食を究めたスペシャリストが教えます 達人レシピ。
日本各地、旬の食材を提供する農家や漁師など、食のスペシャリストたちが、専門家だからこそ知っている秘伝のレシピを紹介。食材の味や、栄養を引き出し尽くす! 達人ならではのレシピをお見逃しなく!
第16回カニ
カニ類水揚げ量が日本一であることから、“蟹取県”を自称する鳥取県。主に水揚げされているのは、ベニズワイガニとズワイガニです。
深海性のカニであるベニズワイガニは、鮮やかな紅色が特徴。境港市の人々からは「紅(べに)ガニ」と呼ばれて親しまれ、主にカニクリームコロッケやカニグラタンなどの加工食品として全国各地へ出荷されています。また、ズワイガニは、刺身や茹でガニ、焼きガニなどにすると濃厚なうま味を持つ人気のカニ。特に成長したオスは、山陰地方で「松葉ガニ」と呼ばれ、そのびっしり詰まった身と上品な甘さから冬の味覚の代表的存在です。
カニ漁の達人
(有)北陽水産 (鳥取県境港市)
(有)北陽水産は、カニかご漁船を3隻保有しています。
「カニかご漁は、ロープでつなげたカニかごにサバなどのエサを入れて海底に沈め、そこに入ったカニを引き揚げる漁法です。カゴの側面には直径9.5センチメートルの脱出口が3カ所ほど開けられていて、小さいカニが逃げられる構造になっています。一度の漁は5日から7日間程度の航海になります。日本海の荒波に揺られながら、カニの選別や保冷作業などの作業をこなすためには、船員たちのチームワークも大切です。個人的には、県外にも知られるブランドカニである松葉ガニに負けないくらい、ベニズワイガニのおいしさも知ってほしいと思っています。加工用のイメージが強いですが、高級なカニにもその味は決して劣りません。弊社でも、鮮度や品質を向上させたり、レシピを提案したりすることで、ベニズワイガニのおいしさを県外にも届けていきたいと思っています」
ベニズワイガニの身の赤色はアスタキサンチンという色素によるもので、高い抗酸化作用があります。また、ビタミンB12が豊富で、貧血や肩こり、目の疲れなどの予防に役立ちます。(監修:管理栄養士・国際中医薬膳師 清水 加奈子さん)
食のスペシャリストが教える! 達人レシピ"
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1
エリンギは縦に4等分、長ねぎは斜め切りにし、たまねぎはくし切りにして1枚ずつばらしておきます。
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2
カニの脚は殻を取り除いておきます。
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3
土鍋にクッキングシートを敷いて、混ぜ合わせたAを流し込みます。
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4
3の上に1とたまねぎ、バターを載せ、蓋をして5分から6分中火にかけます。野菜に火が通ったら、彩りに豆苗を添えて出来上がりです。
ここがポイント!
カニ味噌のタレ(レシピの[A])を味噌大さじ1、酒小さじ1、みりん大さじ2分の1、砂糖小さじ1を混ぜ合わせたものに変えてちゃんちゃん焼き風にするのもおすすめです。
境港市にはベニズワイガニの加工施設がたくさんあり、そこで身は食用に、ゆで汁は調味料に、殻はキチン・キトサンの医薬品や健康食品へ加工されています。まさに「捨てるところがないカニ」です。
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