作成日:平成29年3月23日
豚農場のサルモネラ保有状況調査
2.4.2.1. 豚農場
2.4.2.1.1. 豚農場の菌保有状況調査(平成22~25年度)
豚農場のサルモネラの保有状況の傾向を把握するために、平成22、23年度にそれぞれ25農場、平成24年度に50農場、平成25年度に24農場において、1農場につき10頭(平成22~24年度)又は20頭(平成25年度)を対象にサルモネラの調査を行いました。 |
(1) 目的
豚農場と豚のサルモネラ保有状況の傾向を把握する3。
3 「豚農場のカンピロバクター保有状況調査」(2.4.1.1.1)、「豚農場のリステリア・モノサイトジェネス保有状況調査」(2.4.3.1.1)と併せて実施。
(2) 試料採取
〇 第1回調査
平成22年10月~平成23年2月に、肥育豚を飼養する25農場で、1農場につき10頭(計250頭)の直腸便(1農場につき試料10点)を採取しました。
〇 第2回調査
平成23年10月~平成24年2月に、肥育豚を飼養する25農場で、1農場につき10頭(計250頭)の直腸便(1農場につき試料10点)を採取しました。
〇 第3回調査
平成24年8月~平成25年2月に、肥育豚を飼養する50農場で、1農場につき10頭(計500頭)の直腸便(1農場につき試料10点)を採取しました。
〇 第4回調査
平成25年11月~平成26年3月に、育成豚及び肥育豚を飼養する24農場で、1農場につきそれぞれ10頭(計480頭)の直腸便(1農場につき試料20点)を採取しました。
(3) 微生物試験
直腸便を試料としてサルモネラの定性試験(3.2.1.1 (7))を行いました。これらの試料(10頭又は20頭の直腸便)のうち1点でもサルモネラが分離された農場は、陽性(サルモネラ保有)と判定しました。分離されたサルモネラについては、O抗原及びH抗原を調べて血清型を特定(3.2.3.1)しました。
(4) 結果
第1回~第4回調査の豚農場のサルモネラ保有率は、それぞれ24%(6/25)、0%(0/25)、14%(7/50)、4%(1/24)、豚のサルモネラ保有率は、それぞれ4%(10/250)、0%(0/250)、2%(10/500)、0.2%(1/480)でした(表6)。
サルモネラを保有する21頭から分離された23株のサルモネラのうち22株は、5つの血清型に分類され、残りの1株は既知の血清型に分類できませんでした。分離株数で上位2血清型の豚の保有率は、Salmonella Typhimuriumが0.7%(10/1480)、S. Derbyが0.5%(7/1480)でした(表7)。
表6:豚農場におけるサルモネラ保有状況
対象 | 調査数 | 陽性数 | 陽性率(%) | |
---|---|---|---|---|
第1回調査 | 農場 | 25 | 6 | 24 |
豚 | 250 | 10 | 4 | |
第2回調査 | 農場 | 25 | 0 | 0 |
豚 | 250 | 0 | 0 | |
第3回調査 | 農場 | 50 | 7 | 14 |
豚 | 500 | 10 | 2 | |
第4回調査 | 農場 | 24 | 1 | 4 |
豚 | 480 | 1 | 0.2 |
表7:豚から分離されたサルモネラの血清型と陽性頭数
血清型 |
陽性頭数 |
S. Typhimurium | 10 |
S. Derby | 7 |
S. Agona | 2 |
S. Kedougou | 2 |
S. Saintpaul | 1 |
特定不能[O7:HUT] | 1 |
計 | 23 |
まとめ 調査対象数は限られていますが、平成23年度に実施した調査では、豚を飼養する25農場からサルモネラは分離されず、平成22、24、25年度に実施した調査では、豚を飼養する24~50農場の4~24%がサルモネラを保有していました。 今後も、豚農場のサルモネラ保有状況について情報を収集していきます。。 |
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