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農林水産省

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ご当地の郷土料理の魅力 ふるさと給食自慢

日本全国で提供されている学校給食のメニューの中から、その土地で親しまれている郷土料理や食材などを取り入れたものを紹介。その地域ならではの食の連載をお届けします。

第17回

奈良県奈良市の学校給食

奈良の雑煮

写真:奈良の雑煮の給食

麦ごはん、奈良の雑煮、いり鶏、ごまめと、奈良で食べられているお節料理が並ぶ献立。麦ごはんには奈良市産のお米を使用しています。

きな粉をつけて二度おいしい
縁起を担ぐ「奈良の雑煮」

(奈良市教育委員会教育部保健給食課)

奈良時代に国際交流を通じて発展し、日本の文化の原型を作り上げた奈良市。当時の宮殿や役所などの遺構は良好な形で保存され、「古都奈良の文化財」はユネスコ世界遺産に登録されています。そんな奈良市でお正月に食べる雑煮は、汁に入ったもちを一度取り出して、別の皿に盛られたきな粉をつけて食べます。

写真:奈良の雑煮の調理風景
写真:奈良の雑煮の調理風景

にんじん、だいこん、さといもを食べやすい大きさに切り揃え、角切りにした豆腐と一緒に出汁で煮ます。出汁は、コンブとウルメ節でとったものです。野菜が柔らかくなった頃合いを見て白玉もちを投入。本来は焼いた丸もちを使用しますが、給食では代わりに白玉もちを使用しています。仕上げには、奈良県産の白味噌と、奈良時代に中国から伝わったとされる甘口の米味噌「五徳味噌」を溶かして完成です。

写真:給食の風景

子ども達に奈良の伝統的な食文化を知ってもらうことを目的として、毎年1月には「奈良の雑煮」が給食に登場します。きな粉を何につけて食べるかわからない子どもも多く、給食の紹介資料や先生からの指導で初めて食べ方を知るそうです。

奈良県の郷土料理「奈良の雑煮」とは?

奈良の雑煮の歴史

焼いた丸もちを白味噌仕立ての雑煮から取り出して、砂糖入りのきな粉につけて食べる「奈良の雑煮」。使用する食材にはさまざまな縁起が担がれています。きな粉の黄色は稲穂を表し、米の豊作を祈るなどの意味が。また、「人の上に立つ頭になれるように」という願いを込めて、できるだけ大きな頭芋(さといもの親芋)を入れます。金時にんじんと大和の伝統野菜である「祝だいこん」は、1年間何事も丸くおさまるようにと輪切りに。さらに、豆腐は白壁の蔵の象徴として、蔵が建つように四角く切ります。

写真:奈良の雑煮の歴史

トッピングはきな粉
奈良の雑煮の実力

写真:奈良の雑煮の実力

さといもやだいこんには食物繊維が含まれており、整腸作用が期待されます。また、豆腐やきな粉には、植物性たんぱく質のほか血や骨の健康に欠かせない鉄分やマグネシウムが豊富に含まれています。(監修:管理栄養士・国際中医薬膳師 清水 加奈子さん)

写真:雑煮の塩味ときな粉の甘味を感じられる「奈良の雑煮」

雑煮の塩味ときな粉の甘味を感じられる「奈良の雑煮」は、きな粉をつけて楽しみながら食べられる点が子ども達にも人気のメニューです。他にも、奈良市の公立小中学校では、2018年から毎月1回地場産物を使った献立や郷土料理を提供する「古都ならの日」を実施。子ども達が県の食文化を知る良い機会になっています。

全国給食牛乳コレクション

全国のほとんどの学校給食で毎日提供されている牛乳にも、地域によって違いがあります。子ども達に新鮮な牛乳を楽しんで飲んでもらえるように、どんな工夫があるのでしょうか。各地域で提供されているご当地牛乳を紹介します!

近畿編

三重県 大内山牛乳/大内山酪農農業協同組合
写真:大内山牛乳 紙パック

「良質な牛乳づくりは健康な牛づくりから」を合言葉に、乳牛の健康を第一に考えた牛乳づくりを行う大内山酪農農業協同組合。厳選したとうもろこしや大豆を原料とした組合指定飼料と乾牧草で育てられた乳牛からは、子供の発育に欠かせない良質なたんぱく質やカルシウム、ビタミンなどをバランスよく含んだ生乳が搾れます。組合に加盟する三重県内の生産者が搾った牛乳のみを使用した「大内山牛乳」は、毎日集乳して工場受け入れから2日以内に製品となるため、新鮮で搾りたての味わいです。

滋賀県 伊吹牛乳/(有)ミルクファーム伊吹
写真:伊吹牛乳 紙パック

滋賀県と岐阜県の県境、伊吹山の麓で牛乳の生産から販売まで行っている(有)ミルクファーム伊吹。自然豊かな伊吹山の恵みを活かした商品づくりをしています。「伊吹牛乳」は滋賀県産の生乳を100パーセント使用し、スッキリとした飲み口が特徴です。また、パッケージの緑色は伊吹山の草原、青色は姉川を表現。創業当初は酪農家が自ら山に登り、草刈りをして乳牛の飼料としていたことから伊吹山には特別な思いがあるそうです。天然の牛乳を味わえるとして、給食用としてだけではなく、地域の特産品としても親しまれています。

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