ご当地の郷土料理の魅力 ふるさと給食自慢
日本全国で提供されている学校給食のメニューの中から、その土地で親しまれている郷土料理や食材などを取り入れたものを紹介。その地域ならではの食の連載をお届けします。

第14回
埼玉県行田市の学校給食
ゼリーフライ

ゼリーフライ、もやしラーメン、デザートにはさっぱりとした白玉フルーツポンチ、そして牛乳の献立。
愛され続けるソウルフード
市民のおやつ「ゼリーフライ」
(行田市立学校給食センター)
埼玉県の北部に位置する行田市は、群馬県との境に利根川、市の南部には荒川と2本の一級河川が流れる水と緑に恵まれた市です。日本一の生産量を誇る、歴史のある足袋の産地でもあり、市内には昔ながらの風情を残した「足袋蔵」が点在しています。自然と歴史が息づく行田市で昔から市民に親しまれるソウルフード「ゼリーフライ」は、学校給食にも登場します。

ゼリーフライはお菓子のゼリーとは別物で、衣のついていないコロッケのような食べ物です。材料はおから、じゃがいも、ねぎ、にんじん。皮をむいて蒸したじゃがいもを潰し、おから、ねぎ、下茹でしたにんじんを交ぜ合わせ、小判形に成形し、油で揚げます。ウスターソースと中濃ソース、みりんを合わせ加熱して作ったオリジナルのソースに揚げたてのゼリーフライをくぐらせて完成です。その名の由来は、小判形であることから「銭フライ」と言われていたものの「銭」がなまって「ゼリーフライ」になったとか。

子ども達から大好評のゼリーフライは、ラーメンの付け合わせとして出されるほか、パンに挟んでハンバーガーのようにして食べることも。いろいろな食べ方で献立を組むことで子ども達に楽しんでもらえるように工夫をしています。
行田市のご当地メニュー
「ゼリーフライ」とは?
ゼリーフライの歴史
ゼリーフライのルーツは日露戦争時、中国から伝わった野菜まんじゅうといわれています。明治後期には食べられていたという記録があり、昭和初期の行田市で全盛期を迎えた足袋工場で働く女工さんのおやつとして人気があったそうです。以来、長い間市民のおやつとして愛され続け、行田市のソウルフードと呼ばれるまでになりました。

おからでヘルシー!
「ゼリーフライ」の実力

ゼリーフライはおからがたくさん入っているため、食物繊維が豊富で腸の働きを促進する効果が期待できます。また、じゃがいもを使用しているので腹持ちが良く、おやつにもぴったりです。(監修:管理栄養士・国際中医薬膳師 清水 加奈子さん)

行田市では、2006年頃からゼリーフライをB級グルメとして全国ブランド化事業に取り組んでいます。2010年には小麦粉にねぎや卵、肉などを入れて鉄板で焼いたもう1つのご当地グルメ「フライ」を取り扱う業者によって「行田フライ、ゼリーフライ友の会」が結成。市内でフライやゼリーフライを食べられる店舗をまとめたマップが作られ、市外の人への周知にも尽力しています。また、2017年には「和装文化の足元を支え続ける足袋蔵のまち行田」として埼玉県内で初の日本遺産に認定されました。ゼリーフライも日本遺産の構成資産になっています。
全国給食牛乳コレクション
全国のほとんどの学校給食で毎日提供されている牛乳にも、地域によって違いがあります。子ども達に新鮮な牛乳を楽しんで飲んでもらえるように、どんな工夫があるのでしょうか。各地域で提供されているご当地牛乳を紹介します!
中部編

1894年に創業したアイ・ミルク北陸(株)は、北陸地域で最大級の生乳処理量を誇る乳業メーカーです。石川県内17市町、福井県の一部地域の学校に供給している「農協牛乳」は、100パーセント石川県産の生乳を使用。コクがあり、大人から子どもまで幅広く愛されています。必須アミノ酸をバランスよく含んだ良質なたんぱく質、カルシウム、ビタミンA、ビタミンB2など、成長期に必要な栄養素が豊富に含まれています。農協牛乳の赤いパッケージは、石川県で古くから「赤パック」として親しまれており、側面広告には同社のマスコットキャラクターである「こみるちゃん」を掲載。子ども達から可愛いと好評のこみるちゃんは6種類の絵柄があり、どの絵柄になるかが楽しみの1つでもあります。

フクロイ乳業(株)は、1895年に興養社として創業して以来120年以上の歴史があります。静岡県西部の小、中学校に供給されている「フクロイ牛乳」は、朝霧高原をはじめ静岡県内で育てられた乳牛から搾られた生乳を使用。大自然の中で育った牛からは、コクと甘味が豊かでスッキリとした喉越しが特徴の牛乳が生産されます。パッケージには、子ども達に親しんでもらえるように可愛い牛のイラストを採用しています。
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