ほんこさん/報恩講料理 福井県

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福井県
ほんこさん/報恩講料理(ほうおんこうりょうり)
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画像提供元 : 旬の里ふくい
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主な伝承地域
県内全域
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主な使用食材
野菜、穀物など
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歴史・由来・関連行事
福井県では昔から仏教、特に浄土真宗の信仰に熱心で、開祖・親鸞聖人の祥月命日(旧暦11月28日、新暦1月16日)の前後、秋から新年にかけて浄土真宗各派の年中最大行事である報恩講を各地でおこなう。福井県では「ほんこさん」や「おこ(う)さま」と呼ばれる。親鸞の教えに触れ、敬い、徳に感謝するという意味がこめられている。寺院でおこなわれるもの、一般家庭でおこなわれるもの、地域の集会所で開かれるものとさまざまである。その報恩講の期間中、午前と午後のおつとめの合間である昼食、さらに夕食では「お斎(おとき)」と呼ばれる旬の収穫物(野菜や穀物)と豆(油揚げや豆腐)を主に一汁三菜を基本とした精進料理が、集まった人々にふるまわれる。それが「報恩講料理」と呼ばれる。報恩講料理はお寺だけで食べられるものではなく、仏事や祭事などの際、おもに地元の女性が集まり心をこめてつくり大勢にふるまう。また、通常の生活でも食卓に上がるなど”ふるさとの味”として家庭料理に根付いている。
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食習の機会や時季
秋から冬にかけておこなわれる「報恩講」のお斎として食される。お斎は地元の収穫物を持ち寄って、地元の伝承レシピでつくられるため、郷土料理として定着した。一般家庭の普段の食事レシピとしても定着している。「がんもどきや厚揚げと野菜の煮物」「麩の辛し和え」「ぜんまいの白和え」「すこ」「煮豆」「おはづけ」「打ち豆のみそ汁」「呉汁」「なます」「きんぴら」「おつぼ(小豆と里芋の煮もの)」のほか、地域ごとの郷土料理や地元でとれる食材が食卓に並ぶ。中でも小豆は、親鸞聖人の好物であったとされ、小豆煮や小豆いもなどがつくられる。
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飲食方法
「報恩講料理」の代表的な「呉汁」を例にあげると、一晩ひたした大豆をすり鉢ですり、水(地域や家庭によりだし汁)、具材とともに煮たてたら味噌を入れる。唐辛子があう。また「おつぼ」は小豆を煮て砂糖で甘く味付けをしたら、うっすら塩味で煮た里芋を入れる。
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保存・継承の取組(伝承者の概要、保存会、SNSの活用、商品化等現代的な取組等について)
地元で昔から食べられてきた郷土料理を含めた報恩講料理を後世に残そうと、お勤め、お説教が聞けたり料理を味わえる体験ワークショップが行われたり、「報恩講料理」を名物とする旅館なども増えている。また、「報恩講料理」に出される郷土料理が給食で子供たちに提供されることもある。
お問合せ先
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