終了した試験研究課題(動物衛生分野)
口蹄疫(FMD)に関する研究
口蹄疫の伝播リスクと防疫措置の評価に関する疫学的研究
- 研究期間
平成23年度~平成25年度 - 研究概要
2010年4月、宮崎県で口蹄疫が発生し、約29万頭の家畜が殺処分されました。今後、口蹄疫の防疫対策の充実を図るためには、今回の口蹄疫の伝播の特徴と防疫対策の効果について、疫学的手法を用いた詳細かつ多角的な分析を行うことが重要となります。
そこで、本研究では、宮崎県での口蹄疫発生事例を用いて、口蹄疫の伝播リスクの解明と防疫措置の効果や効率性について経済的な面も含めて複合的な評価を行いました。 - 研究成果の概要等(PDF : 70KB)
家畜の伝染病の国内侵入と野生動物由来リスクの管理技術の開発
- 研究期間
平成30年度~令和4年度 - 研究概要
畜産農場における各種悪性伝染病の発生は、発生農場の直接損失のみならず、我が国の清浄性ステータスを失わせ、我が国の畜産物の輸出振興にとっても甚大な被害をもたらします。これら疾病のまん延に野生動物の関与がしばしば指摘されていますが、我が国においては、これまで知見の集積が十分になされていません。そこで本事業では、高病原性鳥インフルエンザ(HPAI)、口蹄疫(FMD)、アフリカ豚熱(ASF)といった疾病をはじめとする家畜の伝染病について、国内侵入の早期摘発やまん延防止等に必要な管理技術の開発を行いました。
小課題1:野生動物等を介した家畜の伝染病の伝播リスクの評価
FMDウイルス(FMDV)、ASFウイルス(ASFV)及びHPAIウイルス(HPAIV)について、野生動物における感染性、病原性、免疫応答及び野生動物間の伝播機序を解明。また、アルボウイルスについて、分布域が不明な節足動物による伝播機序と国内生息域を解明。
小課題2:伝染病の早期摘発や監視情報を活用した防疫の最適化
海外における疾病の発生情報を入手・分析し、野生動物にも適用可能な簡便な検査方法を開発。シカの慢性消耗病(CWD)について、サーベイランスに応用可能な検査方法を開発。家畜疾病に関する多様なデータを活用し、発生・拡散予測手法を開発。
小課題3:伝染病発生時の危機管理技術の開発
省力的に多数羽に投与することが可能なHPAIVに対するベクターワクチンを開発。FMDについて、豚体内でのウイルス増殖を抑制する抗ウイルス剤を見出した。豚インフルエンザの現行ワクチンの有効性評価、流行株に有効なワクチン候補株を選定。 - 研究成果の概要等(PDF : 497KB)
- 研究成果報告書(PDF : 1,531KB)
ブルセラ症に関する研究
簡便かつ頻回採取が可能な検体を用いた家畜疾病の検査方法の開発
- 研究期間
平成26年度~平成28年度 - 研究概要
家畜の伝染性疾病を早期に摘発し、そのまん延防止を図るためには、サーベイランスの頻度を増やすことで摘発率を高めることが効果的です。しかしながら、サーベイランスの検体として血液(血清)を採取する際、獣医師・農家の労力及び金銭的コストの負担、家畜へのストレス等による生産性低下等の問題があり、サーベイランスの頻度を増やす場合には、これらの問題を改善することが切望されています。
そこで、牛ブルセラ病、牛白血病、オーエスキー病、牛ヨーネ病の血液(血清)を検体とする検査方法(エライザ法)について、乳汁、唾液、糞便等の採取が簡便な材料を検体とすることの可能性を検証し、薬事法上の承認に必要なデータを収集するための研究を実施しました。 - 研究成果の概要等(PDF : 65KB)
- 研究成果報告書(PDF : 1,465KB)
結核に関する研究
インターフェロンγアッセイを用いた牛結核病診断法の導入
- 研究期間
令和元年度 - 研究概要
牛の結核病は、我が国ではこれまでの乳用牛を中心とした定期検査により、近年の発生は確認されておらず、平成30年度から3年間、清浄性確認サーベイランスを実施しています。
本病の診断は法で規定するツベルクリン検査によって行われていますが、清浄性確認サーベイランス後、牛の結核病の検査をより効率的かつ迅速に行うため、ツベルクリン検査に加え、海外で活用実績のあるインターフェロン・ガンマ(IFN-γ)アッセイを用いた検査法の導入を予定しています。
本研究では、国内で初めて行うIFN-γアッセイを用いた検査法について、検査成立条件を決定し、新たな検査体系を構築するための研究を実施しました。 - 研究成果の概要等(PDF : 63KB)
- 研究成果報告書(PDF : 2,020KB)
ピロプラズマ症
馬の伝染性疾病の迅速検査法の開発
- 研究期間
平成26年度~平成28年度 - 研究概要
2020年に開催予定の東京オリンピック・パラリンピックでは、多頭数の馬術競技出場馬の輸入が想定されています。オリンピックを円滑に実施するためには、動物検疫所において、馬の検査を迅速にできるよう体制を整備する必要があります。
そこで、馬ピロプラズマ病の精密検査について、多検体処理が可能で、感度・特異度が高く、国内で診断薬の自給が可能な検査方法を確立するための研究を実施しました。 - 研究成果の概要等(PDF : 62KB)
- 研究成果報告書(PDF : 659KB)
豚熱(CSF)に関する研究
イノシシにおける豚コレラウイルスの動態解明及び伝播リスクの検証
- 研究期間
令和元年度 - 研究概要
平成30年、わが国において、26年振りにCSFが発生し、野生イノシシにおいても陽性事例が確認されています。
イノシシにおけるCSFウイルスの病原性、ウイルス排泄量、排泄部位等については不明な点が多いため、本研究では平成30年度に岐阜県で発生したCSFの原因ウイルスを用いて、イノシシ対する感染試験を実施しました。
得られた基礎的知見により、イノシシのCSFまん延に対する関与やリスクについて評価し、本病まん延防止を目的としたイノシシ対策や飼養豚での感染防止対策の一助とします。 - 研究成果の概要等(PDF : 62KB)
- 研究成果報告書(PDF : 386KB)
いのしし用国産CSF経口ワクチンの開発
- 研究期間
令和2年度~令和4年度 - 研究概要
国内で発生している豚熱(CSF)への防疫対策として、CSF感染野生いのししを介したCSFウイルスの拡散防止対策を講じるため、野生いのししに対し輸入経口ワクチンを散布しています。EUの事例を踏まえれば、野生いのしし対策が長期化することが予想され、経口ワクチンの継続使用とその散布地域の拡大が見込まれることから、安定的に国内に製品を供給する必要があります。
このため、経口ワクチンに適したウイルス株を作出するとともに、国内での使用に適したベイト剤を開発し、いのしし用国産CSF経口ワクチンを試作します。また開発した試作品について、その有効性を確認します。 - 研究成果の概要等(PDF : 285KB)
- 研究成果報告書(PDF : 2,781KB)
分割版1(PDF : 1,791KB)、分割版2(PDF : 1,629KB)
アフリカ豚熱(ASF)に関する研究
家畜の伝染性疾病に関する実態を踏まえたサーベイランス手法・検査診断手法の研究
- 研究期間
平成28年度~平成30年度 - 研究概要
家畜の伝染性疾病については、その発生状況、病性、検査手法、現場の実態等を踏まえ、効果的・効率的な総合的なサーベイランス体制を構築する必要があります。このため、国内外におけるサーベイランスの実態を踏まえて、対象疾病の選択や報告する情報の検討など、新たなサーベイランスの検討を行うための研究を実施しました。
また、「越境性動物疾病」の代表例ともいえるASFは、近年、東欧地域でも発生が確認されており、国際的な人・物の往来が増加していることから、現在、本病ウイルスが我が国に侵入するおそれが高まっている状況にあり、本病の防疫措置に支障を生じないよう検査体制を確立する必要があります。このため、海外の流行株を収集し感染実験を行うことにより本病の病態の知見を得るとともに、診断法等を検討するための研究を実施しました。 - 研究成果の概要等(PDF : 76KB)
- 研究成果報告書(PDF : 1,780KB)
家畜の伝染病の国内侵入と野生動物由来リスクの管理技術の開発(再掲)
- 研究期間
平成30年度~令和4年度 - 研究概要
畜産農場における各種悪性伝染病の発生は、発生農場の直接損失のみならず、我が国の清浄性ステータスを失わせ、我が国の畜産物の輸出振興にとっても甚大な被害をもたらします。これら疾病のまん延に野生動物の関与がしばしば指摘されていますが、我が国においては、これまで知見の集積が十分になされていません。そこで本事業では、高病原性鳥インフルエンザ(HPAI)、口蹄疫(FMD)、アフリカ豚熱(ASF)といった疾病をはじめとする家畜の伝染病について、国内侵入の早期摘発やまん延防止等に必要な管理技術の開発を行いました。
小課題1:野生動物等を介した家畜の伝染病の伝播リスクの評価
FMDウイルス(FMDV)、ASFウイルス(ASFV)及びHPAIウイルス(HPAIV)について、野生動物における感染性、病原性、免疫応答及び野生動物間の伝播機序を解明。また、アルボウイルスについて、分布域が不明な節足動物による伝播機序と国内生息域を解明。
小課題2:伝染病の早期摘発や監視情報を活用した防疫の最適化
海外における疾病の発生情報を入手・分析し、野生動物にも適用可能な簡便な検査方法を開発。シカの慢性消耗病(CWD)について、サーベイランスに応用可能な検査方法を開発。家畜疾病に関する多様なデータを活用し、発生・拡散予測手法を開発。
小課題3:伝染病発生時の危機管理技術の開発
省力的に多数羽に投与することが可能なHPAIVに対するベクターワクチンを開発。FMDについて、豚体内でのウイルス増殖を抑制する抗ウイルス剤を見出した。豚インフルエンザの現行ワクチンの有効性評価、流行株に有効なワクチン候補株を選定。 - 研究成果の概要等(PDF : 497KB)
- 研究成果報告書(PDF : 1,531KB)
鳥インフルエンザに関する研究
弱毒タイプ高病原性鳥インフルエンザウイルスの家きん肉への出現の検証
- 研究期間
平成23年度~平成24年度 - 研究概要
我が国では、貿易相手国で低病原性鳥インフルエンザの発生があった際は、家きん肉内からウイルスが検出される可能性があるため、当該国からの家きん肉の輸入停止措置をとっています。
しかしながら、国際獣疫事務局(OIE)が、低病原性鳥インフルエンザは家きん肉が感染源となるリスクが低いとみなしていることから、国際基準(OIE基準)においては、低病原性鳥インフルエンザ発生国からの家きん肉は輸入停止の対象とはされていません。
このため、本研究では、家きん肉内からウイルスが検出される可能性について科学的根拠を得るため、低病原性鳥インフルエンザウイルスの家きん肉内への出現を検証しました。
(注)弱毒タイプ高病原性鳥インフルエンザは現行の家畜伝染病予防法においては、「低病原性鳥インフルエンザ」という。(2011年7月1日改正) - 研究成果の概要等(PDF : 65KB)
- 研究成果報告書(PDF:1,286KB)
高病原性鳥インフルエンザの野生動物による感染の確認及び消毒方法の開発
- 研究期間
平成24年度~平成26年度 - 研究概要
2010年の高病原性鳥インフルエンザの発生は9県24農場におよび、国内最大の事例となりました。農林水産省が設置した疫学調査チームの中間とりまとめでは、感染拡大の要因としてねずみ等小型野生動物の関与が示唆されました。このため、ねずみ(イエネズミ)等が鳥インフルエンザウイルスの感染源となり得るかどうかを明らかにするための研究を実施しました。
また、鳥インフルエンザは冬の厳寒期に発生する傾向にあるため、低温下での消毒薬の効果や消毒薬に不凍液を添加した場合の消毒の効果の減衰については不明な点が多くなっています。このため、低温下での効果的な消毒方法を開発するための研究を実施しました。 - 研究成果の概要等(PDF : 61KB)
鳥インフルエンザにおける大腸菌等複合感染の影響の検証
- 研究期間
平成30年度~令和元年度 - 研究概要
鶏大腸菌症は、家きん、特にブロイラーの生産性を低下させる最も重要な疾病の一つです。また、死亡数が急激に増加することから、鳥インフルエンザの疑い事例において同病を否定する場合に類症鑑別される疾病で最も多い疾病の一つとなっています。
平成30年1月に香川県の肉用鶏で確認された高病原性鳥インフルエンザ発生事例では、死亡鶏の解剖で大腸菌症の所見が得られ、大腸菌の感染による影響の有無は不明ですが、過去の事例と比較し、診断に時間を要する結果となりました。
このことを踏まえ、鳥インフルエンザと大腸菌の複合感染において、鳥インフルエンザの検査へ与える影響について検討し、現在の防疫対応を評価し、必要に応じて見直しを図ることが重要です。
さらに、大腸菌との複合感染以外においても、養鶏産業で問題となる他の微生物(ニューカッスル病ワクチン株等を含む)が、鳥インフルエンザの感染や検査にどのような影響を与えるのかについても検討する必要があります。
このため、大腸菌と高病原性鳥インフルエンザウイルス(HPAIV)の複合感染試験やND生ワクチン投与後にHPAIVを感染させる試験を実施し、各々の試験結果をHPAIVに単独感染した場合と比較することにより、大腸菌感染またはNDV感染がHPAIの診断、検査感度およびウイルスの排泄量に与える影響を明らかにするための研究を実施しました。 - 研究成果の概要等(PDF : 72KB)
- 研究成果報告書(PDF : 1,131KB)
病原体の侵入・拡散防止のための効果的な小型野生動物・害虫対策の検討
- 研究期間
令和4年度 - 研究概要
高病原性鳥インフルエンザ及び豚熱の発生事例においては、疫学調査チーム検討会の取りまとめ等として、ネズミ、イタチ等の小型野生動物の畜舎への侵入によるウイルス伝播の可能性が指摘されています。しかし、病原体の侵入・拡散防止を目的とした、農場及びその周辺において活用可能で効果的な小型野生動物等の防除・駆除方法はこれまでに確立されておらず、生産現場における家畜衛生対策の推進のために総合的な対策マニュアルの整備が必要です。
このため、農場のネズミ等に関する論文をもとにしたデータベースの作成や農場で行われているネズミ対策に関するアンケート調査を行うことで、ネズミ等の小型野生動物の生態に関する既知の知見の収集及び畜舎内及びその周辺における小型野生動物等の農場間の動態や対策効果のデータを収集し、平時及び防疫措置実施時の効果的な防除方法を検証します。 - 研究成果の概要等(PDF : 208KB)
- 研究成果報告書(PDF : 1,660KB)
家畜の伝染病の国内侵入と野生動物由来リスクの管理技術の開発(再掲)
- 研究期間
平成30年度~令和4年度 - 研究概要
畜産農場における各種悪性伝染病の発生は、発生農場の直接損失のみならず、我が国の清浄性ステータスを失わせ、我が国の畜産物の輸出振興にとっても甚大な被害をもたらします。これら疾病のまん延に野生動物の関与がしばしば指摘されていますが、我が国においては、これまで知見の集積が十分になされていません。そこで本事業では、高病原性鳥インフルエンザ(HPAI)、口蹄疫(FMD)、アフリカ豚熱(ASF)といった疾病をはじめとする家畜の伝染病について、国内侵入の早期摘発やまん延防止等に必要な管理技術の開発を行いました。
小課題1:野生動物等を介した家畜の伝染病の伝播リスクの評価
FMDウイルス(FMDV)、ASFウイルス(ASFV)及びHPAIウイルス(HPAIV)について、野生動物における感染性、病原性、免疫応答及び野生動物間の伝播機序を解明。また、アルボウイルスについて、分布域が不明な節足動物による伝播機序と国内生息域を解明。
小課題2:伝染病の早期摘発や監視情報を活用した防疫の最適化
海外における疾病の発生情報を入手・分析し、野生動物にも適用可能な簡便な検査方法を開発。シカの慢性消耗病(CWD)について、サーベイランスに応用可能な検査方法を開発。家畜疾病に関する多様なデータを活用し、発生・拡散予測手法を開発。
小課題3:伝染病発生時の危機管理技術の開発
省力的に多数羽に投与することが可能なHPAIVに対するベクターワクチンを開発。FMDについて、豚体内でのウイルス増殖を抑制する抗ウイルス剤を見出した。豚インフルエンザの現行ワクチンの有効性評価、流行株に有効なワクチン候補株を選定。 - 研究成果の概要等(PDF : 497KB)
- 研究成果報告書(PDF : 1,531KB)
ニューカッスル病に関する研究
野鳥が保有するニューカッスル病ウイルスに関する研究
- 研究期間
平成23年度~平成24年度 - 研究概要
ニューカッスル病は高病原性鳥インフルエンザと同様、野鳥による伝播が主要な感染ルートとして考えられているが、我が国では野鳥のサーベイランスがあまり行われていないことから、野鳥におけるウイルス保有状況と発生との関連性は明らかになっていません。
そこで、本研究では、
(1)全国規模の野鳥におけるニューカッスル病ウイルスのサーベイランスを実施
(2)分離されたニューカッスル病ウイルスについて、遺伝子レベルでの解析ならびに国際基準に沿った病原性試験を実施
することにより、我が国の野鳥内における本ウイルスの保有状況及びその性状を分析しました。 - 研究成果の概要等(PDF : 64KB)
- 研究成果報告書(PDF:235KB)
アルボウイルス感染症に関する研究
代替動物を用いたワクチンの有効性確認試験プロトコールの開発
- 研究期間
平成24年度~平成25年度 - 研究概要
近年、アジア熱帯地域から侵入した病原体による感染症で牛の異常産が増加しており、その防あつにはワクチンの開発が必要だが、牛の妊娠牛を用いた感染及び効果試験は、場所や供試牛の制約が多い状況となっています。
そこで、山羊等を用いた病原体の感染試験及びワクチンの効果試験を行い、代替動物を用いたワクチン有効性確認試験プロトコールを開発するための研究を実施しました。 - 研究成果の概要等(PDF : 57KB)
- 研究成果報告書(PDF:1,259KB)
アルボウイルス感染症の発生予察調査手法の開発
- 研究期間
平成29年度~令和元年度 - 研究概要
家畜の異常産等を引き起こす節足動物媒介性ウイルス感染症(アルボウイルス感染症)については、平成10年以降、その流行を予察するため、都道府県の協力の下、アカバネ病、チュウザン病、アイノウイルス感染症、イバラキ病及び牛流行熱の全国的な検査を実施しています。
このような中、平成27年には鹿児島県において同県では昭和63年以来となる牛流行熱の発生が確認されるなど、病原体を媒介する節足動物の生息域や生息時期の変化により、病原体の多様化も含めアルボウイルス感染症の発生状況が変化してきていることが懸念されています。
このため、発生状況の変化等に対応した的確なアルボウイルス感染症の発生予察調査手法を早急に開発するとともに、調査結果を迅速に生産現場で活用できる体制を構築しなければならない状況にあります。そこで、アルボウイルス感染症の新たな発生予察体制を確立するため、生産現場における発生予察調査の具体的方法、調査結果の収集・分析方法及び分析結果の生産現場へのフィードバック方法を開発するための研究を実施しました。 - 研究成果の概要等(PDF : 66KB)
- 研究成果報告書
全体版(PDF : 6,970KB)、分割版1(PDF : 2,270KB)、分割版2(PDF : 1,985KB)、分割版3(PDF : 1,623KB)、分割版4(PDF : 1,300KB)
家畜の伝染病の国内侵入と野生動物由来リスクの管理技術の開発(再掲)
- 研究期間
平成30年度~令和4年度 - 研究概要
畜産農場における各種悪性伝染病の発生は、発生農場の直接損失のみならず、我が国の清浄性ステータスを失わせ、我が国の畜産物の輸出振興にとっても甚大な被害をもたらします。これら疾病のまん延に野生動物の関与がしばしば指摘されていますが、我が国においては、これまで知見の集積が十分になされていません。そこで本事業では、高病原性鳥インフルエンザ(HPAI)、口蹄疫(FMD)、アフリカ豚熱(ASF)といった疾病をはじめとする家畜の伝染病について、国内侵入の早期摘発やまん延防止等に必要な管理技術の開発を行いました。
小課題1:野生動物等を介した家畜の伝染病の伝播リスクの評価
FMDウイルス(FMDV)、ASFウイルス(ASFV)及びHPAIウイルス(HPAIV)について、野生動物における感染性、病原性、免疫応答及び野生動物間の伝播機序を解明。また、アルボウイルスについて、分布域が不明な節足動物による伝播機序と国内生息域を解明。
小課題2:伝染病の早期摘発や監視情報を活用した防疫の最適化
海外における疾病の発生情報を入手・分析し、野生動物にも適用可能な簡便な検査方法を開発。シカの慢性消耗病(CWD)について、サーベイランスに応用可能な検査方法を開発。家畜疾病に関する多様なデータを活用し、発生・拡散予測手法を開発。
小課題3:伝染病発生時の危機管理技術の開発
省力的に多数羽に投与することが可能なHPAIVに対するベクターワクチンを開発。FMDについて、豚体内でのウイルス増殖を抑制する抗ウイルス剤を見出した。豚インフルエンザの現行ワクチンの有効性評価、流行株に有効なワクチン候補株を選定。 - 研究成果の概要等(PDF : 497KB)
- 研究成果報告書(PDF : 1,531KB)
オーエスキー病に関する研究
簡便かつ頻回採取が可能な検体を用いた家畜疾病の検査方法の開発(再掲)
- 研究期間
平成26年度~平成28年度 - 研究概要
家畜の伝染性疾病を早期に摘発し、そのまん延防止を図るためには、サーベイランスの頻度を増やすことで摘発率を高めることが効果的です。しかしながら、サーベイランスの検体として血液(血清)を採取する際、獣医師・農家の労力及び金銭的コストの負担、家畜へのストレス等による生産性低下等の問題があり、サーベイランスの頻度を増やす場合には、これらの問題を改善することが切望されています。
そこで、牛ブルセラ病、牛白血病、オーエスキー病、牛ヨーネ病の血液(血清)を検体とする検査方法(エライザ法)について、乳汁、唾液、糞便等の採取が簡便な材料を検体とすることの可能性を検証し、薬事法上の承認に必要なデータを収集するための研究を実施しました。 - 研究成果の概要等(PDF : 65KB)
- 研究成果報告書(PDF : 1,465KB)
豚繁殖・呼吸器障害症候群(PRRS)に関する研究
豚繁殖・呼吸器障害症候群の新たな診断方法の開発
- 研究期間
平成22年度~平成24年度 - 研究概要
豚繁殖・呼吸障害症候群(PRRS)は、ウイルス感染により肥育豚の呼吸障害や、母豚の死流産などの繁殖障害を起こす伝染病で、世界各国の養豚業に大きな被害を与えています。ウイルスの遺伝子型は、北米型と欧州型に大別されるが、日本ではこれまで北米型のみの発生であったため、北米型の検査法とワクチンしか用意されていない。しかしながら、野外ウイルスの遺伝子解析で欧州型も存在することが分かりました。
このため、我が国の欧州型ウイルスの湿潤状況を調査し、北米型と欧州型を区別できる遺伝子検査法(PCR法)や血清学的検査法(ELISA法)を開発するための研究を実施しました。 - 研究成果の概要等(PDF : 62KB)
- 研究成果報告書(PDF:472KB)
サーベイランスに関する研究
家畜の伝染病に関する野生動物疾病サーベイランスの検討
- 研究期間
平成22年度~平成24年度 - 研究概要
近年の鳥インフルエンザの広域流行を踏まえ、国際獣疫事務局(OIE)では、通報すべき野生動物疾病の明確化等について検討しているところです。
そこで、本研究では、野生動物から家畜への伝播可能性が指摘されている豚コレラ、オーエスキー病、ニューカッスル病、鳥インフルエンザ等について、国内外のサーベイランス実施状況及び実施体制を調査するとともに、国内畜産農場周辺の野生動物の実態調査を行い、家畜疾病を伝播する可能性のある野生動物種、伝播経路を特定し、伝播リスクを評価しました。また、その結果から、野生動物を対象としたサーベイランス方法を検討しました 。 - 研究成果の概要等(PDF : 59KB)
- 研究成果報告書(PDF:708KB)
死亡牛BSEサーベイランスのデータ解析及び新たなサーベイランス計画の検討
- 研究期間
平成25年度 - 研究概要
死亡牛のBSEサーベイランスについては、現在、24か月齢以上のものについて検査を実施しているところですが、2013年5月に、OIE(国際獣疫事務局)により日本のBSEのステータスが「無視できるBSEリスク」の国として認定されたことを受け、我が国における新たな死亡牛BSE検査のあり方について検討しているところです。
そこで、本研究では、本検査計画の検討に資するよう、これまでに行ったBSEサーベイランスのデータ解析を行うとともに、新たなBSE検査計画のシミュレーションを行いました。 - 研究成果の概要等(PDF : 57KB)
- 研究成果報告書(PDF:352KB)
家畜の伝染性疾病に関する実態を踏まえたサーベイランス手法・検査診断手法の研究(再掲)
- 研究期間
平成28年度~平成30年度 - 研究概要
家畜の伝染性疾病については、その発生状況、病性、検査手法、現場の実態等を踏まえ、効果的・効率的な総合的なサーベイランス体制を構築する必要があります。このため、国内外におけるサーベイランスの実態を踏まえて、対象疾病の選択や報告する情報の検討など、新たなサーベイランスの検討を行うための研究を実施しました。
また、「越境性動物疾病」の代表例ともいえるASFは、近年、東欧地域でも発生が確認されており、国際的な人・物の往来が増加していることから、現在、本病ウイルスが我が国に侵入するおそれが高まっている状況にあり、本病の防疫措置に支障を生じないよう検査体制を確立する必要があります。このため、海外の流行株を収集し感染実験を行うことにより本病の病態の知見を得るとともに、診断法等を検討するための研究を実施しました。 - 研究成果の概要等(PDF : 76KB)
- 研究成果報告書(PDF : 1,780KB)
家畜の伝染病の国内侵入と野生動物由来リスクの管理技術の開発(再掲)
- 研究期間
平成30年度~令和4年度 - 研究概要
畜産農場における各種悪性伝染病の発生は、発生農場の直接損失のみならず、我が国の清浄性ステータスを失わせ、我が国の畜産物の輸出振興にとっても甚大な被害をもたらします。これら疾病のまん延に野生動物の関与がしばしば指摘されていますが、我が国においては、これまで知見の集積が十分になされていません。そこで本事業では、高病原性鳥インフルエンザ(HPAI)、口蹄疫(FMD)、アフリカ豚熱(ASF)といった疾病をはじめとする家畜の伝染病について、国内侵入の早期摘発やまん延防止等に必要な管理技術の開発を行いました。
小課題1:野生動物等を介した家畜の伝染病の伝播リスクの評価
FMDウイルス(FMDV)、ASFウイルス(ASFV)及びHPAIウイルス(HPAIV)について、野生動物における感染性、病原性、免疫応答及び野生動物間の伝播機序を解明。また、アルボウイルスについて、分布域が不明な節足動物による伝播機序と国内生息域を解明。
小課題2:伝染病の早期摘発や監視情報を活用した防疫の最適化
海外における疾病の発生情報を入手・分析し、野生動物にも適用可能な簡便な検査方法を開発。シカの慢性消耗病(CWD)について、サーベイランスに応用可能な検査方法を開発。家畜疾病に関する多様なデータを活用し、発生・拡散予測手法を開発。
小課題3:伝染病発生時の危機管理技術の開発
省力的に多数羽に投与することが可能なHPAIVに対するベクターワクチンを開発。FMDについて、豚体内でのウイルス増殖を抑制する抗ウイルス剤を見出した。豚インフルエンザの現行ワクチンの有効性評価、流行株に有効なワクチン候補株を選定。 - 研究成果の概要等(PDF : 497KB)
- 研究成果報告書(PDF : 1,531KB)
農場HACCPに関する研究
農場HACCP認証基準の見直しに向けた研究
- 研究期間
平成27年度~平成29年度 - 研究概要
農林水産省は、畜産農場における衛生管理の向上により畜産物の安全性を向上させるため、平成21年度に農場HACCP 認証基準を策定しました。
本基準策定から5年が経過したことから、これまでの運用上の成果や課題が蓄積されてきたところであり、本基準の見直しについて検討する必要があります。
そこで、本研究では、本基準の見直しに資するとともに、農場HACCPの更なる推進を図るため、農場HACCP認証農場における畜産物の安全性及び生産性向上の実態とその要因を分析しました。 - 研究成果の概要等(PDF : 60KB)
- 研究成果報告書(PDF : 421KB)
動物検疫に関する研究
加熱処理稲わら等の加熱状況確認手法の開発
- 研究期間
平成25年度~平成27年度 - 研究概要
口蹄疫の侵入防止に万全を期すため、口蹄疫発生国から我が国に輸入される稲わら等については、湿熱80℃以上で10分以上の加熱処理を必要としています。しかしながら、輸入された加熱処理稲わら等については、輸入時に加熱処理状況に疑義が生じた場合に科学的な方法により確認するための手法が確立されていない状況となっています。
このため、輸入された加熱処理稲わら等の加熱状況について、科学的な方法による確認手法を開発するための研究を実施しました。 - 研究成果の概要等(PDF : 62KB)
新たな輸入畜産物の消毒薬剤及び消毒方法の開発
- 研究期間
平成30年度~令和元年度 - 研究概要
口蹄疫、鳥インフルエンザ、炭疽等の発生国から輸入される畜産物のうち、骨、皮、毛類等については、輸出国政府機関発行の検査証明書の確認に加え、家畜伝染病予防法第46条第1項の規定に基づき、現物又は外装の消毒を実施しています。
消毒に使用する薬剤等は、家畜伝染病予防法施行規則別表第3の3「消毒の基準」及び同表備考で定められており、多くの病原体に有効かつ使用が簡便な薬剤の一つであるホルマリンも畜産物等の消毒薬剤とされています。
動物検疫所では、コンテナ等に収容された輸入畜産物のホルマリンガスくん蒸を実施していますが、ホルマリンは、人体に有害(発がん性等)であり、対象物への残留の問題もあることから、特定化学物質障害予防規則において可能な限り代替物を使用することが求められており、医療分野や実験動物分野ではその代替として、短時間で分解され、人体や環境への影響が少ないオゾンガス等の新たな消毒薬剤が既に活用されています。
このため、ホルマリンガスの代替として、二酸化塩素、過酢酸等を検討対象とし、口蹄疫ウイルスや炭疽菌芽胞を確実に不活化できるとともに、消毒対象物、作業者及び環境に影響の少なく、輸入畜産物の消毒現場で適切に使用できる消毒方法を開発するための研究を実施しました。 - 研究成果の概要等(PDF : 73KB)
畜産物を探知するためのにおいセンサーの評価
- 研究期間
令和3年度 - 研究概要
アフリカ豚熱をはじめとする家畜の伝染性疾病の国内への侵入を防止するためには、限られた資源を最大限に活用し、効率的かつ効果的な検査を実施することが重要であり、これまで家畜防疫官の増員、動植物検疫探知犬の増頭や家畜伝染病予防法の改正により、水際検疫体制の強化に努めてきたところです。また、諸外国に対しては、日本への畜産物の持込みが禁止されている旨、現地語で広報を実施しているが、申告せずに畜産物を不正に持ち込もうとする者が後を絶たないため、いかにしてこのような者を摘発し、検査を受けさせるかが課題となっており、不正持込みに対処するため多様な方法を整備しておく必要があります。
そこで、様々な分野で開発が進むにおいセンサーを探知方法の1つとして導入できるかを評価するため、肉製品に対するにおいセンサーの反応度を明確化し、包装状態などの各種環境における有効性を検証します。 - 研究成果の概要(PDF : 575KB)
- 研究成果報告書(PDF : 1,415KB)
- *研究成果報告書等については、順次掲載します。
お問合せ先
消費・安全局食品安全政策課食品安全科学室
代表:03-3502-8111(内線4451)
ダイヤルイン:03-3502-5722