すぐき漬け 京都府

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京都府
すぐき漬け(すぐきづけ)
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・・・画像提供元 : 京都府漬物協同組合
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・・・画像提供元 : 京都府漬物協同組合
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主な伝承地域
京都市
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主な使用食材
すぐき
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歴史・由来・関連行事
すぐきは京の伝統野菜のかぶらの一種で、独特の酸味を持つのが特徴の一つである。漬物以外で食べることはほとんどなく、「すぐき漬け」は、「千枚漬け」、「しば漬け」と並び、京都三代漬物に名を連ねるほど有名。すぐきの発祥は諸説あり、安土桃山時代、上賀茂神社の社家(神社の奉仕者やその家)が、鴨川に自生していたのを栽培し始めたという説、京都御所から種をもらったという説などがある。
すぐきをシンプルに塩だけで漬ける「すぐき漬け」は、江戸時代初期につくられるようになったといわれる。当初は、社家のみでつくられ、御所へと献上されていた高級漬物であった。江戸時代後期になると上賀茂神社周辺の農家でもつくられるようになるが、“就御書口上書”によってすぐきをほかの村へ持ち出すことが禁止されたため、生産は限られた量であった。その後、明治維新を経て普及し、街に広く出回るようになった。
「すぐき漬け」は、下漬け、本漬け、室(むろ)入れの大きく3工程でつくられる。室とは、炭や電気などで約40℃ほどにした加温室のことで、この室入れで乳酸発酵を促すつくり方が、現在では一般的である。このつくり方だと半月ほどで食べられるようになる。一方、昔は、室入れの代わりに“時候熟れ”といい、自然の気温に任せて発酵させる方法がとられていた。この場合、できあがるのは春から夏であったため、江戸時代のころなどは、夏の珍味として親しまれていたという。 -
食習の機会や時季
霜が降りる季節になると、すぐきの根の部分の糖度が高まるため、11月中旬から1月ごろに収穫し、漬ける。年末年始の贈答品としても親しまれている。
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飲食方法
すぐきの葉とかぶらは別々に切る。葉は細かく刻むか、食べやすい長さに切り、かぶらは半月、もしくはいちょう切りにすることが多い。ごはんのお供に食べるほか、お茶漬けにしたり、酒の肴として食べられることもある。
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保存・継承の取組(伝承者の概要、保存会、SNSの活用、商品化等現代的な取組等について)
乳酸発酵させる室入れには専用設備が必要なことから、一般家庭でつくられることは少ないが、冬になると漬物業者で「すぐき漬け」が出回り、よく食されるようになる。
お問合せ先
大臣官房新事業・食品産業部外食・食文化課食文化室
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