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農林水産省

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aff 2020年3月号
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未来の農業女子を育成
学生×教育機関×農業女子
チーム“はぐくみ”

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農業女子PJでは、若い女性に職業の選択肢として「農業」を加えてもらうことを実現していくため、「チーム“はぐくみ”」を結成。高校、大学などの教育機関によるプログラムと活躍する農業女子を結びつけ、農業を志す生徒の発掘や動機付け、意識の向上などに取り組んでいます。

佐々木輝人先生と「チーム“はぐくみ”」の取り組みのリーダー役である各クラスCAP(キャリア・オブ・アグリカルチャー・プロジェクト)の生徒たち。

佐々木輝人先生と「チーム“はぐくみ”」の取り組みのリーダー役である各クラスCAP(キャリア・オブ・アグリカルチャー・プロジェクト)の生徒たち。

東京都大田区の蒲田女子高等学校では、2014年から学校独自の「農業プロジェクト」に取り組んでいます。現在はキャリア教育としてカリキュラム化し、1年生と2年生で週1時間ずつの授業を実施。

具体的なカリキュラムは、

  • 千葉県館山市の農家で田植えと稲刈りの体験
  • 米の収穫後、ブランド名とロゴマークを自分たちで考える
  • 米粉の加工や菓子作り
  • 10月には地元自治体や地元の商店街と連携し、ハロウィンの収穫イベントを開催
  • 一連の活動を紹介するプロモーション映像を制作し、1月に「私たちの6次産業」をテーマにプレゼンテーションを実行

などです。

佐々木先生

佐々木先生は「女性は助け合う力、作業をコツコツこなす根気、生活の中からきめ細かなアイデアを出す発想力に優れています。加えて農業の授業を通じて発信力や決断力を磨いてもらいたいと思っています」と語る。

進路・学習指導部の佐々木輝人先生は「生きるための原点ということから食に着目し、主食である米を授業のテーマとしました。また私たちの高校は、キャリア形成のためコース制を採っています。その中で、幼児教育なら食育、フードなら商品開発などコース共通のテーマになりうるのも農業でした」と言います。

同校は、農林水産省の農業女子PJにも参画しており、生徒と教育機関、農業女子が連携する「チーム“はぐくみ”」のパートナー校の1つとなっています。

「この活動の一環として、2019年の夏に東京農業大学の農業実習に参加した生徒の1人が、将来酪農の仕事に就きたい、と決心しています」(佐々木先生)。同校の農業プロジェクトを経験した卒業生のうち、すでに2人が農業の道に進んでいます。

「チーム“はぐくみ”」には現在、同校に加え、6大学がパートナー校となっており、今後も“高大連携”を進めていきます。

矢野奏音(かのん)さん(幼児教育コース)

矢野奏音(かのん)さん(幼児教育コース)
「小中学校のとき授業で農業を体験しました。自然の中で生き物に触れて、とても楽しかった思い出がありますが、今回の田植えや稲刈りは仕事としてとらえたので、農家の方の想いがより伝わってきました」

川野名明瞳美(かわのみょう ひとみ)さん(幼児教育コース)

川野名明瞳美(かわのみょう ひとみ)さん(幼児教育コース)
「テレビでタレントさんが野菜作りなどに取り組む番組を観ていたので農業には興味がありました。授業でお米を一から作るのはすごく大変なことだと分かって、農家さんにも、お米にも感謝するようになりました」

近藤静音(しずね)さん(キャリアコース フード・ファッション)

近藤静音(しずね)さん(キャリアコース フード・ファッション)
「母にCAPになることを勧められました。実際にやってみたら大変さもありましたが、楽しかったです。農家の方の講話で獣害のことやジビエのことなどをお聴きしたことが印象に残っています」

川窪優亜(ゆうあ)さん(キャリアコース 国際教養)

川窪優亜(ゆうあ)さん(キャリアコース 国際教養)
「稲刈りの5日前に千葉県では台風19号による大雨に見舞われ、農業はそう簡単にいかない、と感じました。祖父が長野県で米を作っているので、それを手伝ってあげたいと思うようになりました」

千葉県館山市との連携による田植え体験。

千葉県館山市との連携による田植え体験。なかには農家の人と親戚のように仲良くなる生徒もいる。

収穫した米の商品名やロゴマークは、生徒が主体となって考える。

収穫した米の商品名やロゴマークは、生徒が主体となって考える。最終的には全校生徒の投票で決定する。

2019年に収穫した米のブランドは「米女(こめじょ)」となった。

2019年に収穫した米のブランドは「米女(こめじょ)」となった。収穫後、お世話になった千葉県館山市が台風で大きな被害を受けたことから、CAPの川窪さんの発案で袋に「頑張れ館山市!」のシールを貼ることに。

地元の日の出銀座商店街と連携して毎年10月にハロウィンのイベントを行う。

地元の日の出銀座商店街と連携して毎年10月にハロウィンのイベントを行う。収穫した350キログラムの米を景品にした。

農業に手応えを感じてます
小橋さや子さん (蒲田女子高校卒業生)

もともと体を動かす仕事に就きたいという気持ちがありました。そんな中、高校3年生のとき、農業プロジェクトの稲刈りに参加させてもらい、自分に向いている、と感じるように。現在は茨城県の祖母の弟のもとで米やトマト、さつまいもなどを栽培する他、干し芋の加工を行っています。農業は縛られずに自分の考えたようにでき、やり方一つで収入に差が出るところに手応えを感じています。

小橋さや子さん (蒲田女子高校卒業生)

毎年3月10日は「農山漁村女性の日」!

農林水産省では、農山漁村における女性の正しい役割の認識、女性の能力のより一層の活用促進を目的として、この日を「農山漁村女性の日」と定めています。

多くの皆さんに、この日を知っていただき、農山漁村女性の社会参画や地位向上、ひいては地域と農林水産業の発展を推進するため、全国各地で3月10日前後を中心に、さまざまな行事を開催しています。

3月10日は「農山漁村女性の日」!

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