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農林水産省

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aff 2019年11月号
農業体験農園

農業体験農園で野菜作りの素晴らしさを

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近年、本職の農家でない人が野菜などを栽培するために借りる市民農園(貸し農地)や、プロの農家が丁寧に指導してくれる「農業体験農園」がにぎわいを見せています。東京都練馬区で早くから農業体験農園を開園した「緑と農の体験塾」の加藤義松さんに、農業体験農園について伺いました。

野菜作りを教える「緑と農の体験塾」

戦後、東京都特別区の北西部にある練馬区でも宅地化が急速に進みました。一方、住宅地と農地が混在する地域も残されています。

区の西端の住宅地に、ひときわ広々として、手入れの行き届いた畑があります。それが、「緑と農の体験塾」として年間150名を超える塾生を受け入れ、本職の農家が野菜作りを指導している「加藤農園」です。

加藤義松さん・65歳、全国農業体験農園協会理事長

加藤義松さん(65歳)。全国農業体験農園協会理事長。26歳で家業の農業を継ぎ、1996年に「緑と農の体験塾」を開園。

塾生は1区画約30平方メートルの畑で1年かけて20種類以上の野菜を栽培。種や苗、肥料、農具などは用意してもらえて、農家の指導を受けながら、作付けから収穫までを体験することができます。

「野菜作りは土や肥料、病害虫のことなど幅広い知識が必要で、作り方によって栄養価やうま味などが大きく変わります」そう語る農園主の加藤さんは、塾生に教えるうち、自らがより深く農業を学びたくなり、50歳で大学の研究室に入り、土壌の肥沃度(植物を生育する能力)について学び直したそうです。

「加藤農園」

実演しながら塾生に野菜作りのコツを分かりやすく伝える加藤さん。

「農業を学べば、微生物のことや地球環境のことなど違う世界が見えてきます。探究心が刺激されますから、生涯を通じての趣味にできるはずです」

塾生

リピーター率は高く、長く続けるベテランの塾生も多い。

農業を手軽に楽しく

江戸時代から続く農家の12代目である加藤さんが「緑と農の体験塾」を開園したのは1996年のことでした。

「高度経済成長期から地価が高騰したバブル時代にかけて、貴重な土地を占有する都市農業への世論には厳しい見方もありました。そんな中、自分なりに都市における農業の在り方を考え、行きついたのが、農家が農地を提供し、農作業を指導する農業体験農園でした」と加藤さん。趣旨に賛同する農家が増え、農業体験農園は現在、全国に133カ所あります。

プロが教えてくれる農業体験農園では初心者も気軽に野菜作りを始めることができ、農業の奥の深いおもしろさを追求することもできます。

来園

「管理のコツを覚えれば、1週間から2週間に1度来園するだけで畑をきれいに保てます」(加藤さん)

定期的に講習会が開催

定期的に講習会が開催される他、農園アドバイザーが随時相談に乗ってくれる。

塾生の声

林 和枝さん(左)、貞弘優子さん(中)、長崎 亮さん(右)

「家庭から出る生ごみを堆肥化して野菜作りをするサークルで活動しています。同じ東京都の中野区に住んでいるのですが、近くに畑がなく、知り合いの東京農大の先生にこの農園を教えていただきました。生ごみが堆肥になり、野菜が育つというサイクルを回すことにおもしろさを感じます」(貞弘さん)

収穫したての野菜

収穫したての野菜。

林和枝さん(左)、貞弘優子さん(中)、長崎亮さん(右)

林 和枝さん(左)、貞弘優子さん(中)、長崎 亮さん(右)

鳥山耕史さん

鳥山耕史さん

「10年前に練馬区に引っ越してきました。この辺りには野菜の直売場が多くあり、それを利用しているうちに自分でも野菜作りをしたくなりました。ものによってはかなりの量が採れますので、家族で食べきれないほどできたときは近所の方々にお配りします。ここでの作業を通じて地域の皆さんとのつながりができたことも良かった点です」

三井夏江さん

三井夏江さん

「こちらの農園で作業をされていた方によく野菜をいただいていたのですが、本当においしくて、自分でも作ってみたい、そう思ったのがきっかけです。畑を始めて7年目ですが、良い汗をかくせいか、ご飯もおいしくなり、体調も良くなりました。実家は岡山県で、東京産の落花生や長ネギを送ると郷里の家族がとても喜んでくれます」

お問合せ先

大臣官房広報評価課広報室

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