食を究めたスペシャリストが教えます 達人レシピ。
日本各地、旬の食材を提供する農家や漁師など、食のスペシャリストたちが、専門家だからこそ知っている秘伝のレシピを紹介。食材の味や、栄養を引き出し尽くす! 達人ならではのレシピをお見逃しなく!
第20回三関せり
せりは春の七草のひとつに数えられる日本原産の野菜で、天然のものは春先に柔らかい芽をぐんぐんと伸ばします。田の畦や湿地に群生するせりは、まるで競り合うように丈を伸ばしていくため、せりという名前が付いたともいわれています。
一般にスーパーマーケットなどで流通しているせりは、茎の長い栽培種ですが、秋田県湯沢市の三関地区で栽培される三関せりは白く伸びた根が特徴。根までおいしく食べられるせりとして、近年とても高い人気を集めています。鮮やかな色、爽やかな香り、シャキシャキとした歯触りの三関せりは、鍋料理にもよく合い、地元のきりたんぽ鍋には欠かせない食材となっています。
三関せり栽培の達人
JAこまち三関せり出荷組合 組合長
奥山 優一さん(秋田県湯沢市)
湯沢市三関地区は、東に連なる山々から雄物川へと広がる扇状地にあり、古くから豊富に湧き出す清らかな伏流水を利用してせりの栽培を行ってきました。
今年67歳になる奥山優一さんが本格的にせりづくりに取り組むようになったのは、ハウスでの栽培の始まった20年ほど前だといいます。それ以前、露地栽培の時代は収穫期が9月頃から雪が降るまでに限られていましたが、ハウス栽培になって3月下旬まで安定した収穫が可能になったためです。
現在、奥山さんの息子さんと経営する農園の18棟のハウスでつくっているのは「改良三関」という品種で、その一番の特徴は白く長い根にあります。寒冷な土地で育つ三関せりは、成長には時間がかかりますが、そのぶん地中深くまで根を伸ばしてくれるのだそうです。収穫した三関せりは根の部分がおいしいだけに、寒さの厳しい冬でも伏流水で丹念に泥を洗い流します。さらに奥山さんは念のため、結束したあとにも根に砂や小石が絡んでいないか確かめながらもう一度水洗いをして、それから袋詰めし出荷しています。
春の七草のひとつのせりは、独特の香り成分であるオイゲノ―ルなどが特徴で、鎮静効果や健胃、解毒作用などがあるといわれています。他にβ-カロテンや鉄分なども含まれています。(監修:管理栄養士・国際中医薬膳師 清水 加奈子さん)
食のスペシャリストが教える! 達人レシピ"
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1
油揚げは油抜きをして短冊切りにし、糸こんにゃくは3センチメートル程度に切っておきます。
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2
Aの材料を混ぜ合わせてから煮立て、1を入れて、さらにひと煮立ちさせた後、冷ましておきます。
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3
せりを根まで洗ってから、3センチメートル程度に切り、沸騰したお湯に数秒湯通しした後、水で冷まし、水気を切っておきます。
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4
3と4を混ぜ合わせて出来上がりです。
ここがポイント!
一般のせりの場合、葉と茎の色や香り、爽やかな味を楽しみますが、三関せりは根の食感も魅力になっています。葉と茎はしゃぶしゃぶのように軽く湯通しするだけ、根も茹ですぎないようにしてシャキシャキの歯応えを楽しんでください。
せりは空気に触れて水分が失われていくと、鮮度も徐々に低下していきます。新聞紙にしっかりとくるみ、冷蔵庫で保存すれば、1週間ほどは新鮮な風味と食感を楽しめます。
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