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公表日:2013年11月22日

更新日:2015年10月21日

食品中のヒ素に関するQ&A

  ヒ素は、地球上に広く存在する元素です。自然環境中にあるヒ素を完全に避けることは難しく、飲料水や農畜水産物に移行するため、様々な食品には微量のヒ素が含まれています。

 

  平成25年12月、食品安全委員会が、食品中のヒ素に関する食品健康影響評価をとりまとめました。食品安全委員会は、「ヒ素について食品からの摂取の現状に問題があるとは考えていない」とした上で、「食品を通じたヒ素の摂取については特段の措置が必要な程度とは考えていないが、これまで行ってきた調査・研究をさらに充実させることが必要」としています。

 

  このページでは、ヒ素がどのような物質なのか、また、食品中のヒ素に関する農林水産省の調査・研究等についてQ&A形式でお答えします。

  1. ヒ素とはどのような物質ですか。
  2. ヒ素がヒトの体の中に入ると、どのような影響が生じますか。
  3. 食品安全委員会は、食品に含まれるヒ素が健康に及ぼす影響について、どのように評価していますか。
  4. 農産物では、コメから摂取するヒ素の量が比較的多い傾向にあるとのことですが、お米を食べ続けても大丈夫ですか。健康に悪い影響はありませんか。
  5. お米を調理、食べる際に家庭でできる工夫はありますか。
  6. コメに含まれているヒ素の量を今より減らせる工夫はありますか。
  7. 農林水産省はコメに含まれるヒ素に関してどのような調査・研究をしていますか。  
  8. ヒジキには比較的高い濃度でヒ素が含まれていますが、食べ続けても大丈夫ですか。健康に悪い影響はありませんか。
  9. ヒジキを調理して食べる際に、ヒ素の摂取を減らすため、家庭でできる工夫はありますか。
  10. 農林水産省は、ヒジキに含まれるヒ素のリスクを低減するため、どのような取組を進めていますか。

 


 

1.ヒ素とはどのような物質ですか。  

(1) ヒ素は自然環境中に広く存在する元素です。地殻中に分布しており、火山活動や森林火災、鉱物の風化などの自然現象によって環境中に放出されるため、土壌や水中に天然由来のヒ素が含まれています。また、環境中に存在するヒ素には天然由来のほかに、火力発電、金属精錬、廃棄物の処理といった産業活動に伴って環境中に放出されたものもあります。このため、様々な食品や飲料水は、微量のヒ素を含んでいます。

 

(2)ヒ素は、ヒ素単体として存在する以外に、炭素や酸素など他の元素と結合し、ヒ素化合物となって環境中に存在しています。ヒ素化合物のうち、炭素を含む化合物は「有機ヒ素(化合物)」、炭素を含まない化合物は「無機ヒ素(化合物)」と呼ばれています。

 

2.ヒ素がヒトの体の中に入ると、どのような影響が生じますか。 

(1)食品を食べたり水を飲んだりすることで、ヒ素がヒトの体の中に入った時にどのような影響を及ぼすかは、体の中に入ったヒ素化合物の種類とその量によって異なります。

 

(2)ヒ素化合物のうち有機ヒ素については、ヒトの体内に入ったときにどのような影響があるのか現在のところよく分かっていません。欧州食品安全機関(EFSA)や米国食品医薬品局(FDA)の評価によると、一般的に有機ヒ素は無機ヒ素に比べるとその悪影響の程度は小さいと言われています。 

  

(3)一方、無機ヒ素が一度に、または短い期間に大量に体の中に入った場合は、発熱、下痢、嘔吐、興奮、脱毛などの症状があらわれると報告されています。また、無機ヒ素が長期間にわたって、継続的かつ大量に体の中に入った場合には、皮膚組織の変化やがんの発生などの悪影響があると報告されています。

 

3.食品安全委員会は、食品に含まれるヒ素が健康に及ぼす影響について、どのように評価していますか。 

(1)食品安全委員会は、食品に含まれるヒ素が日本人の健康にどのような影響を与えるかを科学的に評価し、平成25年12月、「化学物質・汚染物質評価書 食品中のヒ素(外部リンク)」を公表しました。

  

(2)食品安全委員会は、食品に含まれる無機ヒ素が健康に与える影響を中心に、各種試験成績や疫学調査結果等を用いて評価しました。

  

(3)しかし、疫学調査の対象地域(インド西ベンガル地方、バングラデシュ、中国内モンゴル自治区、台湾及びチリ)の住民が食品全体を通じて摂取する無機ヒ素の量を正確に推定することが難しかったこと、また、調査地域と日本では生活環境が大きく異なること(日本では水道が整備されているため、飲料水からヒ素の摂取がほとんどない等)や有害性を評価するために必要な知見が不足していることから、日本において、どのくらいの量の無機ヒ素が体の中に入った場合に、健康への悪影響が生じるかを評価することは困難であると判断しています。

  

(4)また、日本人が食品を通じて摂取するヒ素に関して、「海産物中には多くのヒ素化合物が含まれている」、さらに、「農産物の中ではコメからの摂取が比較的多い傾向にある」と評価しています。しかし、「日本において、食品を通じて摂取したヒ素による明らかな健康影響は認められておらず、ヒ素について食品からの摂取の現状に問題があるとは考えていない」、ただし、「一部の集団で多く無機ヒ素を摂取している可能性があることから、特定の食品に偏らずバランスのよい食生活を心がけることが重要」としています。

 

(5)さらに、食品安全委員会は、この評価結果を踏まえて、「食品を通じたヒ素の摂取については、特段の措置が必要な程度とは考えていないが、これまで行ってきた食品中のヒ素の汚染実態を把握するための調査、ヒ素のリスク低減方策に関する研究等をさらに充実して取り組んでいくことが必要である」としています。balance

 

  食品安全委員会による詳しい評価内容については、「化学物質・汚染物質評価書 食品中のヒ素(外部リンク)(PDF:1,323KB)」や同委員会が作成した「食品中のヒ素に関するQ&A(外部リンク)(PDF:130KB)」をご覧ください。

  バランスのよい食生活については、「望ましい食生活の実現に向けて~食生活指針と「食事バランスガイド」~」をご参照ください。

 

参考:様々な食品に含まれるヒ素について

  厚生労働省の厚生労働科学研究で、日本人がどの食品群から1日に平均どのくらいのヒ素をとっているか調べられています。この調査では、様々な食品群から少しずつヒ素をとっているものの、主に魚介類、野菜・海草類、コメからとっていると推定されています。平成23年度の調査結果については、厚生労働科学研究成果データベース(外部リンク)をご覧ください。

 

  また、農林水産省は、平成16年度以降、食品に含まれるヒ素の量を調査しています。それらの調査結果については、「食品に含まれるヒ素の実態調査」のページをご覧ください。

 

4.農産物では、コメから摂取するヒ素の量が比較的多い傾向にあるとの事ですが、お米を食べ続けても大丈夫ですか。健康に悪い影響はありませんか。 

  ヒ素は自然環境中に広く存在するもので、日本国内の土壌や水中にも含まれています。このため、コメをはじめ多様な食品に微量のヒ素が含まれており、日本人は食品や飲料水を通じてヒ素を摂取しています。しかし、通常の食生活を通じてヒ素が体内に入ることで、健康に悪影響が生じたことを明確に示す国内のデータは現在のところありません。

 

  お米を食べることも含めて、バランスのよい食生活を送っていただければ問題ありません。バランスのよい食生活については、「望ましい食生活の実現に向けて~食生活指針と「食事バランスガイド」~」をご参照ください。

 

5.お米を調理、食べる際に家庭でできる工夫はありますか。 

katei(1)コメに含まれる無機ヒ素は、玄米の外側についている糠(ぬか)の部分に多く含まれています。そのため、玄米を白米に加工したり、コメを研いだりすることでぬかを落とすと、コメに含まれる無機ヒ素の濃度が低くなることが分かっています。

 

(2)したがって、白米をよく研いで食べることで、コメを通じて摂取するヒ素の量を減らせる可能性があります。

 

(3)ただし、ぬかの部分には鉄分や食物繊維などの栄養成分が豊富に含まれ、玄米は白米と比べて栄養面で優れた食品です。食品安全委員会の評価でも「バランスの良い食生活を送っていただければ問題ない」とされており、バランスの良い食生活を心がけていただければ、玄米やぬか漬けを食べていただいたとしても、食品を通じてヒ素を摂取することによる健康への問題はありません。

 

(4)なお、農林水産省は、平成24・25年度に、コメの加工・調理・保管を通じて含まれるヒ素の量や化合物の種類がどのように変化するかを把握する研究を行っています。今後、この研究の成果を活用して、みなさまに役立つ情報をお届けしていく予定です。

 

6.コメに含まれているヒ素の量を今より減らせる工夫はありますか。 

suiden(1)稲は水田の土や水から様々な物質を吸収しながら生長します。ヒ素をはじめとした微量成分は、土や水の中に広く存在しているため、ヒ素を全く含まないようにコメを作ることはできません。

 

(2)一方、稲を栽培するときは、その生育段階に応じて、水田に水を張ったり、張った水を落としたりします。この水の出し入れの仕方や、水田に肥料などの資材を投入することで、稲が水田の土や水から吸収する物質の量が変化する場合があります。この仕組みを利用し、稲が吸収するヒ素の量を減らせる可能性があります。

 

(3)特に稲の穂が出た後の時期に水田の水を落とすことにより、コメに含まれるヒ素の量が少なくなる傾向があります。

 

(4)一方、コメに含まれるカドミウムの量を減らすためには、稲の穂が出る前後の時期に水田に水を張ることが有効であることが明らかになっており、(3)のような水の管理を行うと、コメに含まれるカドミウムの量が増えたという研究報告があります。

  

(5) このため、ヒ素の量がより少ないコメの生産に取り組むためには、ヒ素の量を減らすだけではなく、カドミウムの量を増やさないことも同時に考える必要があります。農林水産省では、コメに含まれるヒ素とカドミウムの量をともに減らすことができ、かつ、生産者の方が比較的容易に取り組むことができる稲の栽培方法を確立するための調査や研究を進めています。

 

(6)なお、コメに含まれるカドミウムに関する情報については「食品中のカドミウムに関する情報」をご覧ください。

 

7.農林水産省はコメに含まれるヒ素に関してどのような調査・研究をしていますか。 

(1)ヒ素は自然環境中に広く存在するもので、日本国内の土壌や水中にも含まれています。このため、様々な食品は微量のヒ素を含んでいます。このような意図せず食品に含まれる有害化学物質については、「生産から消費の段階で適切な措置を講じて合理的に可能な範囲で食品に含まれる量を減らすべき」というのが、国際的に合意された考え方です。

 

(2)農林水産省は、この考え方に基づき、日本人が食品を通じて摂取するヒ素において、農作物の中では比較的摂取量が多いとされるコメについて、以下のように、ヒ素の含有実態を明らかにするとともに、その量を減らすための対策を検討しています。

 

(ア)平成16年度以降、国産のコメに含まれるヒ素の実態を調査しており、今後さらに詳細な調査を続けていきます。 

調査結果については「食品に含まれるヒ素の実態調査」のページをご覧下さい。

 

(イ)また、コメに含まれるヒ素の量を減らすための栽培方法の研究や、コメの加工・調理・保管の過程を通じて、含まれるヒ素の量や化合物の種類がどのように変化するかを把握する研究を行っています。

詳しい研究内容については「コメに含まれるヒ素の低減に向けた取組」のページをご覧ください。

  

 

8. ヒジキには比較的高い濃度でヒ素が含まれていますが、食べ続けても大丈夫ですか。健康に悪い影響はありませんか。 

 (1) ヒジキをはじめ多様な食品には微量のヒ素が含まれており、日本人は食品や飲料水を通じてヒ素を摂取しています。海産物では、海水に溶け込んだヒ素が、藻類やプランクトンに取り込まれ、また、食物連鎖を通じて濃縮されるため、ヒ素が比較的高い濃度で含まれています。

我が国では、伝統的に海藻類や魚介類を摂取する食習慣があるため、諸外国と比較して多くのヒ素を食事から摂取しています。しかし、食品安全委員会によれば、通常の食生活における摂取で健康に悪影響が生じたことを明確に示すデータは現在のところありません。ただし、「一部の日本人で無機ヒ素の摂取量が多い可能性があるため、特定の食品に偏らず、さまざまな食品をバランスよく食べることが重要」としています。

 

(2) ヒジキは食物繊維を豊富に含み、必須ミネラルも含んでおり、我が国の伝統的食材として古くから食べられています。ヒジキの摂取も含めて、バランスの良い食生活を送っていただければ問題ありません。

バランスの良い食生活については、「望ましい食生活の実現に向けて~食生活指針と「食事バランスガイド」~」をご参照ください。

 

(3) なお、厚生労働省でも「ヒジキ中のヒ素に関するQ&A(外部リンク)」を公表しています。

 

9. ヒジキを調理して食べる際に、ヒ素の摂取を減らすため、家庭でできる工夫はありますか。 

  農林水産省の調査で、家庭内でヒジキを調理するときに、無機ヒ素を減らすための有効な方法を調べたところ、水戻し後にさらにゆでる「ゆでこぼし」が有効な方法で、乾燥ヒジキ中の無機ヒ素の9割程度まで減らすことができることがわかりました。

乾燥ヒジキを水で戻す「水戻し」で5割程度、乾燥ヒジキを直接ゆでる「ゆで戻し」でも8割程度減らすことができます。

「より安全に食べるために家庭でできるヒジキの調理法」(リーフレット)(PDF:374KB)

「乾燥ヒジキのヒ素を減らす調理法の調査結果」(PDF:208KB)

 

乾燥ヒジキをそのまま煮炊きしたり、水戻して戻し水ごと調理する方法もあるようですが、ヒ素を低減するためには、乾燥ヒジキは水で戻し、戻し水は調理に使用しないことをおすすめします。

なお、水戻し済みのヒジキ製品については、製品ごとの表示に従って調理してください。

 

(参考)

日本ひじき協議会  ひじきの戻し方(外部リンク)

http://www.hijiki.org/html/content05.htm

  

10. 農林水産省は、ヒジキに含まれるヒ素のリスクを低減するため、どのような取組を進めていますか。 

  農林水産省は、ヒジキについて、以下のように、ヒ素の含有実態を調べるとともに、その量を減らすための取組を進めています。

 

(1)平成18年度~20年度に、海藻類に含まれるヒ素の実態を調査し、乾燥ヒジキの水戻しでヒ素がどの程度戻し水に溶け出すかを調べました。乾燥ヒジキでは、水戻しにより総ヒ素(無機ヒ素と有機ヒ素)の50~66%程度が除去されることがわかりました。

 

(2)平成26年度に、家庭内でヒジキを調理するときに、無機ヒ素を減らすための有効な方法を調べました。乾燥ヒジキの無機ヒ素は、「水戻し」で5割程度減り、乾燥ヒジキを直接ゆでる「ゆで戻し」でも8割程度減りましたが、無機ヒ素を減らすための有効な方法は、水戻し後にさらにゆでる「ゆでこぼし」で、9割程度まで減りました。 

「より安全に食べるために家庭でできるヒジキの調理法」(リーフレット)(PDF:374KB)

「乾燥ヒジキのヒ素を減らす調理法の調査結果」(PDF:208KB)

 

(3)ヒジキ製品の製造・加工工程では、通常、水洗い、水戻し、ゆでこぼし等が行われますが、無機ヒ素は水に溶出するので、これらの工程はヒ素を低減することができます。農林水産省は、業界団体に調査結果等を提供し、製造・加工工程において適切な水洗い、水戻し等によりヒ素が低減されるよう、さらに取組を進めています。

「ヒジキを製造・加工する事業者の皆様へ」)(リーフレット)(PDF:602KB) 

 

(4)また、ヒジキを含め水産物に含まれるヒ素化合物について、その形態や濃度、毒性などについてデータを収集し、その低減方法を開発するための研究を実施しました。

 

以上の詳しい内容は、「食品に含まれるヒ素の実態調査」、「ヒジキに含まれるヒ素の低減に向けた取組」のページをご覧ください。

 

 

 

お問い合わせ先

消費・安全局農産安全管理課
担当者:土壌汚染防止班(農産物関係)
代表:03-3502-8111(内線4507)
ダイヤルイン:03-3592-0306
FAX:03-3580-8592

消費・安全局畜水産安全管理課水産安全室
担当者:水産安全班(水産物関係)
代表:03-3502-8111(内線4540)
ダイヤルイン:03-6744-2105
FAX:03-3502-8275

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