現場でかっこよく働く女性たち
[その1 海編]
【漁師】幼いころから慣れ親しんだ海で働く喜び
桑原桃子さん(神奈川県)「海の宝!水産女子の元気プロジェクト」メンバー

鎌倉漁業協同組合の漁師・桑原桃子さんと持ち船「こもも丸」。
桑原さんは古都鎌倉の南に広がる相模湾でタコやサザエ、イセエビ、アワビなどを獲る漁師です。
相模湾に面した材木座海岸で育ち、幼いころから海で遊び、海が大好きだった桑原さん。中学生のとき、鎌倉漁協初の女性漁師である前田桃子さんと知り合いました。
「はじめて漁船に乗せてもらい、網にかかった魚が揚がってくるのを、海の底と一緒に見たとき、すごく感動したんです。いつも浜から見ていた海で、こんな魚が獲れるんだ。魚を獲って暮らしている人がいるんだ、と」
漁師に憧れた桑原さんは神奈川県立海洋科学高校に進学し、海や船舶の知識を身に付けました。
「鎌倉漁協の人たちは、がんばる人なら分け隔てなく認めてくれます。男も女もなく、いろいろ教えてくれました」
今や独り立ちして、自分の船「こもも丸」を所有する桑原さんですが、「知らないことや新しいことは尽きないですね。私は年を取っても漁を続けるつもりです。海底のどこに岩場があり、砂地があるのか、魚はどこにいるのか、地元の海を知り尽くすため、経験を重ねてもずっと探究心を忘れない。そんな漁師になりたいです」と話します。

空が明るくなりはじめたら出航。材木座海岸は整備された漁港がないため、車で引いて海まで運ぶ。「波が高いと漁に出られないので、出られる日は土日でも漁をするようにしています」

今日行うのはタコカゴ漁。2日前に仕掛けたカゴを引き揚げる。

新鮮さを保つため獲ったタコはすぐに処理。鎌倉漁協ではセリが行われないので、水揚げしたら自分で直接仲買に卸す。知り合いの料理屋に小売りすることも。

「近所の人が浜にふらりと立ち寄ってくれて、『今日は何が獲れたの?』『あの魚、こうして食べたよ』と声を掛けてくれる。こういう交流はやる気につながりますし、素敵なことだと思います」

「沖に出たときに大切なのは、気合です。今日はもういいや、と思ったら、そこで終わり。粘りが肝心ですが、漁が好きだから自然と粘れます。たくさん獲れると思わず、オーッと声が出ますよ」
- 5時30分・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
- 起床
- 6時30分から8時30分・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
- 浜から船を出し、タコカゴ漁
- 9時から14時30分・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
- 船を替えて見突き漁(水中を覗きながら魚を突いて獲る漁法)。船上で昼食
- 15時・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
- 仲買に卸しに行く
- 17時から18時・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
- 夕食
- 22時・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
- 就寝
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