
1 和食で健康ライフをはじめよう!
和食文化は伝統を守りつつ、さまざまな国の食文化を取り入れながら発展してきた日本の大切な文化です。
しかし、近年は食の欧米化によって、日本人の和食離れが起きています。そんな和食の現状をふまえ、改めて和食についての知識と、その魅力を再確認するため、和食料理研究家の栗山 小夜子さんにお話しを伺いました。

「和食」を知ろう!
外国人が最初に思い浮かべる和食といえば、「寿司」「天ぷら」「焼き鳥」などがあります。日本人ならそれ以外にもあることは知っていますが、どれだけの人が正しく「和食とはこういうものだ」と答えることができるでしょうか。栗山さんは、「和食とは、季節に合わせて食材や調理法を変え、心と体のバランスを整えるのに最適な食事法」と位置付けています。
和食はなぜ健康にいいのか?

和食は、ごはん、主菜、副菜2品と汁物の「一汁三菜」を基本として、主菜に肉・魚などのたんぱく質、副菜は野菜、海藻などの各種ビタミン、ミネラル、食物繊維を含む食材を中心にバランスよくとることができる食事法です。
簡単・手軽に和食を始められる便利グッズ

和食が栄養バランスに優れ健康的だと言っても、出汁を取るなど調理が複雑で手間がかかるというイメージを持つ人は多いと思います。そこで、もっと簡単に和食を取り入れたい人におすすめの手軽に和食が作れる便利な商品を紹介します。
お手軽和食の強い味方!
時間がなくても出汁が取れる「出汁パック」

時間がないときでも手軽に出汁を取ることができる出汁パック。やまやの「うまだし」を例に紹介します。煮出し時間は水にパックを入れて、沸騰後1分から2分待つだけ。煮出し時間を長くすると濃い出汁が出来るので、料理に合わせた濃さの調整も簡単。うまだしのパックの中には、やきあごや昆布などの国産の出汁素材6種を独自の比率で配合しており、味の決め手になるよう調味料も配合されています。このように市販されている出汁パックを使うことで、本格的な味わいを手軽に味わうことができます。
便利ポイント
出汁パックを使った裏ワザを紹介。
【出汁氷】
お好みの濃さで取った出汁を製氷皿などに小分けにして冷凍保存。必要な時に必要な分だけ使えてとても便利です。
【水出し】
煮出す時と同じ水加減で、水に出汁パックを入れて冷蔵庫で一晩置きます。そのまま使えますが、煮出すとより香りがたちます。
短時間で本格調理を可能に!
レンジ用調理器具

レンジ用調理器具は近年、消費者のニーズに合わせてさまざまな商品が開発されています。一例としてIwataniの「グルラボプラス」を紹介します。これ1つで煮る、焼く、茹でるなど12役の使い方が出来るレンジ用調理器具。特殊な樹脂を使っていることで、耐熱温度が本体は230度、蓋は150度と熱にも衝撃にも強いのが特徴。容器内の蒸気を適度に逃がすことで圧力を一定に保ち、食材をムラなく素早く加熱することでうま味を逃さずに調理ができます。
便利ポイント
調理器具として使えるほかに保存容器としても使えるので、調理後そのまま保存も出来ます。洗い物も減って一石二鳥。
手軽に和食を楽しもう!
液体の味噌を使ったレシピ
「豆腐のみそとろろ焼き」
味噌メーカーの「マルコメ」は、使いやすく、調理の手間がかからない「液みそ」を開発。液みそはお湯を注ぐだけで味噌汁を作ることができる手軽さが人気。良質の宗田節と昆布の出汁を効かせた独自ブレンドの味噌で、風味豊かな味わいに仕上げています。今回は「液みそ」を味噌汁以外にも活用できる簡単レシピを紹介します。


材料(2人分)
作り方
豆腐を厚さ1センチメートルに切ります。
長芋の皮を剥いてすりおろし、液みそと水を加えて混ぜます。
ココット型などの耐熱容器に1を入れ、上から2をかけます。
170度から190度に熱したオーブントースターで3を約7分焼きます。焼けたら上に小ねぎを飾って出来上がりです。
手軽に和食を楽しもう!
和食総菜を使ったレシピ
「ごぼうの風味際立つささみマヨ和え」
国産の若掘りごぼうを、さっぱりとしたかつお風味に味つけたすが野の漬物。ごぼうの歯切れの良い食感と皮のうま味を生かしています。そのままはもちろん、サラダや天ぷらなど料理の具材としても使えます。


材料(4人分)
作り方
ごぼうを斜めに薄くスライスします。
ささみに酒をふりかけ、耐熱皿に入れラップをして600ワットで3分から4分レンジで加熱します。
ささみの粗熱が取れたら手でほぐし、1とマヨネーズを和えれば出来上がりです。お好みで三つ葉や大葉を加えても。
手軽な和食作りになれたら、本格的な和食に挑戦!
和食の調理に慣れてきたら、本格的に和食を作ってみてはいかがでしょうか?本格的な和食のなかでも簡単に作れるレシピを紹介します!
本格和食に挑戦!
誰でも手軽においしく作れる
「刻みコンブときのこの香りごはん」

材料(2人分)
作り方
米は研いだ後にザルにあけて水を切り、炊飯器に米と水を入れセットしておきます。
干ししいたけと刻みコンブをぬるま湯で戻したら、干ししいたけを食べやすい大きさに切っておきます。また、戻し汁は出汁として使います。

にんじん、しょうがは細めの千切りに、まいたけは手で小分けにします。
油あげはお湯で油抜きしてしっかり絞り、にんじん、しょうがと同じ大きさに切ります。

1に2(戻し汁20ミリリットルも)とAを入れ、すべての具材を載せて炊き込みます。
POINT
しいたけとコンブの戻し汁や野菜による自然のうま味たっぷりの五目ごはんは、不足しがちなミネラルをバランスよくとることができます。また、冷えが気になる方は、しょうがを多めに入れると身体が温まります。野菜から水分が出るので、米を炊くときは、戻し汁の分量を調整することがポイント。
今回教えてくれたのは
監修者プロフィール
和食料理研究家
栗山 小夜子さん
体に良い食事を、無理なく楽しく取り入れるという考え方のもと、ゆる和食®料理教室を主宰する料理研究家。正しい食の選択ができるようにとの想いから、子ども達の食育活動にも力を注いでいる。フードコーディネーター、テーブルコーディネーターとしても活躍中。

和食を身近に!手軽に!
「Let's!和ごはんプロジェクト」 活動中!

農林水産省では、和食文化のユネスコ無形文化遺産登録5周年となる2018年から、もっと気軽に和食を楽しんでもらえる機会をつくるため「Let’s!和ごはんプロジェクト」をはじめました。和食に関わる事業者(食品メーカー、スーパー、飲食店など)と行政が一体となって、子ども達や忙しい子育て世代に向けて、「和ごはん※」を食べる機会を増やしてもらう取り組みを進めています。
「和ごはん」とは、日本の家庭で食べられてきた食事であって、
(1)ごはん、汁物、おかず等若しくはその組み合わせで構成されているもの、又は、
(2)出汁並びに醤油及び味噌をはじめとする日本で古くから使われてきた調味料等が利用されているもの。

和ごはんプロジェクトでは、参加する企業や団体が、忙しい子育て世代をサポートするため簡単・手軽に作れる商品やレシピ、お総菜の開発、和食の魅力を伝えるイベントなどさまざまな活動を行っています。特に11月24日(いいにほんしょく)の「和食の日」、11月の「和ごはん月間」にはイベントが目白押しなので、ぜひチェックしてみましょう!
POP UPイベント
和ごはんプロジェクトメンバー数社が合同で、毎年「和ごはん月間」にあたる11月に、テーマを決めて「Let’s!和ごはんプロジェクト」の期間限定ポップアップショップを開催。今年のテーマは、寒くなってくるこの季節に嬉しい「お鍋」。
会期中は対象の店舗で、お鍋の関連商品の販売や展示、商品が当たる抽選会などさまざまなイベントを実施します。お鍋を囲みながら食べる楽しさは和食ならでは。この魅力を、イベントを通じて実感できます。
(PDF : 633KB)
編集後記
運動部の練習あとにお腹を空かせた子ども達から、ユウハンハマダカ?のハラペコビームが発せられる中、超高速で大盛りごはんと、ボリュームおかずの和ごはんを用意する毎日。料理のおいしさもさることながら、いかに早く食卓に食事をセットできるかが重要ポイントとなっている我が家です。本格的な和食への挑戦はもう少し先になりそうです。(広報室KM)
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大臣官房広報評価課広報室
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