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コハダ
江戸時代から江戸前を代表する食材だった「コハダ」は、仕込みに職人の技が問われる食材で、江戸前ずしの光りものと言えば、「コハダ」と代名詞になるほどネタとして欠かせないものである。握りずしのほか、酢じめで食される機会が多いが、「こはだの粟漬け」もそのひとつ。成長により名前が変わっていくコハダ。稚魚「シンコ」若魚「コハダ」「ナガスミ」成魚「コノシロ」と、出世魚であるコハダを用いることで縁起を担ぎ正月料理に用いられる。また、クチナシで黄色に染めた粟と漬けて「五穀豊穣」を願い、縁起の良い組み合わせが二の重の縁起物としておせち料理を彩る。重箱に詰めることを考慮し、多少強めの酢加減にすることで保存性が高まる。
年末に用意をして正月に食される全国的にも代表的なおせち料理のひとつである。通常は、2~3日漬けてからが食べごろだが、数時間で漬け込み即席で食べることもできる。
魚の頭と内臓を取り除き、骨も取り、塩でしめて酢漬けにする。蒸した粟を冷ましたものに、しょうがのみじん切りや唐辛子の輪切りを加えたものと、酢漬けにした魚とを交互に重ね容器に入れて漬ける。酢を強めにすることで保存性も高まる。
コハダを酢じめにしたものを粟に漬けた「こはだの粟漬け」は、関東ではおせち料理の一品として今も受け継がれ、年末にはスーパーやネット販売でおせち料理として販売される。
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