1.野菜
将来にわたり、国産野菜を安定的に供給していくためには、野菜の生産、流通、加工の各段階において、消費者・実需者ニーズ等に的確に対応できる体制づくりを進めるとともに、産地の技術革新、経営戦略を担う中核的な人材の確保・育成等により産地の体質強化を推進することが重要。生産・流通コストの低減に向けた技術的支援を充実・強化するとともに、的確なマーケティングを基礎とした経営戦略の下に選定された新技術・新品種の導入、生産技術の高度化、野菜産地の育成、安全性への取組の強化等により、産地の競争力を強化することが必要。
加工・業務用需要の増大に適切に対応するため、生産者・流通業者・実需者の連携の強化により実需者が求める規格・品質等を産地において的確に把握するとともに、これに対応した適性を持つ品種の導入、新たな生産体系の構築、作柄安定技術の導入、省力化・低コスト化のための機械化一貫体系の確立等が必要。また、産地段階における高付加価値化や供給体制の安定化に向け、一次加工や包装を行う処理加工施設や集出荷貯蔵施設の整備、豊作時にも原料野菜の冷凍による一時的なストックを通じた出荷調整が可能となる冷凍加工貯蔵施設の整備、園芸産地が抱える流通の課題に対応した出荷作業の合理化のための整備等が必要。
<関連情報>
農林水産省HP「農業技術総合ポータル(露地野菜の技術情報)」
(加工・業務用に向く短節間性カボチャ「くりひかり」)
(日持ちが良く良食味、加工に向く短節間性かぼちゃ品種「おいとけ栗たん」)
(春夏どりに適したコンパクトネギ品種「こいわらべ」と「すずわらべ」)
(業務・加工用キャベツの4-5月どり栽培技術 -新品種と作型の紹介-)
農研機構HP「加工・業務用ホウレンソウ機械収穫体系マニュアル」(PDF : 1,614KB)
農研機構HP「ブロッコリー花蕾の大型化によるフローレット増収技術」[外部リンク]
農研機構HP「株元着果性に優れ良食味のかぼちゃ新品種「豊朝交1号」」[外部リンク]
農研機構HP 「臭いや黄変の原因となる成分グルコラファサチンを含まない白首のF1ダイコン品種「令白」」[外部リンク]
農研機構HP「四季成り性のイチゴ新品種「夏のしずく」」[外部リンク]
農研機構HP「高温期でも生育が旺盛な夏どり用ネギ品種「夏もえか」」[外部リンク]
農研機構HP「最高レベルの根こぶ病抵抗性を有するキャベツF1品種「YCRふゆいろ」」[外部リンク]
農研機構HP「吸肥力と吸水力に優れ、植物工場等における安定生産のための養液栽培向けトマト台木用F1品種「ベースアップ」」[外部リンク]
生産コストの低減及び栽培作業の省力化並びに収益力向上のため、作業の機械化や高度環境制御技術を導入した次世代型園芸の取組拡大を推進。また、意欲ある農業者による産地体制を構築し、作業の効率化を進めるため、農地の集約化等を推進。一方、農地の集約化が困難な産地においては、それぞれの産地の実情にあわせて導入機械の共同利用等を推進。環境保全型農業の推進による農薬費の低減など低コスト化・省力化の取組を積極的に検討。さらに、エネルギーコストの低下を図り燃油価格の変動に対応するため、省エネルギー対策を推進(I(II)5(3)「省エネルギー・省資源型農業の推進」)。露地野菜については、機械化一貫体系の確立に向けた収穫用機械等の開発及び実用化を進めているところ。収穫機の導入と規模拡大を通じたコスト低減を推進。施設野菜については、「低コスト耐候性ハウス」の導入を推進するとともに、更なる低コスト化に向けた技術の検討・普及等に取り組む。また、生育や環境のモニタリングに基づく複合環境制御などにより生産性を向上させ、季節や天候に左右されない安定的な野菜生産を推進する。
<関連情報>
農林水産省HP「農業新技術2013」(機上調製作業と大型コンテナ収容を特徴とする高能率キャベツ収穫機)[外部リンク]
農林水産省HP「最新農業技術・品種2016」(促成栽培ナスにおける増収効果の高い日の出後CO₂施用)
農林水産省HP「最新農業技術・品種2017」
(容易に設置可能で省力的なキャベツセル成型苗の底面給水育苗技術)
(促成ピーマンにおける株元加温による設置作業の省力化技術)
(暖地タマネギの収穫・運搬作業を省力化する高能率収穫機及び収納容器)
農林水産省HP「最新農業技術・品種2018」
(タマネギ直播栽培における直下施肥を用いたリン酸肥料の減肥技術)
(東北・北陸地域に適するタマネギの春まき夏どり作型)
(キュウリ促成栽培における基肥リン酸施用要否のための可給態リン酸基準)
農林水産省HP「農業用温室の設置コスト低減に向けた取組について」
農林水産省HP「最新農業技術・品種2021」(加工・業務用葉ネギ収穫機)
農薬取締法(昭和23年法律第82号)に基づき販売・使用が禁止されたドリン系農薬等の難分解性の化学物質を過去に使用していた産地では、土壌や農作物の調査を行うとともに、必要に応じてこれらの物質を吸収しにくい他の品目への転換等の対策を徹底する。クロピラリドは、国内では農薬として登録されていない。一方で、海外においてイネ科作物等に使用されている除草剤の成分であり、クロピラリドを含む飼料が給与された牛等の排せつ物に由来する堆肥に含まれる可能性があることから、園芸農家・育苗業者等に対し、「牛等の排せつ物に由来する堆肥中のクロピラリドが原因と疑われる園芸作物等の生育障害の発生への対応について」に基づき、指導する。
<関連情報>
農林水産省HP「クロピラリド関連情報」
農林水産省HP「牛等の排せつ物に由来する堆肥中のクロピラリドが原因と疑われる園芸作物等の生育障害の発生への対応について」(PDF:1,623KB)
セイヨウオオマルハナバチの利用に当たっては、「セイヨウオオマルハナバチの飼養等施設の適切な管理の徹底等について」や「セイヨウオオマルハナバチの代替種の利用方針」により、在来種マルハナバチへの切替えや単為結果性品種への転換について、産地の状況を踏まえつつ、積極的に検討する。在来種マルハナバチの利用に当たっては、園芸用施設からの逸出や鳥類による捕食を防ぐことが農業経営上の観点からも重要であること、セイヨウオオマルハナバチとは異なる特性を持っており、取扱方法の違いを理解する必要があることを十分に周知する。また、セイヨウマルハナバチ、クロマルハナバチの安定利用の観点から、リーフレット「マルハナバチを適切に管理しましょう!」等を参照し、指導する。
さらに、花粉交配用ミツバチについては、近年の自然災害等により需給が逼迫しつつある。蜂群の長期間維持や、伝染性疾病のまん延を防ぐ上でも、養蜂業者からの注意事項や「施設園芸農家向け花粉交配用ミツバチの管理マニュアル」等を適宜参照し、適切な管理を指導する。
<関連情報>
農林水産省HP「セイヨウオオマルハナバチの飼養等施設の適切な管理の徹底等について」(平成24年12月21日付け24生産第2455号生産局農産部園芸作物課長通知)(PDF:85KB)
環境省HP「セイヨウオオマルハナバチの飼養等の許可の運用について」[外部リンク]
農林水産省HP「セイヨウオオマルハナバチの代替種の利用方針」(平成29年4月環境省及び農林水産省)(PDF:2,194KB)
農林水産省HP「マルハナバチを適切に管理しましょう!」(PDF:351KB)
農林水産省HP「施設園芸農家向けみつばち飼養管理マニュアル」(PDF:1,168KB)
農林水産省HP「花粉交配用みつばちを適切に管理しましょう!」(PDF:441KB)
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