かき氷 奈良県

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奈良県
かき氷(かきごおり)
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主な伝承地域
県内全域
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主な使用食材
氷、シロップなど
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歴史・由来・関連行事
ふわふわに削られた氷にかけられたシロップは、それぞれのお店で工夫が凝らされている。奈良県の「かき氷」が新しい食文化となりつつあるのには理由がある。
奈良市にある氷室神社は、平城京に遷都された和銅3年(710年)、若草山の近くを流れる「吉城川」上流域にあるの「月日磐(つきひいわ)」と呼ばれる巨石に「氷神」をお祀りしたことがはじまりといわれている。月日磐には氷室が設置され、夏になると、平城宮にその貴重な氷を献上するという儀式が約70年間行われていた。このことから、氷室神社は今でも氷の聖地として知られ、毎年5月に全国の製氷、冷凍業者が集まり、商売繁盛を祈願する「献氷祭」が行われ、花や魚を埋め込んだ氷柱が奉納される。天理市にも氷室神社があり、7月1日に献氷祭が行われている。
また、清少納言が書いた枕草子四十二段「あてなるもの」に「削り氷にあまづら入れて新しき金まりに入れたる」と記されており、これは「細かく削ったかき氷にあまづらをかけたものが大変雅びやか」だということを表しており、夏になると平安貴族たちは氷で涼をとっていたことが分かる。「かき氷」には、当時の甘味料である甘葛(あまづら)をかけて食していたといわれている。 -
食習の機会や時季
現在、カフェやレストランなどの飲食店で通年販売されているが、夏に好んで食べられる。
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飲食方法
有名レストランでも、かき氷を出しているところがあるほど、多くの飲食店でかき氷が一年中販売されている。近畿有数のいちご産地であるため、奈良のいちごを使ったメニューは特に人気がある。
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保存・継承の取組(伝承者の概要、保存会、SNSの活用、商品化等現代的な取組等について)
奈良県内の観光地などにある飲食店や祭りの出店などで提供されている。近年、かき氷は夏のスイーツとして人気を博しており、写真映えするような創作かき氷も増えてきている。他にも奈良の食文化観光の1つとして、また奈良を氷のまちとして発信したいとの思いで開催されている「ひむろしらゆき祭」は、奈良県内外の「かき氷」の名店が出店しており、毎年多くの来場者で賑わう。
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