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農林水産省

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(1)基幹的農業従事者


(基幹的農業従事者は減少傾向、令和2(2020)年は136万人)

図表 特-1 基幹的農業従事者数

データ(エクセル:29KB / CSV:1KB

個人経営体(*1)の世帯員である基幹的農業従事者(*2)は減少傾向が続いており、令和2(2020)年は136万3千人と、平成27(2015)年の175万7千人と比べて22%減少しました。15年前の平成17(2005)年の224万1千人と比べると39%減少しました(図表 特-1)。

*1 用語の解説1、2(1)を参照

*2 用語の解説1、2(5)を参照

(65歳以上の基幹的農業従事者が70%、49歳以下の割合は11%)

令和2(2020)年の基幹的農業従事者数のうち、65歳以上の階層は全体の70%(94万9千人)を占める一方、49歳以下の若年層の割合は11%(14万7千人)となっています(図表 特-2)。

図表 特-2 年齢階層別基幹的農業従事者数

データ(エクセル:33KB / CSV:3KB

(令和2(2020)年の20~49歳層は平成27(2015)年の15~44歳層に比べて2万2千人増加)

農林業センサスは5年ごとの調査で、年齢階層も5年単位であることから、例えば、平成27(2015)年に20~24歳の階層に属する基幹的農業従事者は、令和2(2020)年には25~29歳の階層に属することになります。

これを踏まえて、令和2(2020)年の年齢階層別基幹的農業従事者数を、平成27(2015)年の5歳若い階層と比較すると、70歳以上の階層では後継者への継承等により減少する一方、69歳以下の各階層で微増となりました(図表 特-3)。

このうち、令和2(2020)年の20~49歳層(平成27(2015)年時点の15~44歳層)の動向を見ると、親からの経営継承や新規参入等により12万4千人から14万7千人と2万2千人増加、60~69歳層(同55~64歳層)は36万7千人から39万3千人と2万6千人増加しました。60~69歳層は退職後に就農するいわゆる定年帰農による増加と考えられます。一方、人数の多い70歳以上の階層の減少率が高いことから、基幹的農業従事者全体としては大幅な減少となりました。

このような中、我が国の農業の持続的な発展のためには、若年層等の農業従事者の確保・定着と併せて、それらの農業従事者一人一人がこれまでに比べてより大きな役割を担っていくことが必要になっていると考えられます。

図表 特-3 基幹的農業従事者の平成27(2015)年・令和2(2020)年の増減

データ(エクセル:32KB / CSV:3KB

(事例)Iターン就農で、菊栽培に取り組む若手基幹的農業従事者(長野県)

長野県茅野市
鈴木紘平さんと仁美さん

鈴木紘平さんと仁美さん

長野県茅野市(ちのし)の鈴木紘平(すずきこうへい)さんと仁美(ひとみ)さんは、菊58a(施設15a、露地43a)の栽培を行う49歳以下の基幹的農業従事者です。平成28(2016)年の新・農業人フェア等で紹介されたIターンの先輩である菊農家の下で、2年間の里親研修等を受け、菊の栽培技術を習得後、国の支援を活用し、令和元(2019)年に愛知県から長野県へ移住、Iターン就農をしました。

綿密な栽培計画と、電照、シェード栽培等開花調整技術を活用し、計画出荷、作業負荷分散に取り組んだ結果、就農2年目に経営計画における5年目の売上げと出荷数量の目標を達成しました。

鈴木さんは、今後、若手の新規就農者(*)を増やすことで、地域農業の発展を促していきたいと考えています。

* 用語の解説2(6)を参照

(若年層の基幹的農業従事者は酪農や施設野菜で大きい割合)

令和2(2020)年の若年層(49歳以下)の基幹的農業従事者を販売金額1位部門別に見ると、人数では稲作や施設野菜、露地野菜でそれぞれ約3万人と多く、49歳以下の割合では酪農で31%、施設野菜で21%と大きくなっています(図表 特-4)。施設野菜や酪農等の畜産部門は、経営体の販売金額や農業所得(*1)が比較的大きく、かつ、生産に当たって多くの労働力を要することから、若年層の割合の大きさにつながっているものと考えられます。

図表 特-4 販売金額1位部門別の基幹的農業従事者数(全体及び49歳以下)

データ(エクセル:30KB / CSV:2KB

*1 用語の解説2(4)及び特集(5)参照

(コラム)団体経営体における若年農業者の状況

個人経営体・団体経営体の農業者数(全体及び49歳以下)(令和2(2020)年)

データ(エクセル:29KB / CSV:1KB

法人経営体等の団体経営体(*)について、農業者の年齢を見ると、令和2(2020)年は、団体経営体の農業者19万人のうち49歳以下の割合は45%(8万5千人)で、個人経営体の割合(12%)より高くなっています。

販売金額1位部門別に見ても、ほぼ全ての部門で、団体経営体の農業者に占める49歳以下の割合は、個人経営体の割合を上回っており、特に、稲作部門では、個人経営体の6%に対して、団体経営体では30%となっています。

個人経営体の農業者数については、若年層の割合が小さく、また、高齢化等の影響により今後も減少傾向で推移することが見込まれます。このため、若年農業者の就農における団体経営体の役割は、引き続き大きいと考えられます。

販売金額1位部門別の団体経営体における農業者数(全体及び49歳以下)(令和2(2020)年

データ(エクセル:31KB / CSV:2KB

* 用語の解説1、2(1)を参照

(事例)農業法人で研修を受けた新規就農希望者が町内外で活躍(福井県)

福井県若狭町
農業技術の指導を受ける研修生

農業技術の指導を受ける研修生

資料:有限会社かみなか農楽舎

福井県若狭町(わかさちょう)の有限会社かみなか農楽舎(のうがくしゃ)は、地域の農業者の減少・高齢化や荒廃農地の増加等の課題に対して、集落住民と行政と株式会社類設計室(るいせっけいしつ)が出資して平成13(2001)年に設立された農業法人で、借り入れた水田45haでの水稲等の生産・販売に加えて、農業体験の受入れを事業として実施しています。

かみなか農楽舎では、「都市からの若者の就農・定住を促進し集落を活性化する」との目的で、年間3人程度の新規就農を希望する都市の若者に対して2年間の農業栽培技術・農村生活の研修を行っています。農村生活の研修では農村の一員として地域の活動に参加することもカリキュラムに組み込まれており、こうした活動等を通じて、受け入れる地域住民等との信頼関係の向上が図られています。

研修後は、後継者等不在の認定農業者(*)等からの経営継承により自立して新規就農者になる研修生、地元の担い手農家と共同経営で法人を設立する研修生、かみなか農楽舎に就職する研修生等がおり、農業法人が研修生に対して多様な就農のゴールを提示することが可能となっています。

令和3(2021)年度までに49人の若者の長期研修生が卒業しており、そのうち26人が若狭町内での就農・定住やかみなか農楽舎への就職により地域農業を支えるとともに、それ以外の研修生も県外での就農や青年海外協力隊員として農業指導を行うなど、研修生は各方面で活躍しています。

* 用語の解説3(1)を参照



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