愛知県|にっぽん伝統食図鑑
愛知県

醸造文化が育む旨味と、尾張・三河の多様な食の歴史
太平洋に臨み、肥沃な濃尾平野と三河高原を擁する愛知県は、豊かな水系と温和な気候に恵まれた土地である。地域ごとに特色ある風土を有しており、この地理的条件が尾張と三河という二つの異なる歴史背景を持つ地域の食文化を育んできた。
愛知の食を語る上で欠かせないのが、全国に誇る「醸造文化」である。大豆のみを原料とする「豆味噌」や「たまり醤油」は、高温多湿な夏を越すための知恵として発達した。長期熟成による濃厚な旨味が特徴の豆味噌は、三河武士の携行食としても重宝され、現代の「味噌田楽」などの独自の食文化の基盤となった。
名古屋城の城下町として栄えた尾張、家康誕生の地である三河、それぞれに独自の味覚が受け継がれている。愛知の食は先人の創意工夫と歴史の奥行きを感じさせる魅力に溢れている。






