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農林水産省

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ブロイラー農場の鶏群のカンピロバクター保有状況の変化調査

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平成27年11月26日更新

 

作成日:平成27年6月25日

2.1.1.1. 肉用鶏農場

2.1.1.1.5. ブロイラー農場の鶏群の菌保有状況の変化調査(平成21年度)

ブロイラー農場における鶏群のカンピロバクター保有状況の変化を把握するために、16農場の全鶏群(計56鶏群)を対象に、食鳥処理場への出荷2週間前及び1週間前にカンピロバクターの調査を行いました。その結果、1鶏群以上がカンピロバクター陽性だったブロイラー農場の数は、8農場(50%、出荷2週間前)から10農場(62%、出荷1週間前)に増えていました。また、農場内の全鶏群がカンピロバクター陽性だったブロイラー農場の数は、3農場(19%、出荷2週間前)から7農場(44%、出荷1週間前)に増えていました。

(1) 目的

 ブロイラー農場における鶏群のカンピロバクター保有状況の変化(飼養期間中の2時点間)を把握する。

 

(2) 試料採取

平成21年9~12月に、ブロイラーを生産する16農場において、各農場の全鶏群(1農場当たり2~7鶏群、計56鶏群)の新鮮盲腸便を鶏舎内の床の5か所から(1鶏群につき試料5点)採取しました。試料の採取は、各農場の一部の鶏群が出荷される2週間前と1週間前に行いました。

 

(3) 微生物試験

新鮮盲腸便を試料としてカンピロバクターの定性試験(3.1.1.1(1) )を行いました。この試料のうち1点でもカンピロバクターが分離された鶏群は、陽性(カンピロバクター保有)と判定しました。分離されたカンピロバクターについては、生化学的試験及びPCR法により菌種(Campylobacter jejuni, C.coli)を同定(3.1.3.1)しました。 

 

(4) 結果

今回調査した16農場のうち、1鶏群以上がカンピロバクター陽性だった農場の数は、出荷2週間前では8農場(50%)でしたが、その1週間後(出荷1週間前)には10農場(62%)に増えていました。また、農場内の全鶏群がカンピロバクター陽性だった農場の数は、出荷2週間前では3農場(19%)でしたが、その1週間後(出荷1週間前)には7農場(44%)に増えていました(図1)。

図1:農場内の鶏群のカンピロバクター保有状況の変化(2時点間)

図1:農場内の鶏群のカンピロバクター保有状況の変化(2時点間)

 

なお、16農場の全鶏群(計56鶏群)について、出荷2週間前では19鶏群がカンピロバクター陽性で、うち16鶏群ではC.jejuniが、3鶏群ではC.coliが分離されました。出荷1週間前では29鶏群がカンピロバクター陽性で、うち24鶏群ではC.jejuniが、5鶏群ではC.coliが分離されました。

 

 

 

指導者・事業者の皆様へ

16農場において全鶏群のカンピロバクター保有状況を調べたところ、出荷2週間前からその1週間後にかけて、1鶏群以上がカンピロバクター陽性だった農場の数は8農場から10農場に、農場内の全鶏群がカンピロバクター陽性だった農場の数は3農場から7農場に増えていました。この結果は、飼養期間中にカンピロバクターが農場に侵入し、農場内の鶏群から鶏群に広がる可能性があることを示しています。自分の農場にカンピロバクターを「持ち込まない」、もしカンピロバクターが農場に侵入したら、カンピロバクターを農場内の鶏群から鶏群に「広げない」、そして自分の農場から外に「持ち出さない」ように、衛生対策に取り組む必要があります。

カンピロバクター等の有害微生物が農場や鶏舎に侵入する経路は複数あると考えられます。衛生対策を1つだけ又は一時的に実施しても効果が得られるとは限りません。農場において有効と考えられる衛生対策を「鶏肉の生産衛生管理ハンドブック」(生産者編・指導者編)で紹介していますので、ご自身の農場における衛生対策の再確認や、食中毒を防ぐための追加の対策を検討したい方の参考になれば幸いです。

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