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農林水産省

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2.果樹

   国内外の需要に応えきれていない果樹について、生産の増大に転じるため、労働生産性の向上が見込まれる省力樹形や優良品目・品種への改植・新植等のほか、新たな担い手の確保・定着に資する取組に加えて、生産性を飛躍的に向上させるための産地構造の転換に向けた実証等の取組を推進する。また、国内外の市場拡大に向け、食の外部化・簡便化に伴う消費者ニーズの多様化・高度化に対応した果実及び果実加工品の供給拡大、輸出拡大を図るための生産力の増強や鮮度保持・輸送技術の向上等による環境整備を推進する。

(1)生産性の向上等に向けた取組

   担い手不足による生産基盤の脆弱化を踏まえ、省力樹形や優良品目・品種への改植・新植、担い手の就農・定着のための産地の取組と併せて行う小規模園地整備や部分改植等の産地の新規参入者受入態勢の整備のほか、省力樹形の導入等に必要な苗木の生産及び一定程度輸入花粉に頼っている品目の国産花粉の安定生産・供給、慢性的な供給不足となっている加工・業務用等の国産果実の省力的生産・出荷の実証の取組を推進する。また、スマート技術導入を前提とした樹園地の環境整備や流通事業者等との連携等により、生産性を飛躍的に向上させた生産供給体制モデルの構築を図る取組を推進する。

<関連情報>
農林水産省HP「果樹農業の振興を図るための基本方針(果樹農業振興基本方針)」(PDF:849KB)
農研機構HP「省力樹形樹種別栽培事例集」[外部リンク]
農林水産省HP「最新農業技術・品種2015」(果樹の樹体ジョイント仕立てを核とした省力、低コスト栽培システム)[外部リンク]
農研機構HP「各地域に適したリンゴ早期成園化技術の開発と経営体における実証 技術紹介資料」[外部リンク]
栃木県HP「果樹の根圏制御栽培法導入マニュアル」[外部リンク]

(2)多様化・高度化する消費者・実需者ニーズへの対応

   消費者・実需者のニーズの多様化・高度化を踏まえ、ニーズに応じた品目・品種への転換を積極的に推進する。高品質果実の安定生産については、地域の気候や園地の立地条件等を考慮した各地で推奨されている技術に加え、かんきつにおけるシールディング・マルチ栽培(S.マルチ栽培)等の各品目の特性に応じた栽培技術の普及を図る。さらに、光センサー選果機から得られる品質データやICTにより得られる生育状況データの活用等による園地別栽培管理等を推進する。また、高品質果実の流通期間を拡大しつつ需要に応じた安定供給が可能となるよう、品目や地域の特性に応じて屋根掛け栽培等の導入、1-MCP燻蒸剤処理やMA資材包装の活用による果実の品質保持技術等の活用を推進する。加工用果実の生産については、加工用を視野に入れた新品種の育成に加え、新たな加工需要を創造する新商品・新商材の開発を推進する。

<関連情報>
農林水産省HP「農業新技術2013」(「不知火」等の主要中晩柑の夏季出荷技術)[外部リンク]
農研機構HP「「団地型マルドリ方式」導入の手引き(第2版)」[外部リンク]
農研機構HP「カンキツにおけるシールディング・マルチ栽培 (S.マルチ)の技術マニュアルver.1.0」[外部リンク]
農研機構HP「新技術を導入した「シャインマスカット」栽培マニュアル」[外部リンク]
農研機構HP「渋皮がむきやすいニホングリ果実の安定生産体系標準作業手順書(SOP)」[外部リンク]
農研機構HP「渋皮が簡単にむける早生のニホングリ新品種「ぽろすけ」」[外部リンク]
農研機構HP「自家和合性のウメ新品種「麗和」と「和郷」」[外部リンク]

(3)温暖化への対応

   都道府県等は気候変動適応計画に即し、うんしゅうみかんの浮皮果を軽減させるジベレリン・プロヒドロジャスモン混用散布、りんごの日焼け果を減少させる被覆資材の利用やかん水、りんごの着色不良を改善させる反射シートの導入や窒素施肥量の調節、ぶどうの着色を改善させる環状剥皮技術、日本なしの発芽不良を軽減するための窒素施用時期の変更等の普及に努める。また、うんしゅうみかんから中晩柑等への品目転換、りんご・ぶどうの優良着色系品種への転換等の他、高付加価値な亜熱帯・熱帯果樹の導入等の実証等を推進する。

<関連情報>
農林水産省HP「気候変動適応ガイド(りんご、うんしゅうみかん、ぶどう)」
農研機構HP「被覆資材によるリンゴ日焼け軽減マニュアル」[外部リンク]
農研機構HP「浮皮軽減のための技術情報(2014.12改訂版)」[外部リンク]
農研機構HP「アボカド・パッションフルーツ「栽培の手引き」リーフレット集」[外部リンク]
農研機構HP「わい化栽培のリンゴ「ふじ」における着色向上のための窒素施肥マニュアル」[外部リンク]
農研機構HP「ニホンナシ発芽不良対策マニュアル」[外部リンク]
農研機構HP「ブドウ着色不良発生頻度予測詳細マップ」[外部リンク]
農研機構HP「温暖化による温州ミカンの着花性と「不知火」こはん症発生の影響と対策技術」[外部リンク]
農研機構HP「西南暖地に向く早生モモ新品種「さくひめ」」[外部リンク]
農研機構HP「高温でも濃赤色に着色しやすく、食味も良い リンゴ新品種「錦秋」」[外部リンク]
農研機構HP「高温でも着色しやすく、軟化もしにくい リンゴ新品種「紅みのり」」[外部リンク]
農研機構HP「高温でも容易に着色する極大粒のブドウ新品種「グロースクローネ」」[外部リンク]

(4)病害虫対策の徹底

   国内における安定的な果樹生産を図るため、ビワキジラミや果樹類の白紋羽病等の難防除病害虫に対して確立された防除体系の普及を図るほか、病害虫の薬剤抵抗性の発達を防ぐため、農薬のローテーション散布等による病害虫対策を徹底する。薬剤耐性菌が出現している病原菌については、農薬防除に加え、落葉処理等の耕種的防除に取り組む。また、相手国が要求する検疫条件に適合するよう、放任園地(管理不良園)を適切に管理するとともに、園地におけるモモシンクイガ等の防除や選果時の食害果の除去等を徹底する。新たな病害虫による被害を拡大させないため、農業者への周知を行い、早期発見、早期防除に努める。

<関連情報>
農研機構HP「ビワの新害虫ビワキジラミの対策技術標準作業手順書」[外部リンク]
農研機構HP「新・果樹のハダニ防除マニュアルー<w天>防除体系ー【第三版】」[外部リンク]
農研機構HP「白紋羽病 温水治療マニュアル 改訂版」[外部リンク]
農研機構HP「白紋羽病温水治療マニュアル 2018年速報版」[外部リンク]
農林水産省HP「農業新技術200X」(温水を用いた果樹白紋羽病の治療技術)[外部リンク]

お問合せ先

大臣官房政策課技術政策室

代表:03-3502-8111(内線3130)
ダイヤルイン:03-3502-3162

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