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農林水産省

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(8)甘味資源作物


(てんさいとさとうきびは回復基調)

てんさいは北海道、さとうきびは沖縄県及び鹿児島県の南西諸島で作付けされており、砂糖の原料として利用されています。日本で消費される砂糖は年間200万t程度で推移しており、3割は国産のてんさいとさとうきびから作られています。

また、砂糖の1人当たりの年間の消費量は、昭和48(1973)年度の28kgをピークに減少し、近年19kg程度で推移しています(*1)。

一方、国内生産の動向をみると、てんさいについては、作付面積は近年減少傾向で推移しており、平成26(2014)年産は5万7千haとなっています。収穫量は、根部の肥大が良好であったことから13万2千t増加し、356万7千tとなりました(図2-4-15)。

さとうきびについては、沖縄県での2年連続の不作等を背景として、収穫面積は前年産から1,100ha減少し、平成25(2013)年産では2万2千haとなっています。収穫量は、地域ごとに状況が異なるものの、全体としては、不作であった前年産から8万3千t増加し、119万1千tとなりました(図2-4-16)。


*1 農林水産省「食料需給表」

てんさいは、北海道の畑作地帯において収量低下や病害虫の発生を防ぐための三輪作(小麦、てんさい及びばれいしょ)又は豆類を加えた四輪作の一部を構成しており、ばれいしょとともに農業生産を維持する上で重要な作物となっています。また、北海道の各地に所在する製糖工場、でん粉工場は、地域の雇用を支えていることに加え、畑から作物を運ぶ運送業や製品を保管する倉庫等の関連産業も地域経済を支えています。

一方、さとうきびは、沖縄県及び鹿児島県の南西諸島における基幹作物であり、地域経済を支える重要な作物となっています。また、さとうきびは収穫後早急に加工する必要があることから、島しょごとに分みつ糖(*2)工場や含みつ糖(*3)工場が稼働しており、これらの工場は特に離島における雇用機会の維持・確保に重要な役割を果たしています。

てんさいやさとうきびの生産量が減少すると、製糖工場等の地域の関連産業に影響が及ぶことが懸念されるため、甘味資源作物の安定生産を図っていくことは重要な課題です。

このような中、生産の安定化に向けて、てんさいでは、直播栽培の収量の向上及び安定化、移植栽培における育苗作業の外部化、さとうきびでは、作業受託組織や共同利用組織の育成、機械化一貫体系の普及等の取組を行っていくことが重要となっています。


*2 さとうきびの絞り汁等に含まれる糖分を結晶化し、糖蜜を分離したもの。一般的に使われる白砂糖等
*3 さとうきびの絞り汁をそのまま煮詰めたもの。黒糖や和三盆等


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