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食を究めたスペシャリストが教えます 達人レシピ。

日本各地、旬の食材を提供する農家や漁師など、食のスペシャリストたちが、専門家だからこそ知っている秘伝のレシピを紹介。食材の味や、栄養を引き出し尽くす! 達人ならではのレシピをお見逃しなく!

第18回菊菜(春菊)

写真:菊菜(春菊)

すき焼きに入れても、天ぷらにしてもおいしい春菊。大阪府の南西部、いわゆる泉州エリアなどで生産される菊菜もそのひとつで、関西では冬の鍋料理に欠かせない食材として人気を集めています。

関東などで生産される春菊に比べると、菊菜は葉が丸みを帯びていて、切れ込みも深くありません。また、春菊は太い茎から葉が枝分かれしますが、菊菜の場合は、ほうれん草や小松菜と同じように根っこから葉が放射状に伸びる「株張り形」になっています。そして、関東の春菊ほどは苦味やえぐみが強くないため、鍋料理だけでなく、さっと茹でたり、生のままサラダにしたりしてもおいしくいただくことができます。

菊菜(春菊)栽培の達人

西阪農園


西阪 和正さん(大阪府貝塚市)

「2018年の台風被害を機に理想の菊菜づくりを目指す」

写真:西阪和正さん

大阪府貝塚市で西阪農園を営む西阪和正さんが、新たな気持ちで菊菜づくりに向き合うようになったのは2018年のことでした。

「近畿地方を直撃した台風21号により、農園のハウスは全滅してしまいました。このとき農業を続けるかどうか大いに悩んだのですが、西阪農園の原点ともいうべき菊菜づくりにゼロから取り組んでみることにしたのです」

現在、西阪農園では江戸時代から受け継いできた先祖伝来の農地に25アールのハウスを再建し、1年を通じて菊菜の生産を行っています。それまでの栽培方法にはこだわらず、新たに土づくりから始めたハウスで栽培される菊菜は、口に入れると爽やかな香りが際立ち、噛むほどに菊菜本来のコクやりんごにも似たほのかな甘味が口中に広がっていきます。さらに場内の湧き水を利用した水やりや、肥料にも工夫を重ねることにより、西阪農園の菊菜は丈の約5倍、1メートルもの深さまで根を伸ばすようになりました。そのおかげでおいしい菊菜ができるようになっただけでなく、単位面積あたりの収穫量も増え、台風前に45アールのハウスで栽培していた時と同じ生産量を約半分程度の25アールのハウスで確保できるようになりました。そして、地元の市場だけでなく、東京都の大田市場にも出荷するようになったそうです。

「これからも西阪農園の菊菜が欲しいといってもらえるよう、おいしく、鮮度のいい菊菜づくりを続けていこうと思います」と西阪さんは語ります。

写真:収獲の様子
菊菜(春菊)は栄養価が高い緑黄色野菜

菊菜(春菊)にはビタミン類、ミネラル類が豊富で、特に多く含まれるビタミンKは骨を丈夫にして血液凝固を促す止血ビタミンといわれています。また、カルシウムも多く含まれています。(監修:管理栄養士・国際中医薬膳師 清水 加奈子さん)

食のスペシャリストが教える! 達人レシピ"

  • 写真:菊菜を3センチ幅くらいに切る
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    菊菜を軽く水洗いし、3センチメートル幅くらいに切ります。

  • 写真:菊菜を湯がく
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    沸騰させたお湯に塩をひとつまみ入れ、さっと湯がいてザルにあげ水に浸けて粗熱を取り、水を絞ります。

  • 写真:ささみを茹でて小さめにさく
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    ささみも茹でて小さめにさきます。

  • 写真:混ぜ合わせて完成
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    ボウルにAを混ぜ合わせ、2、3を加え、和えて出来上がりです。

写真:西阪 和正さん

ここがポイント!

春菊のなかでも、えぐみや苦味の少ない菊菜は茹ですぎないことが肝心です。しゃぶしゃぶのようにさっと湯に通してください。

なくそう! 食品ロス

地中深くに根を張り、成長期にたっぷりと水分を吸収した西阪農園の菊菜は、出荷から1週間程度は取れたての鮮度を保っています。鍋やサラダ、和え物など、日替わりでさまざまな料理に使用することができるので、余すところなく使い切ることができます。

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