鳥取県|にっぽん伝統食図鑑
鳥取県

日本海、山麓、砂丘が育んだ鳥取の多彩な食
鳥取県は、北は豊かな漁場である日本海に面し、南には名峰・大山をはじめとする中国山地が連なっている。東西に長い海岸線と険しい山々に囲まれた地形は、砂丘地での「らっきょう」栽培や大山山麓の酪農、日本海の「松葉がに」漁など、多様な産業を育んできた。この山・川・海の豊かな恵みを背景に、鳥取では地域に根ざした独自の食文化が息づいている。
鳥取の食において特徴的なのが、江戸時代から続く「豆腐」の活用である。かつて質素倹約が奨励された歴史から、魚の代わりとして豆腐を用いた独自の食習慣が広まった。
地域ごとに目を向けると、東部では「モサエビ(クロザコエビ)」やハタハタなどの海の幸が食卓を彩り、中部では海藻を固めた「いぎす」が慶弔の席を支えてきた。西部では大山信仰の歴史とともに、僧兵の炊き出しをルーツとする「大山おこわ」が発展した。
砂丘地や山麓といった厳しい自然環境を活かしながら育まれてきた鳥取の食は、素材を慈しむ心とともに、今も大切に受け継がれている。






