岩手県|にっぽん伝統食図鑑
岩手県

「山・川・海」の恵みと、厳しい自然が育んだ多様な食文化
本州最大の面積を誇る岩手県は、西に奥羽山脈、東に北上高地を擁し、その間を北上川が流れる山・川・海の恵みが揃った土地である。地理的条件により気候は大きく異なるが、特に沿岸部や北部では、夏季に吹く冷たく湿った偏東風「やませ」による冷害との戦いが長く続いた歴史を持つ。
かつて米作りが不安定だった地域では、アワやヒエなどの雑穀、また小麦の栽培が盛んに行われ、それらを粉にして活用する独自の「粉食文化」が根付いた。旧南部藩領では「ひっつみ」などの粉食が発展した一方、旧伊達藩領であった県南地方は、比較的米に恵まれていたことから、独自の「もち食文化」が育まれた。
現在は全国有数の米どころへと発展を遂げているが、限られた食材を大切に食べる精神は今も受け継がれている。県北の雑穀料理、県南の儀礼的な「もち本膳」、沿岸部の豊かな海の幸など、地域ごとに風土に根ざした多様な食文化を垣間見ることができる。






