更新日:平成28年7月21日
担当:消費・安全局農産安全管理課農薬対策室
蜜蜂被害事例調査(平成25年度~平成27年度)
調査の目的
欧米では、2000年代より、蜜蜂の大量失踪(いわゆる「蜂群崩壊症候群」(CCD))が問題となり、その原因は、病気、ダニ、農薬等である可能性が指摘されています。
我が国では、CCDの事例は報告されていませんが、蜜蜂が減少する事例は起きており、それらの事例と上記のような原因との関係について、十分なデータを把握できているとはいえませんでした。
このため、農林水産省は、農薬と蜜蜂が減少する事例の発生との関連性を把握すること等を目的として、平成25年度から27年度までの3年間で、農薬が原因と疑われる蜜蜂数の顕著な減少や大量の死虫の発生(以下「被害」という。)事例の調査を実施しました。
結果のポイント
1. 報告された被害事例の数は、69件(平成25年度)、79件(平成26年度)、50件(平成27年度)でした。
2. 被害の発生は、水稲のカメムシを防除する時期に多く、巣箱の前から採取した死虫からは各種の殺虫剤が検出されましたが、それらの多くは水稲のカメムシ防除に使用可能なものでした。
3. これらのことから、分析を行った死虫の発生は、水稲のカメムシ防除に使用された殺虫剤に、蜜蜂が直接暴露したことが原因である可能性が高いと考えられます。なお、検出された各種の殺虫剤の被害への影響の程度は特定できませんでした。
4. 被害件数が減少した都道府県に聞き取り等を行った結果、以下の対策が有効であることが明らかになりました。
(ア)農薬使用者と養蜂家の間の情報共有
(イ)巣箱の設置場所の工夫・退避
(ウ)農薬の使用の工夫
5. 対策を実施することによって、農薬による蜜蜂の被害は減少しましたが、北海道については、被害が減少しませんでした。
今後の取組
1. 調査の結果を踏まえ、農林水産省は、以下の取組を行います。
・都道府県による対策の継続的な実施を促進
・水稲のカメムシを防除する時期(7月~9月頃)には、注意喚起のため、都道府県に対し、通知を発出
2. 北海道は、農薬散布回数の削減や、巣箱を退避させることが可能な場所の確保の検討等の対策を推進します。
3. 農林水産省は、対策の有効性を検証する等のために、毎年、都道府県ごとに被害の件数等を把握します。
4. 農林水産省は、引き続き、国内外の知見を収集するとともに、効果的な被害軽減対策を確立する等のために必要な調査研究を実施します。
詳細な結果については、添付資料を御覧ください。
添付資料
- 蜜蜂被害事例調査(平成25年度~27年度)の結果及び今後の取組について(概要)(PDF : 295KB)
- 蜜蜂被害事例調査(報告書)(PDF : 1,596KB)
- 平成28年度の蜜蜂被害軽減対策の推進について(通知)(PDF : 470KB)
参考
お問合せ先
消費・安全局農産安全管理課農薬対策室
担当者:農薬指導班
代表:03-3502-8111(内線4500)
ダイヤルイン:03-3501-3965
FAX番号:03-3501-3774