食品中の鉛に関する情報
令和5年9月27日更新
鉛は古くは塗料や化粧用色素を始め、様々な目的で使われており、現在でも水道管、ハンダの原材料等として利用されています。鉛による中毒は古くから報告されていますが、現在では低濃度の鉛を長期間にわたって摂取し続けることによる子供の認知発達、知的行動への悪影響が懸念されています。
鉛のように意図せず食品に含まれる有害化学物質については、「生産から消費の段階で適切な措置を講じて合理的に可能な範囲で食品に含まれる量を減らすべき」というのが、国際的に合意された考え方です。
このページでは、食品中に含まれる鉛について理解を深めていただくために、食品を通じた鉛の摂取や、食品中の鉛濃度の実態などをご紹介します。
食品中の鉛に関する基礎情報
土や水、大気中などの自然環境に存在する様々な物質が、農畜水産物などの食品に含まれることや付着していることがあります。鉛もそのような物質の一つであり、水や食品を通じてヒトの体の中に入ることでヒトの健康に悪影響を及ぼす可能性があります。そのため、合理的に達成可能な範囲で食品に含まれる鉛を減らすことが大切です。
かつて、鉛は様々な目的で使われてきました。日本でも、1960年代までは、鉛化合物を添加した有鉛ガソリンを使用しており、また工場等からの排気ガスに鉛が含まれていたことから、大気中の鉛濃度が高くなっていましたが、その後、鉛の排出源対策が進められ、現在では環境中への人為的な鉛の放出は抑制されています。しかしながら、鉛は、その利用の歴史が長く、今も環境中に広範囲に存在している可能性があり、鉛の存在する環境で栽培された農畜水産物や製造工程で鉛を利用した機械や器具がある食品に鉛が含まれる可能性が考えられます。
そこで、農林水産省は、国産農産物等に含まれる鉛の実態調査を実施しました。その結果、調査した国産農産物等のほとんどで、鉛濃度は十分低いことが確認されましたが、一部の品目では、比較的高濃度に鉛を含む可能性があることが示唆されました。
鉛による中毒は古くから報告されています。国際的なリスク評価機関は、ごく少量であっても鉛を摂取することにより小児の知能や成人の血圧へ悪影響があることから、耐容摂取量(摂取量がこの量以下であれば健康への悪影響はないと考えられる量)を設定することは不適切であると評価しました。このことから、鉛の摂取量を低くすることが大切ですので、環境中に鉛を放出しないようにする必要があります。したがって、我が国を含め多くの国では、環境中への鉛の排出量の規制などが行われています。
食品からの鉛の摂取量
日本人がどの食品からどのくらいの量の鉛を摂取しているかご紹介します。
農産物に含まれる鉛の実態調査
農林水産省がこれまでに実施した農産物中の鉛に関する含有実態調査結果についてご紹介します。
畜産物に含まれる鉛の実態調査
農林水産省がこれまでに実施した畜産物中の鉛に関する含有実態調査結果についてご紹介します。
加工食品に含まれる鉛の実態調査等
農林水産省がこれまでに実施した加工食品中の鉛に関する含有実態調査結果や事業者が食品中の鉛濃度の低減に成功した事例についてご紹介します。
海外の動向 
現在、国際機関や諸外国が設定している食品中の鉛に関する基準値、食品に含まれる鉛の低減に向けた国際機関での検討状況等をご紹介します。
より詳細な情報をお求めの場合
下記のページにて、詳細な情報をまとめた「リスクプロファイル」を公開しています。より詳細な情報をお求めの場合はこちらをご覧ください。
参考情報
お問合せ先
消費・安全局食品安全政策課
担当者:化学物質管理班
代表:03-3502-8111(内線4453)
ダイヤルイン:03-3502-8731
消費・安全局農産安全管理課
担当者:土壌汚染防止班
代表:03-3502-8111(内線4507)
ダイヤルイン:03-3592-0306
消費・安全局畜水産安全管理課
代表:03-3502-8111(内線4536)
ダイヤルイン:03-6744-2104