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農林水産省

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ご当地の郷土料理の魅力 ふるさと給食自慢

日本全国で提供されている学校給食のメニューの中から、その土地で親しまれている郷土料理や食材などを取り入れたものを紹介。その地域ならではの食の連載をお届けします。

第20回

神奈川県横須賀市の学校給食

三崎マグロのタレかつ丼

写真:三崎マグロのタレかつ丼の給食

神奈川県三浦市にある三崎港で水揚げされたマグロのタレかつ丼、横すかづくしの塩いそあえ、具だくさんの味噌汁。デザートは津久井のみかんと、地産地消の献立です。

地元の豊かな恵みのひとつ
「三崎マグロ」をタレかつに

(横須賀市立池上小学校)

横須賀市では小学校の給食は市内統一の献立を作成し、それぞれの学校の給食室で調理をしていますが、年4回は、学校の特色に合わせた学校独自の献立の給食を提供しています。今回紹介する献立も池上小学校独自の献立のひとつで、横須賀市および三浦市でとれた地場産の食材を多く使用し、子ども達に三浦半島の自然の恵みをより深く知ってもらうために考えられました。

写真:「三崎マグロのタレかつ丼」に使用するマグロのかつ

献立の「三崎マグロのタレかつ丼」に使用するマグロのかつは、魚が苦手な子どもでも食べやすいように、新潟名物のタレかつをヒントに、甘辛い醤油だれをかつに絡めています。給食では塩分の使用量が限られているため、タレの量も調節しています。また、衣には大豆を乾燥させたフレークをパン粉に混ぜるなど、栄養価を高める工夫をしています。

写真:タレかつのマグロは、三崎港で水揚げされたもの

タレかつのマグロは、学校の社会見学で訪れた三崎港で水揚げされたもの。見学の体験とともに、地元の恵みがこうして食卓に上ることを意識してほしいという思いが込められています。

写真:野菜は、子ども達が学区内の畑で収穫の手伝いをさせてもらった時のもの

「具だくさんの味噌汁」に使用している野菜は、子ども達が社会科の授業の一環として、学区内の畑で収穫の手伝いをさせてもらった時のもの。三浦大根や長ねぎのほか、市内産のにんじん、ワカメも入れて、味噌も県内産を使っています。また、ただ単に地場産の食材を多く使った給食を提供するのではなく、生産者の方からのビデオメッセージを全校放送で流すなどして、生産者の顔が見え、思いがより伝わる給食になるよう工夫しています。副菜の「横すかづくしの塩いそあえ」は、市内産の海苔、きゃべつ、小松菜を使い、ごま油で和えたもの。みかんは観光農園の多い津久井のものを添えるなど、地元産にこだわった献立です。

三崎港で水揚げされる「三崎マグロ」とは?

三崎マグロの歴史

三崎港は神奈川県、三浦半島の南端にある漁港。港に適した地形に恵まれ、古くから沖合・沿岸漁業の拠点として栄え、昭和初期からマグロ類の水揚げが全国有数の遠洋漁業の基地として発展しました。三崎港を基地とするマグロ船は、太平洋やインド洋、大西洋などの海で活躍し、三崎港は大量のマグロが水揚げされる「マグロの町」として知られるようになりました。

写真:三崎マグロの歴史

写真協力:三浦市市場管理事務所

首都圏の食卓を支える
「三崎マグロ」の実力

写真:「三崎マグロ」の実力

写真協力:三浦市市場管理事務所

三崎港にある「三浦市三崎水産物地方卸売市場」は、市民からは「みさき魚市場」の愛称で親しまれる身近な存在。1922(大正11)年に開設されたこの市場は、昭和30年代に入りマグロを捕る漁場が遠洋に広がるとともに冷蔵庫を備えた冷凍船が登場したことや、その後の船や漁法の進化、水揚高の増加に対応するため、超低温冷蔵庫・前処理工場などを建設。マグロを冷凍のまま運んで冷凍のまま出荷する、コールドチェーン化に対応した市場へと発展しました。市場では沿岸漁業の海産物や冷凍マグロを取引し、冷凍マグロの取引場所は2018年より「三浦市低温卸売市場」に移動しています。水揚げされたマグロは主に首都圏に出荷され、学校給食でも食べられています。



写真:「三崎マグロ」の実力

写真協力:横須賀市

三方を海に囲まれた横須賀市は、沿岸部で水揚げされる水産物はもちろん、内陸部では野菜の栽培が盛んです。きゃべつやだいこんなどの一般的な野菜のほか、赤や紫のだいこんや白いにんじん、ロマネスコのような色や形に特徴のある西洋野菜まで幅広く生産し、市ではこうした高品質な野菜を「よこすか野菜」としてPRしています。「三崎マグロのタレかつ丼」の献立はマグロが主菜ですが、副菜や味噌汁、デザートまで地場産にすることで、横須賀市は海産物だけではなく、野菜や果実の生産も盛んなことを子ども達に伝えています。

全国給食牛乳コレクション

全国のほとんどの学校給食で毎日提供されている牛乳にも、地域によって違いがあります。子ども達に新鮮な牛乳を楽しんで飲んでもらえるように、どんな工夫があるのでしょうか。各地域で提供されているご当地牛乳を紹介します!

四国編

徳島県 とくしまの牛乳/日本酪農協同(株)徳島工場
写真:とくしまの牛乳 紙パック

日本酪農協同(株)は1948年に牛乳処理販売事業を始め、「毎日飲んで、毎日健康」をスローガンに、西日本を中心に牛乳乳製品等の製造と販売を行っています。徳島工場は1961年から製造を開始し、徳島県をはじめ四国地方の皆さんに安全安心な牛乳をお届けしています。「とくしまの牛乳」は、日本を代表する河川のひとつ、四国三郎の愛称で親しまれる吉野川流域を中心に、恵まれた自然環境のなかで健康に育った乳牛から搾った新鮮な生乳を100パーセント使用しています。パッケージは徳島県のキャラクターである「すだちくん」が入ったものを使用。子ども達に、新鮮な徳島の牛乳が身近にあることを知ってもらいたいとの願いが込められています。

愛媛(香川、高知)県 らくれん牛乳/四国乳業(株)
写真:らくれん牛乳 紙パック

生乳の生産を担う愛媛県酪農業協同組合連合会と直結して、牛乳の製造と販売を行っているのが四国乳業(株)です。「らくれん」というブランド名で広く親しまれ、愛媛県内全域および、香川県と高知県の一部地域の学校に牛乳を供給しています。農協プラント系として酪農家と直結している強みを活かし、新鮮な四国の生乳を成分無調整で使用。良質なたんぱく質やカルシウムなどをバランスよく含み、生乳の自然なおいしさをそのまま提供しています。乳牛の乳房をイメージしたパッケージのデザインは、1968年の設立以来変わっておらず、毎年、年に数回、期間限定で愛媛県にある「とべ動物園」とコラボし、人気者「しろくまピース」をはじめとした可愛い動物たちを印刷したデザインを使用しています。

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