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農林水産省

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第3節 令和2年度の自然災害からの復旧


令和2(2020)年度には、令和2年7月豪雨、令和2年から3年までの冬期の大雪等の自然災害が発生しました。本節では、これらの被害状況や復旧状況について紹介します。

(1)令和2年度の発生災害による農林水産関係の被害状況

(令和2(2020)年の農林水産関係の被害額は2,473億円)

令和2(2020)年度においては、同年7月に発生した「令和2年7月豪雨」により、広範囲で河川の氾濫による被害が発生し、農林水産関係の被害額は2,208億円となりました (図表4-3-1、図表4-3-2)。このほか、台風等による被害が発生したことから、令和2(2020)年発生の主な自然災害による農林水産関係の被害額は、2,473億円となりました。

また、同年12月から発生した大雪(「令和2年から3年までの冬期の大雪」)では、東北及び北陸地方を中心に被害が発生し、農林水産関係の被害額は148億円となりました。

図表4-3-1 令和2(2020)年度の主な自然災害による農林水産関係の被害額

データ(エクセル:31KB / CSV:2KB

図表4-3-2 令和2(2020)年度の主な自然災害による農林水産関係の被害状況
冠水したハウス栽培のかんきつ類(令和2年7月豪雨)

冠水したハウス栽培のかん
きつ類(令和2年7月豪雨)

冠水、土砂や牧草ロールの流入(令和2年7月豪雨)

冠水、土砂や牧草ロールの
流入(令和2年7月豪雨)

冠水したコンバイン(令和2年7月豪雨)

冠水したコンバイン
(令和2年7月豪雨)

土砂が流出し、人家が被災(令和2年7月豪雨)

土砂が流出し、人家が
被災(令和2年7月豪雨)

積雪により損壊したハウス(令和2年から3年までの冬期の大雪)

積雪により損壊したハウス
(令和2年から3年までの冬期の大雪)

積雪による樹体の枝折れ(令和2年から3年までの冬期の大雪)

積雪による樹体の枝折れ
(令和2年から3年までの冬期の大雪)

(2)令和2年7月豪雨への対応

(プッシュ型による食料支援を実施)

政府は、特に被害の大きかった令和2年7月豪雨においては、発災当初から、必要な食料等の物資が避難所等の被災者に速やかに行き届くようにするため、令和2(2020)年7月4日~30日にかけて熊本県に対し食料及び飲料のプッシュ型支援(*1)を行いました。政府が支援した物資のうち食料は12万点、飲料は20万点、乳児用ミルクは2千点となりました。

*1 国が被災都道府県からの具体的な要請を待たないで、避難所避難者への支援を中心に必要不可欠と見込まれる物資を調達し、被災地に物資を緊急輸送する支援

(被害状況の把握や被災地の復旧に向けた支援を実施)

令和2年7月豪雨発生直後には、農林水産大臣と被災農家との意見交換をWeb会議形式で実施するとともに、農林水産省の職員(「MAFF-SAT」)を被災地方公共団体に派遣(延べ1,362人)し、的確な被害状況の把握や、被害を受けた農地・農業用施設、森林・林業施設、水産関係施設等の早期復旧のための支援を行いました(図表4-3-3)。

このほか、地方公共団体間の職員派遣の促進、民間コンサルタントの確保に向けた協力要請を行うなど、人的・技術的な面からも支援を行いました。

熊本県球磨地域の被災農家との意見交換会(令和2年7月豪雨)

熊本県球磨地域の被災農家と
の意見交換会(令和2年7月豪雨)

図表4-3-3 国の職員(MAFF-SAT)の府県別派遣者数(令和2年7月豪雨)
山地の被災状況調査(令和2年7月豪雨)

山地の被災状況調査
(令和2年7月豪雨)

(早期に激甚災害を指定)

農地・農業用施設、林道、公共土木施設については発災から2日後に、農林水産業共同利用施設は発災から9日後に激甚災害指定の見込みの公表を行い、その後、激甚災害の対象として指定しました(図表4-3-4)。これにより、被災地方公共団体等は財政面での不安なく、迅速に復旧・復興に取り組むことが可能になるとともに、農業関係では、農地・農業用施設、農林水産業共同利用施設の災害復旧事業について、地方公共団体や被災農業者等の負担軽減を図りました。

図表4-3-4 令和2(2020)年発生災害における激甚災害指定

(令和2年7月豪雨からの復旧のため、農林水産関係被害への支援対策を実施)

農林水産省では、令和2(2020)年7月に決定した「令和2年7月豪雨による農林水産関係被害への支援対策について」に基づき、被災した農林漁業者が営農意欲を失わず、一日も早く経営再建ができるように、農地に堆積した土砂等の撤去や、農地等の復旧、土づくり、防除・施肥、農業用機械・農業用ハウス等の復旧、果樹の植替え等をパッケージとして支援しました。特に、再度災害防止の観点を踏まえつつ、早急に農林漁業関係施設等の復旧を進めるとともに、原形回復にとどまらない改良復旧の考え方も踏まえ、被災農地周辺の農地も含め、災害への対応強化と生産性の向上等に一体的に取り組むこととしました。

支援対策の周知に当たっては、新型コロナウイルス感染症の状況を踏まえつつ、市町村の被災状況に応じてWeb会議方式による説明会を開催するほか、参加者が大人数とならないよう被災市町村ごとに説明会を開催し、個々の被災者に寄り添いながら早期の営農再開まで継続してフォローアップを行いました。

被災した農地・農業用施設の復旧については、令和3(2021)年1月末までに災害査定を完了するとともに、順次工事が発注されました。被災した農業用機械や農業用ハウスについては、強い農業・担い手づくり総合支援交付金の被災農業者支援型等のスキームを活用し、早期の営農再開に向けて、各地で事前着工が進められました。また、土砂流入や浸水の被害を受けた果樹園地については、山形県や熊本県で土砂の撤去、樹体洗浄、ゴミの撤去、病害の発生・蔓延防止に向けた取組が実施されました。

(3)令和2年から3年までの冬期の大雪への対応

(令和2年から3年までの冬期の大雪からの復旧のため、被災農林漁業者への支援対策を実施)

令和2年から3年までの冬期の大雪について、令和3(2021)年1月に農林水産大臣が現地調査を実施しました。同年2月に、「令和2年から3年までの冬期の大雪による被災農林漁業者への支援対策について」を決定しました。この支援対策に基づき、被災した農林漁業者の不安に応え、一日も早い経営再開に向け、(1)農業用ハウスや畜舎等の再建・修繕と併せて行う撤去、(2)果樹の枝折れに対する修復や、倒伏等に伴う植替え、(3)被災に伴い必要となる追加的な種子・種苗・融雪剤等の確保等への支援を盛り込みました。

また、被災した農業用ハウス等の早期の復旧を支援するため、事業の計画承認等の前でも事業に着手できる事前着工の活用を促進しました。

現地調査する農林水産大臣(令和2年から3年までの冬期の大雪)

現地調査する農林水産大臣
(令和2年から3年までの冬期の大雪)



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