令和6年度(2024)はちみつ中の鉛等の含有実態調査の結果について
2026年1月28日公表
調査の背景と目的
環境中に存在する鉛は、大気、土壌、水等を通じて農畜水産物を汚染することが知られています。また、食品加工に用いる機械、器具等に含まれる鉛も、食品の汚染につながることがあります。
少量の鉛に継続的にばく露することは、人の健康、特に子供の神経発達に悪影響を及ぼす可能性があります。このため、多くの国が環境中の鉛を低減するための排出源管理や食品製造時の汚染防止対策を実施しています。日本でも、排出源対策により環境中への鉛の放出は抑制されており、環境中の鉛濃度は減少していますが、人がばく露する量を可能な限り少なくするには、排出源対策に加え、合理的に達成可能な範囲で食品に含まれる鉛を減らすことが重要です。
はちみつについては、2022年にコーデックス委員会ではちみつ中の鉛の最大基準値(0.1 mg/kg)が設定されました。また、2022年度に農林水産省が実施した国産はちみつ(10検体)を含む砂糖・甘味料類及び飴菓子中の鉛等の含有実態調査では、コーデックス委員会が設定する最大基準値を超えるものはないものの、他の砂糖・甘味料と比較してはちみつ中の鉛含有実態が高い傾向を示しました。そこで、はちみつ中の鉛等の低減対策の必要性を確認するため、国内で生産・販売されているはちみつについて、調査点数を増やし、鉛、総ヒ素、カドミウムの含有実態調査を行いました。
調査した食品及び試料の入手方法
国産はちみつ*:計120点
品名欄に「純粋はちみつ」もしくは「Pureはちみつ」と記載されており、
はちみつ以外のものが添加されていないと確認できるもの
内訳
キク科、ムラサキ科を蜜源とする単花はちみつ:30点
マメ科を蜜源とする単花はちみつ:10点
その他の単花はちみつ(上記を除く植物を蜜源とする単花はちみつ):20点
百花はちみつ(複数種類の植物を蜜源とするはちみつ):60点
2024年7~9月に採蜜地や製造者等ができるだけ重複しないよう、入手可能な範囲で多様な製品をインターネット販売サイト等で購入しました。
調査対象とした物質及び分析法
試料を均質化後、硝酸等を加えてマイクロウェーブ分解装置を用いて分解し、誘導結合プラズマ質量分析計(ICP-MS)を用いて分析しました。
表1検出下限・定量下限(単位:mg/kg)
| 検出下限 | 定量下限 | |
| 鉛 | 0.003 | 0.01 |
| 総ヒ素 | 0.003 | 0.01 |
| カドミウム | 0.003 | 0.01 |
はちみつの調査結果
調査したはちみつ120点の鉛濃度は、88点の試料で定量下限未満の濃度でした。
総ヒ素、カドミウム濃度は全ての試料で定量下限未満の濃度でした。
表2はちみつ中の鉛、総ヒ素、カドミウム濃度
| 分析種 | 点数 | 定量下限 未満の数 |
最小値1 [mg/kg] |
最大値1 [mg/kg] |
平均値2 [mg/kg] |
最大値3 [mg/kg] |
| 鉛 | 120 | 88 | - | 0.10 | 0.006-0.013 | - |
| 総ヒ素 | 120 | 120 | - | - | 0.00-0.01 | - |
| カドミウム | 120 | 120 | - | - | 0.00-0.01 | - |
- 定量下限未満の試料がある場合、最小値は記載していません。また、全試料が定量下限未満の場合、最大値は記載していません。
- 平均値UBとLBを算出し、その範囲を記載しています。
平均値UB:定量下限未満の濃度を「定量下限値」として、平均値を算出。
平均値LB:定量下限未満の濃度を「ゼロ」として、平均値を算出。 - 試料の半数以上が定量下限未満の場合、中央値は算出していません。
まとめ・今後の対応
今回の調査の結果、国産はちみつ中の鉛は7割以上の試料で、総ヒ素とカドミウムについては全ての試料で、定量下限未満の濃度であることが分かりました。また、コーデックス委員会が設定する鉛の最大基準値を超過する検体はありませんでした。
我が国におけるはちみつの平均的な消費量を考慮すると、はちみつを通じた鉛の摂取量が食品全体から継続的に摂取する鉛等の量に占める割合は十分小さいことから、リスク管理措置を講じる必要性は低いと考えられました。
なお、鉛は大気中に存在しており、大気中の鉛濃度の変化等によって、食品の原料となる農畜水産物の汚染状況が変化する可能性があるため、一定期間が経過した後には最新の実態を把握することとします。
お問合せ先
消費・安全局畜水産安全管理課
代表:03-3502-8111(内線4536)
ダイヤルイン:03-6744-2103




