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農林水産省

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ご当地の郷土料理の魅力 ふるさと給食自慢

日本全国で提供されている学校給食のメニューの中から、その土地で親しまれている郷土料理や食材などを取り入れたものを紹介。その地域ならではの食の連載をお届けします。

第11回

岩手県奥州市の学校給食

芋の子汁

写真:芋の子汁の給食

奥州市産のお米を炊いたごはん、芋の子汁、なます和え、岩手県産のサンマ塩焼きなど、地場産の食材が並ぶ献立。デザートには月見だんごが登場しました。

秋を感じる故郷の味
具だくさんの「芋の子汁」

(奥州市立胆沢学校給食センター)

岩手県の内陸南部に位置する奥州市。市内中央には北上川が、その西側には胆沢川が流れており、それらの一級河川が育んだ肥沃な大地が広がっています。秋になると地元の小中学校では、豊かな風土で育った農産物がもりだくさんの郷土料理「芋の子汁」が給食に登場します。「芋の子」とはさといものことを指す方言です。

写真:芋の子汁の調理風景

地場産のさといもを中心に、にんじん、だいこん、ごぼう、きのこ、こんにゃく、豆腐、鶏肉をひと口大の大きさに切ります。根菜を水から煮込んで、柔らかくなったらさといも、鶏肉などほかの具材を入れます。これらの具材からうま味を煮出した後、最後に県産の醤油などで味を調えれば完成。さといもは少し大きめにカットすることで、特有の粘りとホクホクとした食感を楽しめるようにしています。

写真:芋の子汁の給食風景

芋の子汁は、岩手の家庭の食卓にもよく並ぶ、子ども達にもなじみ深い料理です。親戚が集まる席やお祭りなど、大人数が集まる場でもよく食べられ、楽しい思い出とともにある料理でもあります。学校でも子ども達に笑顔になってほしいという想いが込められ、献立に取り入れられました。一杯のお椀からいろいろな栄養が摂れるので、バランスの良い一品です。

写真:給食センター見学の様子

また、毎年、小学校低学年の子ども達は、食育の一環として遠足や校外学習で給食センターを訪れます。毎日食べている給食がどんな風に作られているのかを見学することで、好奇心や感謝の気持ちを養います。

岩手県の郷土料理「芋の子汁」とは?

芋の子汁の歴史

昔から広くさといもづくりが行われていた、岩手県の郷土料理です。秋口から晩秋にかけて旬を迎えるさといもを、地場産の根菜や肉などと一緒に煮込んで作ります。地域によって具材や味付けが異なり、奥州市では主に鶏肉を使い、醤油で味付けをしますが、豚肉を使ったり味噌で味付けしたりする地域もあるそう。また、毎年10月に市内にある水沢公園で開催される「奥州水沢グルメまつり」では、6,000人分の芋の子汁が無料で炊き出され、秋の風物詩になっています。

写真:奥州水沢グルメまつりの様子

ホクホクのさといもが主役
芋の子汁の実力

写真:芋の子汁

北上川流域で栽培されるさといもは、独特の粘りを有し、食感はホクホク、土臭さを感じないのが特徴です。一杯で多彩な食材が食べられるので、たんぱく質やビタミン類、食物繊維など、幅広く栄養を摂ることができます。(監修:管理栄養士・国際中医薬膳師 清水 加奈子さん)

写真:自然豊かな奥州市の様子

地場食材に恵まれている奥州市では、普段から米、大豆、野菜、果物、肉など多くの食材が給食に取り入れられています。なかでも年に数回実施される「奥州っ子給食」は、普段以上に奥州産の食材が使われる日。子ども達は給食を通じて市の魅力を知り、郷土を大切にする心が育まれています。

全国給食牛乳コレクション

全国のほとんどの学校給食で毎日提供されている牛乳にも、地域によって違いがあります。子ども達に新鮮な牛乳を楽しんで飲んでもらえるように、どんな工夫があるのでしょうか。各地域で提供されているご当地牛乳を紹介します!

東北編

岩手県 龍ちゃん牛乳/岩泉ホールディングス(株)
写真:龍ちゃん牛乳 紙パック

古くからホルスタイン種を導入し、120年以上の酪農の歴史がある岩手県岩泉町。町の酪農家や住民による、地元の乳業メーカーの設立を求める声に応え、前身の岩泉乳業(株)が2006年から操業を開始しました。岩泉町を中心に学校給食に提供されている「龍ちゃん牛乳」は、新鮮な生乳の組織を壊さずに殺菌(85度で15分間殺菌)しているため、生乳本来の味や風味、コクがしっかりと残存。また、パッケージは、岩泉町にある日本三大鍾乳洞の一つといわれる、「龍泉洞」から湧き出す清らかな水をイメージ。さらに、龍泉洞のPRキャラクターで、子ども達に大人気の「龍ちゃん」がデザインされています。

福島県 酪王牛乳/酪王乳業(株)
写真:酪王牛乳 紙パック

福島県酪農業協同組合から分社化して創業した酪王乳業(株)。一般公募で名付けられたブランド名には、酪農の王様として製品に責任と誇りを持つという想いが込められています。「酪王牛乳」は福島県の大自然で育った乳牛の搾りたての生乳を使用。脂肪とカルシウムがたっぷり含まれており、牛乳本来の優しい甘さを感じられます。パッケージは全国農協乳業協会のロゴをベースにしており、ミルククラウン(牛乳を張った容器に、一滴牛乳を落とすと王冠状の形ができる現象)がデザインされています。また、福島県内の学校への出荷の際は、温度管理が徹底された清潔な配送車をコースごとに手配。安全に届けられるように、物流体制の整備にも力を入れているそうです。

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