2.肉用牛生産
肉用牛の改良及び飼養管理技術の向上等により経営の体質を強化するとともに、低コストかつ消費者ニーズにも対応した高品質な牛肉の生産と安定供給を推進する。
的確な遺伝的能力評価に基づき選抜された種畜による計画交配、広域的な後代検定による遺伝的能力評価に基づく優れた種雄牛の作出と有効利用を推進する。産子の枝肉情報と血統情報に基づく産肉能力等に係る遺伝的能力評価手法による改良用の基礎となる雌牛群の整備、優良雌牛の増殖等を推進し、雌側からの改良を促進する。
産肉能力については、生産コストの低減や効率的な牛肉生産の観点及び脂肪交雑の多い牛肉のみならず、牛肉に対する消費者の多様なニーズの高まりに対応する観点から、日齢枝肉重量の他、歩留基準値、ロース芯面積など肉量に関する形質や、食味に関連する不飽和脂肪酸(オレイン酸等)などの向上に向けた種畜の選抜・利用を推進し、牛肉のアミノ酸量や締まり・きめ等、その他食味に関する科学的知見の更なる蓄積を進めるとともに、牛肉に関する新たな改良形質について検討を推進する。
繁殖性については、雌牛の発育状況や健康状態等に配慮しつつ、1年1産に近づけることを目指し、適切な繁殖管理を通じて、分娩間隔の短縮及び受胎率の向上を図るものとし、特に、長期不受胎牛に対する適切な繁殖・飼養管理を徹底する。また、的確な遺伝的能力評価に基づき、繁殖性に優れ、生涯生産性の高い種畜の選抜を推進するため、繁殖形質に関するデータ収集等を推進する。
国内での特長ある系統の維持改良や遺伝資源の多様性を確保する観点から、希少系統に配慮した改良を推進する。
肉用牛ヘルパーやコントラクター等の活用による作業の外部化を促進するとともに、牛の個体識別番号と生産関連情報とを関係者に共有すること等により、飼養管理の省力化や合理化の推進を図るとともに、以下の取組を推進する。
<関連情報>
農林水産省HP「全国版畜産クラウド」
ア 繁殖経営
繁殖雌牛については、適正な栄養管理、適度な運動の実施のほか、ICTの活用等により、確実な発情発見や授精適期の把握を行うとともに、分娩事故や子牛の事故率の低下に努める。
<関連情報>
家畜改良センター鳥取牧場HP「多頭飼育における黒毛和種繁殖雌牛生産性向上のための代謝プロファイルテストを用いた飼養管理マニュアル」[外部リンク]
イ 肥育経営
肥育牛については、肥育期間が長くなるほど飼料費等の生産コストが増加し、必ずしも収益性の向上にはつながらないことから、個体の能力に応じつつ、一定の収支バランスを確保しうる適切な段階で、速やかに出荷するよう努める。
『II(IV)1酪農(4)衛生対策の推進』の項目を参照。
お問合せ先
大臣官房政策課技術政策室
代表:03-3502-8111(内線3130)
ダイヤルイン:03-3502-3162