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農林水産省

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第2節 防災・減災、国土強靱化と農業者等が行うべき備え


自然災害が頻発化・激甚化する中、今後も発生しうる災害に備えるため、農業・農村の防災・減災、国土強靱(きょうじん)化対策の推進が喫緊の課題となっています。

農林水産省においては、「防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策」等に基づき、農業水利施設(*1)、ため池等に係る強靱化対策を推進するとともに、農業保険への加入等農業者自身が行うべき災害への備え等を行うよう取り組んでいます。

*1 用語の解説3(1)を参照

(1)防災・減災、国土強靱化対策の推進

(「防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策」等の推進)

頻発化・激甚化する自然災害への対応として、平成30(2018)年12月14日に閣議決定された「防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策」に基づき、農業水利施設の耐震化やため池の改修・統廃合、農業用ハウスの補強、治山施設の設置、路網整備や間伐等の森林整備、漁港施設の地震・津波対策等による災害に強い農山漁村の創造を強力に推進しています。

また、「国土強靱化基本計画」等に基づく強靱化対策を推進する上で必要となる予算の確保にも努めており、農林水産省における令和元(2019)年度の国土強靱化関係予算(当初)として、臨時・特別の措置1,207億円を含む6,392億円を確保しました(図表4-2-1)。

図表4-2-1 農林水産省の国土強靱化関連予算(当初)

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(農業水利施設に関する緊急対策の実施)

農業用ダム、頭首工、排水機場等の基幹的農業水利施設を対象に、平成30(2018)年度に緊急点検を実施し、災害発生時等の非常時に機能が失われるおそれがある施設について、平成30(2018)年補正予算から緊急対策に着手しました。

令和元(2019)年度は、前年度に引き続き、施設の耐震化、管理設備・電源設備等の整備、耐水対策等の緊急対策を実施しました。

(ため池に関する緊急対策の実施)

平成30(2018)年7月豪雨において、多くのため池が被災したことを受け、平成30(2018)年7から8月にかけて全国のため池を対象に緊急点検を実施しました。この点検結果を踏まえ、令和2(2020)年度までに、対策の優先度が高い防災重点ため池約千か所において、非常時にも機能や安全性を確保するために必要な堤体の改修等の緊急対策を実施することとし、令和元(2019)年度においても対策を推進しました。

(防災重点ため池を再選定しため池対策を推進)

上述の全国ため池緊急点検の実施と併せて、ため池対策検討チームを立ち上げ、防災重点ため池の新たな選定基準として、「決壊した場合の浸水区域に家屋や公共施設等が存在し、人的被害を与えるおそれのあるため池」(平成30(2018)年11月13日公表)を定め、令和元(2019)年5月末に63,722か所の防災重点ため池が再選定されました(図表4-2-2)。

今後のため池対策としては、全ての防災重点ため池において、ため池マップ、緊急連絡体制及び浸水想定区域図を令和2(2020)年度内を目途に整備するとともに、決壊した場合に影響度が大きい防災重点ため池から、避難場所や避難経路を示したハザードマップの作成、堤体の改修やため池の統廃合等を進めることとしています(図表4-2-3)。

図表4-2-2 新たな防災重点ため池の選定基準
図表4-2-3 今後のため池対策

(「農業用ため池の管理及び保全に関する法律」が施行)

農業用ため池については、築造年代が古く、豪雨や地震時に被災する例が多発しています。また、権利者の世代交代が進み、権利関係が不明確かつ複雑になる事例や、管理組織が弱体化している事例等から、日常の維持管理が適正に行われなくなることが懸念されています。このため、所有者等や行政機関の役割分担を明らかにし、農業用ため池の適正な管理及び保全が行われる体制を整備することを目的として、「農業用ため池の管理及び保全に関する法律」が令和元(2019)年7月1日に施行されました。

この法律では農業用ため池の所有者等に対し、農業用ため池の設置又は廃止の都道府県への届出を義務付けるとともに、都道府県は農業用ため池に関するデータベースを整備し、公表することとしています。また、都道府県は、決壊した時に周辺の区域に被害を及ぼすおそれのある農業用ため池を「特定農業用ため池(*1)」に指定し、必要な防災工事の施行命令や代執行を行うことができることとするほか、所有者が不明で適正な管理が困難な農業用ため池については、市町村が管理権を取得できることとしています。

*1 特定農業用ため池の指定要件は、防災重点ため池の選定基準と同じであるが、国又は地方公共団体が所有するものは指定の対象外である。

(2)災害への備え

(農業者自身が行うべき災害への備え)

図表4-2-4 農業者自身が行うべき災害への備えの例

自然災害等の農業経営のリスクに備えるため、異常気象にも対応した品種や栽培技術の導入、農業用ハウスの保守管理、農業保険等の利用等に農業者自身が取り組んでいくことが必要です。

農林水産省では、台風、大雪等により園芸施設の倒壊等の被害が多発している状況に鑑み、台風や積雪による被害の防止に向けた技術指導のほか、園芸施設共済及び収入保険への加入促進を重点的に行うなど、農業者自身が災害への備えを行うよう取り組んでいます(図表4-2-4、図表4-2-5)。また、園芸施設共済への一層の加入を進めるため、集団での加入、小規模被害や耐用年数を大幅に超過した施設の補償範囲からの除外等により、共済掛金を大幅に割引くパッケージを新たに導入し、加入者の掛金の負担軽減を図りました。さらに、国からの補助を受ける場合は、共済加入を要件とするなど加入促進に向けた取組を行っています。

図表4-2-5 施設園芸における園芸施設共済及び収入保険への加入促進

(家庭で行う災害への備え)

東海農政局「災害時の備蓄食品を活用したレシピ開発(第3回)親子クッキングin愛知学院大学」の様子

東海農政局「災害時の備蓄食品を活用した
レシピ開発(第3回)親子クッキングin
愛知学院大学」の様子

家庭では、大規模な自然災害等の発生に備え、自身の身を守る上で当面必要となる食料や飲料水を用意しておくことが重要です。家庭における備蓄量は、最低3日分から1週間分の食品を人数分備蓄しておくことが望ましいと言われています。

住友生命保険(すみともせいめいほけん)相互会社が令和2(2020)年3月に公表したアンケートによると、非常用飲料水又は食品を備蓄している人のうち、3日から6日分と回答した人が飲料水にあっては52.9%、食品にあっては54.4%となりました。また、7日分以上と回答した人は、飲料水にあっては27.1%、食品にあっては25.2%となりました(図表4-2-6)。一方、防災対策を実施していない人は29.7%に達しています。その理由は、「特になし」が45.5%、「何をしたらよいかわからない」が26.3%、「つい先延ばしにしてしまう」が24.9%となっており、備蓄への関心が低い層も存在します。

このため、農林水産省では、ローリングストック(*1)等、平素から食料の家庭備蓄を実践しやすくする方法や、要配慮者を持つ家庭の実践方法をまとめた「災害時に備えた食品ストックガイド」と「要配慮者のための災害時に備えた食品ストックガイド」を作成し、家庭備蓄の定着に取り組んでいます(図表4-2-7)。また、東海農政局ではローリングストックの浸透に向け、「災害時の備蓄食品を活用したレシピ開発 (第3回)親子クッキングin愛知学院大学」を開催しました。

図表4-2-6 家庭における非常用飲料水、非常用食品の日数別備蓄量の割合(令和元(2019)年)

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図表4-2-7 農林水産省「災害時に備えた食品ストックガイド」で紹介されている家庭での備蓄例

*1 普段の食品を少し多めに買い置きしておき、賞味期限を考えて古いものから消費し、消費した分を買い足すことで常に一定量の食品が家庭で備蓄されている状態を保つための方法



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