:農林水産統計公表予定)
4. プライバシーの保護について
Q. 調査票に記入されたプライバシーは保護されるのでしょうか?
A. この調査は、「統計法」(平成19年法律第53号)に基づく統計調査として行われます。
統計調査に従事する者には統計法により守秘義務が課せられており、違反した場合には罰則(2年以下の懲役又は100万円以下の罰金)が科せられます。また、過去に統計調査に従していた者に対しても、同様の義務と罰則が規定されています(統計法第41条、第57条第2号)。
このように、統計調査の業務に従事する者、あるいは過去に従事していた者に対して守秘義務と厳しい罰則が設けられているのは、調査対象となる方々に、調査項目全てについて、安心して回答いただくためです。
この調査でいただいた回答(調査票)は、外部の人の目に触れないよう厳重に保管され、統計法で認められている統計の作成・分析の目的にのみ使用されます。統計以外の目的に利用することや、外部に出されることは一切ありませんので、安心してご記入ください。
お問合せ先
大臣官房統計部生産流通消費統計課消費統計室
担当者:価格・消費動向班
代表:03-3502-8111(内線3718)
ダイヤルイン:03-6744-2049