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農林水産省

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新用水路試掘願

明治150年 イメージ画像

資料の現代語訳

新用水路試掘願

三河国加茂郡今村地内の矢作川通りから同国碧海郡渡刈村以下藤井村および高浜村に至る用水路の掘り割り、永覚新郷字長根・須池以下86箇所並びに不毛地6箇所開墾のことは、去る明治9年6月中に願い上げ奉りましたが、関係村々からじっくりと言い聞かせた末、受書と約定書などまで作成した上、ご本省へお稟議済みであることも、ご口達有りまして、すでにご許可も成すというところでしたが、資金の約定に手落ちがあり、先の計画の金高では足りず、官庁にても成功のめどがたたないので、聞き届けられず、これについては、手落ちがあったことを申し訳なく思います。
今更、何とも申し上げることもございませんが、せっかく、これまで官のお手数を煩わせ、また国益の障害筋にもなっては済まないという事は勿論、今に至り、先に苦情を申し立て、度々のご説諭で煩わせた村々も、追々望むような景況になり、いよいよ用水を掘り通し、前々からの干損地などの用水の引き入れ方が整うならば、出来る限り助勢し、人夫を差し出す事も申し出ています。かねて申し上げて置きました金主の田中勘七郎ほか一人から、金3万円の支出の事が確定し、それはすなわち、別紙約定の通りですので、まずはこのお金で、試しに右の今村から東海道にまで至る水路を掘りたてたく、東海道以下については最初に目論んだ通りの資金を備えた上で、なお、お願いして着手いたしたく、前試掘に着手した時から満3年の内に、追々資金の方法を立てて、ことごとく全て成功すべく、万が一、右の3年の内に成功しなければ、この事業の与益上の妨害ともなりますので、右の場所ことごとく全て官庁へお引き上げになったとしても、潰し地の地代価と工費などは、決してお下げ渡しを歎願せず、その費用はことごとく全て私の損失と心得ておりますので、何とぞ、特別のご詮議にて至急試掘をご許可下されたく、金主連印いたし、願人と金主の間に取り結んだ約定書を添えてこの旨を特に懇願いたします。
附、以後新たに金主などが加入するか、あるいは金主と約定更正時には、その時に経緯を伺って官のお指揮をこうむらなければ、決して自分達当事者同士で約定などを結ぶことはしませんので、よろしく御保護くだされたく、追願いたします。

       発起願人
明治11年3月  岡本 兵松
         伊与田与八郎
       金主
         本田 兵三郎
         田中 勘七郎


お問合せ先

農村振興局設計課(広報G)

代表:03-3502-8111(内線 5561)
ダイヤルイン:03-3595-6338
FAX番号:03-5511-8251

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