報恩講料理 富山県

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富山県
報恩講料理(ほうおんこうりょうり)
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画像提供元 : 五箇山総合案内所
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画像提供元 : 五箇山総合案内所
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主な伝承地域
県内全域
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主な使用食材
野菜、山菜、穀物
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歴史・由来・関連行事
真宗王国といわれるほど浄土真宗が盛んな富山県。浄土真宗の開祖・親鸞聖人の命日にはその遺徳を偲んで法要、報恩講が行われており、そのとき朱塗りの御膳で振舞われるのが「報恩講料理」である。料理の種類や品数は地域によって異なるが、その年に収穫された中で一番出来の良い野菜や山菜を、普段用とは別に報恩講のためにとっておく習わしがある。北陸地方に浄土真宗がもたらされたのは鎌倉時代で、現在の南砺市にある瑞泉寺を拠点に越中に信仰が広まったといわれている。そのため現在も南砺市周辺は信仰がとりわけ篤い地域で、報恩講を「ほんこさま」と呼び、さまざまな料理が御膳にのりきれないほど用意される。しきたりが根強く残る五箇山地区では、春に摘んで干して保存しておいたワラビ、ゼンマイなどの山菜、縄でしばっても形が崩れない堅さが特長の五箇山豆腐などで煮物が作られるほか、赤カブの煮付けや漬物、新米などが揃う。
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食習の機会や時季
親鸞聖人の命日11月28日前後に、寺院や家庭に僧侶を招き報恩講を行なった際、集まった人たちで御膳を囲み食す。煮物、汁物、漬物、ご飯などが用意され、親鸞聖人の好物であった小豆は必ず盛り込まれる。報恩講料理定番のいとこ煮や白和えなどは、普段の食事で食べられている。
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飲食方法
料理の内容や椀の並び・呼び方は地域や家により多少違うが、五箇山地区では、鮮やかな朱塗りの膳に、飯、汁物、酢物、煮物、つぼなどが並ぶ。さらに赤カブの漬け物など膳にのりきらない料理が、重箱や大鉢に盛って出される。これらは「オトシ」や「廻し鉢・強い鉢」と呼ばれている。
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保存・継承の取組(伝承者の概要、保存会、SNSの活用、商品化等現代的な取組等について)
昔に比べると作る地域が減ってしまっていることもあり、南砺市の旅館などでは、報恩講料理を味わえる宿泊プランを作り、伝統ある行事食を残す取り組みも行われている。また学校給食では、報恩講の際に振る舞う料理を取り入れた献立も作られている。
お問合せ先
大臣官房 新事業・食品産業部外食・食文化課食文化室
代表:03-3502-8111(内線3085)
ダイヤルイン:03-3502-5516