(1)世界の食料の需給動向と我が国の農産物貿易 イ 食料需給をめぐる今後の見通し
(世界全体の穀物需要は増加する見通し)
世界の穀物需要は、人口の増加や開発途上国等の経済発展に伴う食生活の変化、特に肉類需要の増加や、畜産物生産に必要な飼料穀物の増加等が見込まれ、平成11(1999)年から平成13(2001)年平均の18億tから平成36(2024)年には27億tまで50%増加すると見込まれています(図1-2-3)。
世界の穀物生産量も需要に合わせて増加しており、今後も生産性の向上や農業投資の増加により一定の増加が期待されています。しかしながら、地球温暖化、水資源の制約、土壌劣化等が顕在化しつつあり、中長期的には、需給の逼迫(ひっぱく)も懸念されます。
このような中、世界の地域別に穀物及び大豆の生産量等の推移をみると、ほぼ全ての地域で生産量、消費量ともに増加すると見込まれています(図1-2-4)。また、地域別にみると、アジア及びアフリカでは、今後も人口増加による消費量の増加が見込まれ、生産が追いつかなくなり、輸入が増加すると見込まれています。次に、品目別にみると、特に大豆について、アジアにおける消費量が生産量の4倍以上になり、その供給元として北米や中南米で生産が伸びると見込まれています。
(世界全体の食肉需要は増加する見通し)
世界全体の食肉需要は増加傾向で推移しており、平成36(2024)年には家きん肉が1億3,300万tと最も需要が多くなり、次いで豚肉が1億2,800万t、牛肉が7,500万t必要になると見込まれています(図1-2-5)。
次に、先進国と開発途上国の食肉需要を指数化してみると、牛肉は先進国でほぼ横ばい、アジア・中東で増加が見込まれることから開発途上国で84ポイントの上昇、豚肉は世界における全体需給の6割を占めているアジアで引き続き増加が見込まれることから、先進国で13ポイント、開発途上国で108ポイントの上昇、家きん肉は手頃な価格、健康的なイメージ、低脂肪、宗教的問題の少なさ等のプラス要因により、先進国だけでなく、開発途上国でも増加が見込まれることから、先進国で79ポイント、開発途上国で196ポイントの上昇とそれぞれ大きく上昇すると見込まれています(図1-2-6)。
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