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農林水産省

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(4)女性農業者の活躍推進


(女性農業者の活躍)

平成26(2014)年における基幹的農業従事者167万9千人のうち女性農業者は42%(70万1千人)を占めており、農業や地域活動の担い手として重要な役割を果たしています(*1)。

女性農業者は、日々の自らの仕事だけでなく、生活者として家事・育児等に携わっています。そうした中で培った女性の能力を発揮し、農産物の生産だけでなく加工、サービス(販売、農業体験の提供等)を含めた多様な活動を行い、高い目標や志を持って農業経営を展開している女性農業者が、全国各地で活躍し始めています。

ダイハツ工業株式会社と連携した軽トラック開発プロジェクトの様子
ダイハツ工業株式会社と連携した
軽トラック開発プロジェクトの様子
井関農機株式会社と連携した農業機械に関するプロジェクトの様子
井関農機株式会社と連携した農業機械に
関するプロジェクトの様子

このような女性農業者の力を積極的に活かしていくために立ち上げられた「農業女子プロジェクト」は、女性農業者の活動を社会全体に発信することによって、その存在感を高め、将来的には職業として農業を選択する女性の増加を図ることを目指しており、女性農業者と企業が協同で新たな商品開発等を行っています。

同プロジェクトには、全国の女性農業者261人が参加(平成27(2015)年3月現在)するとともに、連携企業として自動車メーカーや旅行会社、ホテル等20社が参画しており、今後も参加者・連携企業を増加させていくこととしています。このプロジェクトでは、これら連携企業ごとに個別プロジェクトを実施しており、例えば、<1>女性の視点を取り入れた軽トラックの企画・開発を行う取組、<2>農業機械の使い方やメンテナンスのセミナー及び使い方マニュアル作成の取組等を進めています。

女性農業者にとっては、日々の生活や仕事、自然との関わりの中で培った知恵を活かすだけでなく、企業から農業経営に役立つヒントを学ぶことができる機会になっています。また、連携企業にとっては、農業就業人口の約半数を占める女性農業者向けの市場を開拓することにつながるという魅力もあります。

「農業女子プロジェクト」の活動を通じて、今後も農業で活躍する女性の姿を広く社会に伝えていくことが重要です。


*1 農林水産省「農業構造動態調査」

(地域社会や農業経営における女性の参画)

農業委員に占める女性の割合や農協の役員に占める女性の割合は、平成26(2014)年において、それぞれ7.2%(2,577人)(*1)、6.9%(1,277人)(*2)となっており、近年増加傾向にありますが、依然として低い状況にあります。このため、関係団体における女性役員等の登用目標の設定を促すとともに、地域の理解・機運の醸成に向けた啓発活動を展開しています。

また、平成23(2011)年に設立された全国女性農業委員ネットワークでは、40府県(平成27(2015)年3月現在)の女性農業委員組織が会員となっており、女性農業委員の資質向上や相互研さんに取り組んでいます。

一方、家族で取り組む農業経営において、経営方針や役割分担等を明確にする「家族経営協定(*3)」は、女性の経営参画を促すとともに、経営体としての組織力を向上させる取組として有効です。家族経営協定の締結数は年々増加しており、平成26(2014)年における締結農家数は、前年と比べ3%増加し5万4,190戸(*4)となりました。

このような取組を通じて、女性の能力が最大限に発揮されることにより、女性農業者の活躍が一層促進されることが期待されます。


*1 全国農業会議所調べ(平成26(2014)年8月1日(沖縄県は10月1日)現在)
*2 全国農業協同組合中央会調べ(平成26(2014)年7月31日現在)
*3 [用語の解説]を参照
*4 農林水産省調べ

事例:農業を通して地域おこしを目指す若き女性農業者の取組

秋田県横手市
佐藤愛生さん
佐藤愛生さん

秋田県横手市(よこてし)の佐藤愛生(さとう あい)さんは、島根県の大学で植物病理学を学ぶ中、自然と触れ合う農業の魅力に気づき、卒業後の平成24(2012)年に実家が営む農園に就農しました。

現在、家族とともに16haの稲作や、きゅうり、メロン、小松菜等の栽培、秋田県で生産された果物でジャム加工を行っており、「農業女子プロジェクト」にも参加しています。

また、地域で中心的なリーダーとして活躍する女性農業者を育成するための平成26(2014)年度の女性農業次世代リーダー育成塾の生徒に選抜され、消費者に直接販売する方法、ブランディング方法、取引の仕組み等を学ぶなど、経営能力向上に向けて積極的に研修に参加しました。

今後、農業の技術を更に磨いていくとともに、女性の感性を生かした農業を展開していきたいと考えています。また、農業体験等にも将来的に取り組んでいき、農業で地域が元気になるような活動を積極的に行っていく意向です。

 


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