(3)食料・農業・農村基本計画と併せて策定された展望等 イ 農業構造の展望
(望ましい農業構造の姿)
担い手の育成・確保、担い手への農地集積・集約化等を総合的に推進していく上での将来のビジョンとして、担い手の姿を示すとともに、望ましい農業構造の姿を明らかにしています。
多様な経営体が我が国の農業を支えている現状を踏まえ、中山間地域等における地理的条件や、生産品目の特性等地域の実情に応じ、家族・法人の別等経営形態にかかわらず、経営改善を目指す農業経営体(*1)を担い手として育成します。
担い手に利用されていない農地を利用している中小規模の経営体等についても、持続的に農業生産を行い、担い手とともに地域社会を支えている実態を踏まえて、営農の継続が図られるよう配慮し、また、担い手やその他の経営体を支える農作業支援者の役割にも留意する必要があります。
さらに、他産業との人材獲得競争も激化することが予想される中、世代間バランスの取れた農業構造の確立に向け、農業労働力の見通しについても併せて提示しています。
担い手の姿としては、効率的かつ安定的な農業経営(主たる従事者が他産業従事者と同等の年間労働時間で地域における他産業従事者と遜色ない水準の生涯所得を確保し得る経営)になっている経営体及びそれを目指している経営体の両者を併せて、「担い手」としており、ここでいう、効率的かつ安定的な農業経営を目指している経営体とは、(1)「認定農業者(*2)」、(2)将来認定農業者となると見込まれる「認定新規就農者」、(3)将来法人化して認定農業者となることが見込まれる「集落営農」としています。
望ましい農業構造の姿としては、農地中間管理機構の発足(平成26(2014)年)以降、担い手への農地の集積率が約6割まで上昇している中、基本法第21条を踏まえ、全農地面積の8割が担い手によって利用される農業構造の確立を目指すこととしています。
その際、中山間地域等の地理的条件や、生産品目の特性等地域の実情に応じて進めていくとともに、担い手に利用されていない農地を利用している中小規模の経営体等についても、担い手とともに地域を支えている実態を踏まえて、営農の継続が図られるよう配慮していきます。また、担い手やその他の経営体を支える農作業支援者の役割にも留意が必要です(図表 特1-13)。
農業就業者(基幹的農業従事者(*3)、雇用者(常雇い(*4))及び役員等(年間150日以上農業に従事))について、近年のすう勢を基に試算を行い、これまでの傾向が続いた場合、農業就業者数は、令和12(2030)年に131万人、そのうち49歳以下は28万人と見通されますが、持続可能な農業構造が実現するよう、農業の内外からの青年層の新規就農を促進し、減少が続く基幹的農業従事者(49歳以下)の数を維持するとともに、雇用者(常雇い・49歳以下)が平成22(2010)年から平成27(2015)年までの1/2程度の増加ペースで増加すること等を前提とすれば、農業就業者数は、令和12(2030)年に140万人、そのうち49歳以下が37万人となります。
*1 用語の解説1、2(1)を参照
*2 用語の解説3(1)を参照
*3、4 用語の解説1、2(4)を参照
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