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農林水産省

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令和元年1月24日和歌山県田辺市

「2019語り部交流会inわかやま」を開催
~地域の「絆」が育んだ持続的農業~

1月24日(木曜日)、和歌山県と和歌山県土地改良事業団体連合会の主催で、田辺市の紀南文化会館において「2019語り部交流会inわかやま」を開催し、約300人の来場者で会場は埋め尽くされました。

和歌山県のみなべ・田辺地域では里山の斜面を梅林として利用し、その周辺に薪炭林を残すことで水源涵養や崩落防止等の機能を持たせたり、薪炭林に住むニホンミツバチを利用して梅の受粉を行うなど、地域資源を有効に活用しながら、梅を中心とした農業を行い生活を支えてきました。本交流会は「地域の『絆』が育んだ持続的農業」をテーマに、人々の営みにより育まれ、世界に誇る梅の一大産地となってきた地域の農文化、独特の景観、生物多様性について理解を深めることを目的に開催しました。

冒頭、和歌山県中村農林水産部農林水産政策局長の開会挨拶、農林水産省横井農村振興局整備部長の来賓挨拶がありました。講演では、ネィチャーフォトグラファーの内山りゅう氏が「梅が醸し出す美しい景観」をテーマとして、写真家が見たみなべ・田辺の魅力について、写真を交えて紹介しました。


中村局長による開会挨拶
中村局長挨拶の様子
横井部長による来賓挨拶
横井部長挨拶の様子


続いて、語り部・かたりすととして活動している平野啓子氏により「梅と日本人のかかわり」と題して梅と食文化、梅の歴史についての語りが披露されました。語りでは、古来より日本の食文化に深く関わってきた梅の魅力や健康効果を紹介した後、「万葉集」「拾遺和歌集」に詠まれている梅にまつわる和歌や、地元に伝わる民話を交えながら、梅の歴史を振り返りました。

内山氏による講演
内山氏講演の様子
平野氏による語り
平野氏による語りの様子


その後、平野啓子氏をコーディネーターとして、「地域の『絆』とひらかれた農村」と題し、5名のパネラーによる語りフォーラムがパネルディスカッション形式で行われました。

【語りフォーラム 出席者】

  • コーディネーター:平野啓子氏
  • パネラー:
     ・内山りゅう氏(ネイチャーフォトグラファー)
     ・石神忠夫氏(紀州田辺観梅協会会長、みなべ・田辺地域世界農業遺産推進協議会委員)
     ・松川嘉之氏(南紀用水土地改良区理事長)
     ・二葉美智子氏(受領梅遊びグループ)
     ・横井績氏(農林水産省農村振興局整備部長)
語りフォーラムの様子
語りフォーラムの様子

 

内山氏は、農村景観や地域資源、農家の寛容さ等、地域の魅力について語った後、その魅力をどう外部に発信するかについて語りました。石神会長はみなべ・田辺地域の特徴や世界農業遺産認定に向けた取組みを紹介するとともに、地域の活性化について語りました。松川理事長は、南紀用水土地改良区の農業用水供給の取組みや、組合員の負担軽減策としての小水力発電の導入等を紹介しました。二葉氏は、受領梅遊びグループが梅の魅力発信のために取り組んでいる観梅事業や消費拡大のためのレシピ開発などについて、写真を交えて語りました。横井部長は、果樹農業を支える、農地、農業用水などに触れながら、新田開発・農地造成の歴史、農業用水の歴史などについて語った後、高収益作物の導入による優良事例について紹介しました。

最後に平野氏が「古来より日本人に親しまれてきた梅、その梅の一大産地を育んできたのは、地域の資源、自然の力を巧みに利用した先人たちの知恵と譲り合いの精神が今も根付いている、この地域の「絆」であったことを知ることができました。世界農業遺産にも認定されたこの地は急傾斜で痩せた土地でしたが、人々は梅栽培に活路を見出し、自然と共生し、地域で助け合いながら、少しずつ一大産地を築いてきました。また、現代社会では、人々の「絆」、地域の「絆」が失われつつありますが、この地では「絆」を大切に持ち続けており、現代に相応しい開かれた農村への取組み、外部の人々との交流から、新しい絆がつくられようとしていることに感銘を受けました。」とまとめ、和歌山県土地改良事業団体連合会の高瀬常務理事による閉会挨拶で締めくくり、盛況のうちに閉会しました。

【チラシはこちら(PDF : 428KB)

お問合せ先

和歌山県農業農村整備課

代表:073-432-4111
ダイヤルイン:073-441-2940
FAX番号:073-425-0287

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