はじめに
「令和4年度食料・農業・農村の動向」(以下「本報告書」という。)は、食料、農業及び農村の動向並びに食料、農業及び農村に関して講じた施策に関する報告として、また、「令和5年度食料・農業・農村施策」は、動向を考慮して講じようとする施策を明らかにした文書として、食料・農業・農村基本法に基づき、毎年、国会に提出しているものです。
農業は、国民生活に不可欠な食料を供給する機能等を有するとともに、農村は、農業の持続的な発展の基盤たる役割を果たしています。一方で、我が国の農業・農村は、人口減少に伴う国内市場の縮小や生産者の減少・高齢化等の課題に直面しているほか、世界的な食料情勢の変化に伴う食料安全保障上のリスクの高まりや、気候変動等の今日的課題への対応にも迫られ、大きなターニングポイントを迎えています。このため我が国は、輸入に依存している小麦や大豆、飼料作物の生産拡大等食料安全保障の強化を図りつつ、スマート農業や世界の食市場を獲得するための農林水産物・食品の輸出促進等を推進し、農業が次世代に引き継がれるよう、若者が意欲と誇りを持って活躍できる魅力がある産業とすることを目指しているところです。このような背景を踏まえ、本報告書では、冒頭の特集において、「食料安全保障の強化に向けて」と題し、現下の食料情勢や価格高騰の影響とその対応、将来にわたって国民に食料を安定的に供給していくための取組について記述しています。
また、トピックスでは、令和4(2022)年度における特徴的な動きとして、「農林水産物・食品の輸出額が過去最高を更新」のほか、「動き出した「みどりの食料システム戦略」」、「スマート農業・農業DXによる成長産業化を推進」、「高病原性鳥インフルエンザ及び豚熱への対応」等の六つのテーマを取り上げています。
特集、トピックスに続いては、食料、農業及び農村の動向に関し、食料自給率の動向や食品の安全確保等を内容とする「食料の安定供給の確保」、担い手の育成・確保や主要な農畜産物の生産動向等を内容とする「農業の持続的な発展」、農村人口の動向や農村における活力の創出等を内容とする「農村の振興」の三つの章立てを行い、記述しています。また、これらに続けて、「災害からの復旧・復興や防災・減災、国土強靭(きょうじん)化等」の章を設け、東日本大震災や大規模自然災害からの復旧・復興、令和4(2022)年度に発生した災害の状況と対応等について記述しています。
本報告書の記述分野は多岐にわたりますが、統計データの分析や解説だけでなく、全国各地で展開されている取組事例等を可能な限り紹介し、写真も交えてわかりやすい内容とすることを目指しました。また、QRコードも活用し、関連する農林水産省Webサイト等を参照できるようにしています。
本報告書を通じて、我が国の食料・農業・農村に対する国民の関心と理解が一層深まることを期待します。
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