4 今日からはじめる食品ロス削減のためのヒント
実際に食品ロス削減のためにどういったことを心がけていけば良いのでしょうか? 暮らしの中で今すぐ始められる食品ロス削減のためのヒントを紹介します。少し意識して行動するだけで、その積み重ねが大きな削減につながります。
買い物をする時
普段の買い物でも食品ロス削減に貢献できることがあります。食品を購入する際に、買い過ぎを防ぐなど、買い物前やショッピング中のちょっとした心がけが大切です。
家にある食材を事前に調べて
必要な分だけ購入する
冷蔵庫にまだ残っている食材を買ってしまい、余らせてしまった経験はありませんか? 買い物前に冷蔵庫の中やストック食材を確認することでそんな無駄を防ぐことができます。足りない物に気づいたらメモを取ったり、冷蔵庫の中をスマートフォンで撮影したりすると、いつでも簡単にチェックできるのでおすすめです。
すぐに食べる商品は
陳列順に購入する
スーパーマーケットで買い物をする時、できるだけ消費期限が長い物を買おうと、棚の奥から商品を取ってしまうことがありせんか? これは消費期限が近い商品の売れ残りにつながり、その廃棄を促すことにつながります。すぐ使う食品であれば、棚の手前の消費期限が近い物から取るようにしましょう。
季節商品は予約購入する
クリスマスケーキ、節分の恵方巻、土用の丑の日のうなぎなどの季節商品は、売れ残ったままその日を過ぎてしまうと廃棄されてしまうことも。それを防ぐために、季節商品の完全予約制を取り入れる企業も増えています。家族や友人と食べきれるサイズの物を、予約して購入するように心がけましょう。
空腹時やイライラしている時は
買い物に行かない
お腹が空いているときやイライラしている時に買い物に行くと、購入予定になかった甘い物やすぐに食べられるお惣菜などが魅力的に見えてしまうもの。余分な物を買ってしまいがちです。買い物に行くタイミングを見計らうだけでも、食品ロスを防ぐことができます。
冷蔵庫整頓術
冷蔵庫を上手に整頓しておくと、日頃の家事の負担が軽減され、食品ロスも防げます。
冷蔵庫の収納は7割程度に
冷蔵庫にものを詰め込み過ぎると、「どこに」「何が」「どのくらいあるのか」を把握できず食品ロスを生むことにつながります。また、欲しいものを探すのに時間がかかるだけでなく、庫内の冷気の循環も悪くなってしまい、電気代がかかりがちです。収納率は7割を目安にしましょう。
作りおきの保存には中身の見える容器を
作りおきした料理や下ごしらえした食材の保存には、中身の見える透明プラスチックやガラス製の容器が最適。迷わず取り出せるだけでなく、一目で残りの量がわかるため、食べ忘れによる食品ロスが防げます。
食材や調味料は定位置を決めておく
冷蔵庫の中で食材や調味料などの定位置を大まかに決め、取り出したらそこに戻す習慣をつけましょう。食材の使い忘れを防止することにつながり、ストック食材の確認もしやすくなります。
調理をする時
食品ロスを生まないためには料理を作り過ぎないことも大事。もし残ってしまった時でも、おいしく最後まで食べきれるアイデアも紹介します。
体調や予定を考慮して
食べられる分だけ作る
食事の適量は家族の体調や、子どもの成長などによって変わります。また、会食など家族の予定を確認してから調理することも大切です。最後までおいしく食べきれる分だけ調理しましょう。
食材に合った保存方法で
長持ちさせる工夫を
一度に食べきれない量の食材がある時は、それぞれに合った保存方法でストックしましょう。たとえば肉は下味をつけて冷凍しておけば、解凍後すぐに調理できて便利です。野菜も冷凍保存させることで長持ちし、最後までおいしく食べきることができます。
保存食の消費期限切れに注意
防災の観点からもストックしておきたい保存食ですが、食べないままに消費期限切れになってしまうことも多くあります。そこで「備える」「食べる」「買い足す」を繰り返しながら食材を貯蔵するローリングストック法を取り入れましょう。
カレーのおいしい冷凍方法
カレーをそのまま冷凍すると、解凍時にじゃがいもがまわりの水分を吸って食感が悪くなってしまいます。それを防ぐために、じゃがいもをフォークなどでつぶしてから冷凍すれば食感に影響がでません。冷凍用ポリ袋に入れて空気を抜き、平らにしたら箸で分け目をつけます。そのまま冷凍すれば、食べたい分だけ使えるので便利です。冷凍での保存期間は約1カ月。食べる時はレンジで加熱を。
残ったカレーを使ったアレンジレシピ
カレーチーズのライス春巻き
少ない量の油で作れるため料理初心者にも簡単に作れます。
材料(2人分)
作り方
ボウルに残ったカレーを入れ、じゃがいもやにんじんなどの具材をフォークでつぶします。
1にごはんを加えてよく混ぜます。
春巻きの皮をひし形に置き、手前に2とピザ用チーズをのせます。ここにお好みで、大葉や茹でたきのこ、アスパラガスなどを加えるとさらにおいしくなります。
手前の皮を折ってから、左右の皮を折って最後まで巻き、水溶き小麦粉で皮を留めます。
フライパンにサラダ油を高さ2センチメートルほど入れて中火で熱し、揚げます。具材はすでに火が通っているので、1分から2分ほど揚げて皮がきつね色になれば完成です。
保存食を使ったアレンジレシピ
ライスバーガー
今回使用した商品
尾西の白飯(アルファ米)(尾西食品(株))
材料
作り方
尾西の白飯(アルファ米)の袋にお湯を入れてよくかき混ぜ、袋のチャックを閉めて20分から30分間蒸らします。
1の袋を開封してかき混ぜ、ごはんを4等分に分けます。丸い容器の中にラップをしき、その上に小分けしたごはんを入れ、上から押し固めて丸いおにぎり状に4つ成形します。
フライパンにごま油を入れて熱し、弱火で2を両面焦げ目がつくまで、醤油を塗りながらこんがりと焼きます。
焦げ目がついたごはんの上にチーズと海苔をのせ、もう一つのごはんで挟み、お好みで七味唐辛子を振りかけて完成です。
外食をする時
ついついあれもこれもと頼んでしまいたくなりますが、大切なのは「食べきれる量を注文する」ことです。
食べきれる量を注文する
料理のボリュームをお店の人に確認するなどして、食べられる分だけ注文するよう心がけましょう。もしハーフサイズや小盛りメニューがあれば、うまく活用を。料理が残ってしまった場合はお店の人と相談して持ち帰りも検討しましょう。
苦手な食べ物が入っていないかを
事前にチェック
いざ料理が運ばれてきてから「苦手なものが入っていて食べきれない」ということがないよう、注文前にお店の人に確認を。苦手な食材を抜いてもらったり、他のメニューに変えたりすることで、食べ残しをなくすことができます。
「30・10運動」を心がける
複数の人が集まる食事の場は、会話に集中してしまうことで食べ残しが多く発生する原因に。「30・10運動」を心がけ、料理を残さずいただきましょう。
長野県松本市から生まれ、全国に広まった宴会などで生じる食品ロスを防ぐための運動です。
注文の際は適量で。
乾杯後30分は、できたての料理を楽しみましょう。
お開き前の10分間は、もう一度料理をみんなで楽しみましょう。幹事は「食べきり」のための声かけをお忘れなく。
今回教えてくれたのは
監修者プロフィール
料理研究家・食品ロス削減アドバイザー・防災士
島本 美由紀さん
手軽でおいしい料理レシピや食品の保存アイデアで人気。「食品ロス削減アドバイザー」「防災士」としても活動し、エコ視点からの使い方を提案。テレビや雑誌などのメディア、講演会を中心に多方面で活躍し、「野菜が長持ち&使い切るコツ、教えます!」(小学館)など、著書は60冊を超える。
<外部リンク>http://shimamotomiyuki.com/
(PDF : 557KB)
編集後記
今週ご紹介した食品ロスの削減のチェックポイントに沿って、さっそく我が身を振り返ってみました。すると、洗面所の床下から非常用に保管していた相当古いミネラルウォーターのケースが出てきました。そういうところを反省しつつ、あらためて日々の生活の中で食品ロス削減を意識した行動を心がけていきたいと思います。(広報室SD)
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お問合せ先
大臣官房広報評価課広報室
代表:03-3502-8111(内線3074)
ダイヤルイン:03-3502-8449
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ろすのんから一言
宴会では、30・10運動でおいしい料理を残さず食べてほしいのん!