このページの本文へ移動

農林水産省

メニュー

2025

9月号

若手農業者

職業にしてわかった、 農業の魅力

農業には、たくさんの魅力があります。20代で就農した2人の若手農業者が、田畑で、農作物と向き合いながら見えてきた喜びや楽しみを熱く語ります。

2年かけて準備して 農家になった女性の物語

20代で、祖父母から地元の特産品である市田柿の栽培を受け継ぎ、直接販売を開始するなど自分なりの工夫を加えて農業を軌道に乗せた事例を紹介します。

Orchard muku. 奥村光希さん 長野県下伊那郡喬木村で、市田柿やさつまいも、クレマチスシードなどを生産・栽培。2022年に、祖父母が守ってきた農園を引き継ぐ形でOrchard muku.を開業。

  • ドクターズクラークとして働きながら2年かけて就農を準備しました。一番不安だったのは収入のことで、補助金制度を活用できる認定新規就農者を取得するなど、しっかり計画して進めました。
  • 市田柿は500年続く特産品で、地理的表示(GI)にも登録されています。実った柿の皮をむいて全体を白い粉がまとうまで自然乾燥させます。手間のかかる伝統製法による最高品質の干し柿です。
  • 紅はるかの栽培も行っており、こちらは栽培期間中、農薬や化学肥料を使用せずに育てています。収穫した紅はるかは干し芋にして販売。生産が追いつかないほどの反響をいただいています。

就農して気づいた 農業の魅力

  1. 1 自給自足のよろこび 自分たちで育てたものを自分たちで食べること。子どもと一緒に育てて収穫して食べる体験はとても尊いです。
  2. 2 自然が心地いい 自然の中に身を置くのが好きで、畑にいるだけで気持ちがいいです。雨にぬれても心地よく思えます。
  3. 3 時間を自由に使える 自分で時間を管理できるので、子育てとの両立もしやすいです。就農して子どもとの時間が増えました。
  4. 4 生命をクリエイト 人が生きていくために不可欠なものを作っていることで、生命をクリエイトしているような気分になります。

今後の展望

  • 協力者を増やす ひとり農家なのであらゆることをひとりで作業していましたが、2024年の繁忙期に地域を旅しながら仕事をする「おてつたび」参加者の受け入れを開始しました。参加者にも自分にとっても、とてもいい経験になっています。
  • ブランディング 直接販売では、オリジナルデザインのパッケージでお届けしています。特大粒の「万嘉(ばんか)」、中粒の「雪霜霧(ゆきしろ)」、食べきりパックの「とみとゆ」があり、どれも最高品質のものを一粒一粒厳選しています。
  • 海外進出 祖父母から受け継いで育てている市田柿のストーリーを発信しながら、海外進出について勉強中です。農林水産省とJAによる輸出支援プロジェクトに参加するなどして、チャンスをつかみたいと思っています。

移住後に就農し 地域のつながりを育む

後継者不足に胸を痛めて兼業農家としてスタートしたのは、地元出身ではない新規就農の若者でした。地域に溶け込み、農村の活性化に貢献しています。

あぼーぼら・いしまき農園、イシノマキ・ファーム 石牧紘汰さん 会社員生活を経て宮城県石巻市へ移住し、一般社団法人イシノマキ・ファームに転職。2022年に自身も就農し、あぼーぼら・いしまき農園を立ち上げる。

  • 一般企業に就職して2年半後に、イシノマキ・ファームに転職し、新規就農希望者のサポートを担当していました。仕事を続けるうちに自分も就農したくなり、兼業農家としてスタートしました。
  • 石巻市でブランドかぼちゃを生産する農家が後継者不足に悩んでいることを聞き、「おいしいかぼちゃが食べられなくなるのはもったいない」と思い、ベテラン農家のもとで学びながら栽培を始めました。
  • ダークホースなど10種類以上のかぼちゃを栽培し、年2回、7月と10月に収穫しています。通常は1株から5個以上なるところを、1個だけに絞って、凝縮した味わいのかぼちゃを育てています。

就農して気づいた 農業の魅力

  1. 1 地域のつながりが広がる 地域の人たちとの付き合いが増えます。手伝いをしたり野菜をもらったり気さくなやりとりが楽しいです。
  2. 2 心が豊かになる 兼業農家なので朝は3時半から農作業をすることもあり、時間に追われているのに、心はゆとりがあります。
  3. 3 価値観をアップデートできる 社会問題について、消費者とは異なる、生産者の視点で捉えられるようになり、新たな視点を手に入れました。

今後の展望

活動分野の拡大 地域コーディネーターとして、子どもたちに農業の話をしたり、一緒にさつまいもの定植をしたりしています。農福連携にも取り組んで、教育や福祉などのジャンルともつながりが生まれています。 農園カフェを開業 家族と一緒に農園カフェを始めたいと思っています。お客様に出す料理には、自分たちの畑で採れた野菜を使って、できればその畑が見える場所で食事をしていただくような形で考えています。

農業を仕事にしたいと考え始めたら

農業をはじめる.JPは、農業に興味を持った人や農業を仕事にしたいと考え始めた人に役立つ情報を集めた、就農のためのポータルサイトです。就農についてより深く知り、先輩たちの体験談に触れることができるほか、農業体験や研修の受付、就農相談窓口、求人情報、支援情報などを幅広く掲載しています。 https://www.be-farmer.jp/
農業をはじめる.JPは、農業に興味を持った人や農業を仕事にしたいと考え始めた人に役立つ情報を集めた、就農のためのポータルサイトです。就農についてより深く知り、先輩たちの体験談に触れることができるほか、農業体験や研修の受付、就農相談窓口、求人情報、支援情報などを幅広く掲載しています。 https://www.be-farmer.jp/

今週のまとめ

農業に意欲的に取り組む2人の若手農業者は、地域も栽培作物も異なりますが、それぞれやりがいを感じながら、日々の農作業を続けています。自分で決めて周りの皆さんとも協力しながら働く姿に希望を感じます。農業は、魅力いっぱいの職業です。

9月号トップへ

お問合せ先

大臣官房広報評価課広報室

代表:03-3502-8111(内線3074)
ダイヤルイン:03-3502-8449

PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe Readerが必要です。
Adobe Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先からダウンロードしてください。

Get Adobe Reader