日本各地、旬の食材を提供する農家や漁師など、食のスペシャリストたちが、専門家だからこそ知っている秘伝のレシピを紹介。食材の味や、栄養を引き出し尽くす! 達人ならではのレシピをお見逃しなく!

日本国内で生産されているコンブのほとんどは北海道産で、全体の約9割を占めています。コンブの種類は採れる場所によって異なり、主に道北地区(利尻島、礼文島、稚内地方など)で採取されるリシリコンブは、香り高く上品な味わいの出汁が取れることが特徴で、京料理に欠かせない食材です。
ちなみに、食用されるコンブは2年目の海藻。1年目に生えた葉は「水コンブ」と呼ばれ品質が劣るので、1年目の葉が枯れて、厚みと長さのある2年目に生えた葉を収穫します。
利尻漁業協同組合
平川 光憲さん 智春さん(北海道利尻富士町)

天然リシリコンブ漁の季節は7月上旬から8月末までの約2カ月。しかも漁に出られるのは、漁の日と翌日のどちらも天気が良くて、波も風も無い、好条件がそろった日だけ。天候によっては、1週間以上漁に出られないこともあるそうです。
「漁をする時は、磯舟に乗って、箱メガネで海底を覗きながら行います。裾が黄色く身が厚くなった採り頃のコンブを見つけたら、ホコという先端が2つに分かれている道具に巻き付けて、株ごと岩からねじり剥がして採ります」ずっと漁師が夢だった光憲さんは、父親が引退したのをきっかけに跡を継いで兼業漁師となりました。漁の後は勤務先の整備工場へ出勤するそうです。
こうして光憲さんが採ってきたコンブは、奥さんの智春さんによって海水で一度洗われた後、小石を敷き詰めた干し場に1枚ずつ広げられ、2日間干されます。
「コンブを乾燥させるときは、乾燥機を使わず天日干しします。その方がおいしいと思うからです。干す時のコツは、丸まるのを防ぐために表を上にすること。また、網をかけて干すとよりきれいな製品になります。干した後も、小エビや枯れ葉などを取り除いたり、シワを伸ばしたりと、1枚のコンブにかなりの手間をかけています」実家も漁師だったという智春さんは、子どもの頃から慣れ親しんだ利尻産のコンブやウニといった海産物のおいしさを発信するため、6月から9月に「北利ん道」という売店も営んでいます。


コンブには、歯や骨の形成を助ける働きがあるカルシウムが豊富です。さらに、体や知能の発育を促進させる働きがある甲状腺ホルモンの素となる、ヨウ素の含有量は食品の中でもトップクラス。育ち盛りのお子様におすすめの食材です。(監修:管理栄養士・国際中医薬膳師 清水 加奈子さん)
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1
はさみでコンブを縦4センチメートル、横1センチメートル程度の大きさに繊維に沿って切ります。
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2
1を皿に1枚ずつ並べます。
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電子レンジ(600ワット)で20秒から30秒加熱します。
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4
冷ましたら出来上がりです。

ここがポイント!
使うコンブの厚みや水分量によって加熱時間が異なります。加熱中は目を離さず、コンブが膨らんで煙が出たら、すぐに加熱をストップしてください。

だし殻をみじん切りにしてポリ袋に入れ、冷凍保存しておきましょう。ある程度たまったら、ごま油で炒めて醤油で味付けすれば、おいしく食べられます。
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