3 広がる米の可能性 カラダにやさしい「米粉」の魅力
米の新しい食べ方として注目されている「米粉」。最近では、料理やお菓子作りなどで、小麦粉の代用として使われる機会が増え、需要も増加傾向です。今回はその魅力や家庭でできる米粉レシピなどを紹介します。
まずは米粉について知ろう!
米粉の原料は?
米粉とは、文字通り米を砕いて粉状にした食材のことです。国内生産されている米粉の多くはうるち米やもち米の白米を原料としていますが、玄米の状態で粉砕したものや、酒米を磨く時に出る粉を米粉として利用している製品もあります。海外では、インディカ米や赤米などを原料とした米粉も作られており、その種類はさまざまです。
米粉と小麦粉の違いは?
麦を原料とする小麦粉には「グルテン(グリアジンやグルテニン)」というたんぱく質の一種が含まれていますが、米粉には含まれていません。グルテンはパンづくりにおいて、生地の弾力や粘りの元となる重要な成分ですが、一方で体質によってはアレルギー源となる可能性もあります。そのため、グルテンを含まない米粉は「ノングルテン・グルテンフリー食材」として注目が高まっています。
米粉の種類は?
うるち米を原料としている粒子が粗い「上新粉」や、もち米から作る「もち粉」「白玉粉」「寒梅粉」「道明寺粉」は、日本では主に和菓子の材料として古くから親しまれてきました。
近年、製粉技術が進んだことで米をより細かく粉砕できるようになり、粒子の細かい米粉が販売されるようになりました。それにより、洋菓子やパンづくりなど用途が大幅に広がり、人気が高まっています。
米粉の魅力を知ろう!
高い栄養価のヘルシー食材
アミノ酸バランスに優れた米の高い栄養価を、ごはんとは違う食べ方で摂取できるのが、米粉の魅力の一つ。また、小麦粉に比べて油の吸収率が低いので、揚げ物に使うと冷めてもサクサク感が長く続き、さっぱりヘルシーな仕上がりに。他にも、小麦粉より消化が良く、胃もたれしにくいなどの特徴があります。
どんな料理にも使いやすい
調理工程の多いお菓子やパンづくりも、扱いやすい米粉を使えば比較的手軽に作れます。米粉は油分が少なくサラサラとしているためダマになりにくく、お菓子づくりの際に粉をふるう必要がありません。また、グルテンが含まれていないのでこねる工程を省くことができ、パンづくりの際には小麦粉と比べて発酵時間を短縮できます。
米粉の選び方
米の粒子の細かさや米に含まれる成分によって、パン用や麺用、菓子用など用途が異なります。小麦粉の代用品として料理に使うなら、粒子が細かいものがおすすめです。
米粉を家庭で使ってみよう!
「米粉を使ってみたいけど、どうやって使うかわからない」という初心者の方にもおすすめの、家庭でできる米粉レシピを紹介します。
米粉でなめらか食感
豆乳プリン
材料(4人分)
作り方
ボウルに米粉、寒天パウダー、てんさい糖と自然塩を入れ、無調整豆乳を少しずつ加えながらよく溶かします。
1をザルで濾して、鍋に入れます。
中火でかき混ぜながら煮溶かします。沸騰後にココナッツクリームを加えて、約1分かき混ぜたら火を止めます。
冷めないうちに耐熱の器に入れます。
粗熱がとれたら冷蔵庫で冷やして、食べる前にお好みのフルーツを飾れば出来上がりです。
POINT
米粉のでん粉が糊化する性質によりプルンとした食感が楽しめます。柔らかめの食感が好みの方は、豆乳を足しましょう。
米粉でとろみを付ける
本格スパイスの野菜カレー
材料(4人分)
(辛いのが苦手な場合は入れなくてよい)
作り方
かぼちゃ、たまねぎ、トマト、にんじんは1.5センチ角に切ります。
いんげんは茹でて2センチメートル程度に切り、にんにくはつぶします。
鍋にクミンシードとなたね油を入れて、弱火で加熱します。
クミンシードの香りがしてきたら、にんにく、しょうが、たまねぎ、にんじん、かぼちゃの順に炒めます。
トマトと塩、スパイス類を加えてさらに炒め、スパイスが全体になじんだら、水(分量外)を具がひたる程度加えて中火で煮込みます。
野菜が柔らかくなったら、水大さじ2(分量外)で溶かした米粉を加えてとろみを付けます。
6にいんげんと醤油を加えて味を調えたら出来上がりです。味が足りなければ塩、カレー粉を追加。酸味が気になるようなら、あんずジャム大さじ1を加えます。
POINT
米粉でとろみを付けることで、胃もたれしにくいヘルシーカレーになります。
今回教えてくれたのは
監修者プロフィール
米粉グルテンフリー料理研究家
陣田 靖子さん
yasming’s kitchen 主宰。国内各所にて米粉マイスター認定講座、アレルギー食講座、食事指導講座や、米粉100%のパン&お菓子教室などを開講。吉祥寺に米を新しいカタチで紹介する「粋 Sui キッチンスタジオ&カフェ」を開業し、米粉を使った料理を提供している。
<外部リンク>
米粉菓子専門店へ行ってみよう!
最近では米粉を使ったスイーツやパンの専門店も登場し、米粉を味わえる機会も増えています。米粉菓子専門店「Comeconoco Laboratory & Cafe」オーナーのYukikoさんに、米粉の魅力や体にやさしい米粉メニューについて伺いました。
米粉の魅力を発信する
「日本の農産物を使ったスイーツを広めたい」という想いで米粉菓子教室をスタートし、米粉を使ったグルテンフリーのスイーツやパンの作り方などを教えてきたYukikoさんは、さらに多くの方に米粉の魅力を伝えるため、米粉菓子専門店をオープン。子どもから大人まで安心しておいしく食べられる米粉スイーツを提供しています。
米粉のやさしい甘さと
食感を味わおう!
米粉の絹ロールケーキ
契約農家直送の無農薬コシヒカリ米粉を使用したスポンジケーキで、自家製フルーツジャムと純生クリームを巻いた人気スイーツ。スポンジケーキは、米粉特有のやさしい甘さとモチモチふわふわの食感です。米粉スイーツには、コーヒーはもちろん、抹茶ラテなど和のドリンクも合います。
米粉ブレッドのサンドイッチプレート
自家製米粉ブレッドを使用したサンドイッチと2種類の卵や乳製品不使用のスコーン、手作りバルサミコドレッシングのサラダがセットになったヘルシーなプレート。あっさりした味わいの米から作った製パン用米粉を使用した米粉ブレッドは、サクサクふわふわの食感が特徴です。
Yukikoさんコメント
小麦粉とはまた違う、米粉ならではの食感や風味を楽しめるように、日々試行錯誤を重ねています。使用する米粉は、厳選した米から作った当店オリジナルのもの。それを用途によって使い分けたり、ブレンドしたりして、米粉本来のおいしさが引き立つレシピにしています。グルテンフリーの食生活をしているお客様からは「久しぶりにパンやお菓子を食べられて嬉しい!」というお声をいただくことも。これからも体にやさしい米粉の商品を通じて、日本のお米の魅力を発信していきます。米粉専門店で米粉のおいしさをぜひ体感してください。
店舗情報
さらに詳しく知りたい方は
米と水だけでできた新しい食品素材“米ゲル”
香りや味、水分等を長期間保持する特性があり、和・洋菓子のバリエーションを広げるほか、増粘剤や乳化剤といった従来の食品添加物の代わりになる素材として、また、小麦アレルギーに悩む人たちの食の選択肢を増やすグルテンフリー食品として、「米ゲル」は、日本の米文化に新しい光を生み出そうとしています。離乳食や介護食への導入も期待されています。
開発に関わった方の「日本のお米と水だけでつくる、安心安全な米ゲルで世界の食を豊かにしたい」という思いや、米ゲルを使ったおいしい料理のレシピなど、米ゲルの魅力をお伝えします。
(PDF : 570KB)
編集後記
米粉と言えば、和菓子、餅、ちまき!福岡出身の私が愛してやまないちまきは、餡なし、上新粉のぷるぷる食感。笹の葉にくるんだ上品な甘さ。毎年食べているのに、今年は新型コロナウイルスのせいで、食べられませんでした。食べ物の恨みは怖いぞ~。コロナ許すまじ!(広報室YT)
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