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日本ワインで乾杯!

1 世界も認める「日本ワイン」を知ろう!

ワインの生産地といえば、フランスのブルゴーニュやボルドー、ヨーロッパ以外ではアメリカカリフォルニア州のナパ・ヴァレーなどが有名ですが、近年、「日本ワイン」も世界のワイン愛好家から注目を集めています。今回は、「日本ワイン」の基礎知識とその魅力について、ソムリエの富田 葉子さんにお話を伺いました。

ソムリエが解説!「日本ワイン」の基礎知識

写真:ワインとぶどう

「日本ワイン」とは?

これまで、日本で醸造されるワインは「国産ワイン」や「日本ワイン」などさまざまな呼び方をされていました。そこで、国税庁が定める「果実酒等の製法品質表示基準」によって「日本ワインとは、国産ぶどうのみを原料とし、日本国内で製造された果実酒」と基準が設けられ2018年から適用されました。

「日本ワイン」と
「国内製造ワイン」の違いは?

写真:ワイン

「日本ワイン」とは、国産ぶどうのみを原料とし、日本で製造されたワインのこと。一方で、「国内製造ワイン」はぶどう以外の果実を用いたいわゆるフルーツワインや、海外から輸入した濃縮ぶどう果汁などを使用し、国内で製造されたワインを指します。このように表示基準によって明確にルール化されたことで、国内で流通するワインは(1)日本ワイン(2)国内製造ワイン(3)輸入ワインの3つに区分されました。

日本の気候とワイン

世界の有名なワイン用ぶどうの産地は、日本と比べて降水量が少なく、日照時間が長いほか、一日の気温差が年間を通して大きい地域です。降水量が多く一日の気温差が小さい地域が多い日本は、ワイン用ぶどうの生産に適した環境とはいえませんでした。しかし、日本の風土に合う品種の改良、栽培技術の向上により、現在では国際的にも評価の高いワインが製造されています。

「日本ワイン」の代表的な産地

写真:ぶどう

日本ワインの生産量、ワイナリーの数は、ともに山梨県が最も多く、次に長野県、北海道と続きます。山梨では古くからぶどうの生産とワインの醸造が行われ、国税庁の定める「GI(Geographical Indication)地理的表示制度(お酒について正しい産地であることと一定の基準を満たして生産されたことを示す制度)」に日本で初めて認定された地域でもあります。ワイン醸造が盛んなヨーロッパでは、原料となるぶどうが栽培された地域の気候や土壌の特性によってワインの個性が決まると考えられています。日本国内では山梨県と北海道が地理的表示の登録を受けたことで、品質が確保された地域ブランドが確立されました。

赤、白、ロゼワインの違いは?

主に原材料であるぶどうの種類と醸造工程の違いです。白ワインは白ぶどうの果汁のみを発酵させますが、赤ワインは果皮や種子など黒ぶどう丸ごと全部を発酵させて造ります。ロゼワインは、さまざまな製法がありますが、赤ワインと同様に果皮や種子など黒ぶどうを発酵させ、その途中で果汁のみを取り出して発酵を続ける醸造方法が主流であり、この点が赤ワインと異なります。赤ワインやロゼワインの色が赤やピンクなのは、黒ぶどうの果皮を使用しているからです。

写真:赤、白、ロゼワイン

ソムリエが語る
「日本ワイン」の魅力

フランスやアメリカなどはすでに成熟した生産地ですが、日本はワインの生産地としての成長も楽しむことができます。また、和食やフランス料理などと相性が良い銘柄が年々増えていることも魅力です。国内のワイナリーに見学に行けば、お気に入りの日本ワインを見つけることができるかもしれません。

ソムリエおすすめ! 全国各地の「日本ワイン」の銘柄

数ある日本ワインの中から、富田さんおすすめの銘柄を、赤ワイン、白ワイン、ロゼワイン、スパークリングワインの4種類からそれぞれ2本ずつピックアップしていただきました。

品種の異なるぶどうを使った
ソムリエおすすめの赤ワイン

(株)ダイヤモンド酒造

シャンテY-A ますかっとベーリーA Ycube

写真:シャンテY-A ますかっとベーリーA Ycube

日本の赤ワインを代表する品種であるマスカット・ベーリーAを使ったワイン。上品な果実味とシルクのようにきめ細やかな渋味が特徴です。丁寧なぶどう栽培はもちろん、発酵の仕方や酵母の種類なども細やかに工夫することで、煮物など和の惣菜によく合う赤ワインに仕上げています。

(株)リュードヴァン

Deux Robes Violettes

写真:Deux Robes Violettes

自社農園で育てたカベルネ・ソーヴィニヨンとメルローを、2つのぶどうの良さを引き出すことを真剣に考えてブレンドしているワインです。毎年のブレンド比率はぶどうの状態によって変え、その年のベストの状態を追求。果実味、酸味、渋味が一体となって絶妙なバランスを表現しているワインです。

鮮魚の味が際立つ
ソムリエおすすめの白ワイン

(有)山﨑ワイナリー

Pinot Blush

写真:Pinot Blush

フランスのブルゴーニュ地方原産で、古くから赤ワインの原料として用いられてきたピノ・ノワールと、その突然変異種であるピノ・グリを原料として造られたワイン。淡い桜色の色合いと甘酸っぱさが楽しめます。4代にわたる農家が2002年に設立した山﨑ワイナリーでは、長い間蓄積させてきた作物にあった環境を見極める力で、北海道の土壌と気候に合う品種でワイン造りを行っています。

SAYS FARM

PRIVATE RESERVE CHARDONNAY

写真:PRIVATE RESERVE CHARDONNAY

ぶどう畑の区画分けをし、最適なタイミングで100パーセント手摘みによって収穫。区画ごとのそれぞれの個性を大切に、各区画ごとに、最後のブレンド作業まで行っています。洗練されたシャルドネが味わえるワインで、時の経過と共に育まれる魅力も素晴らしく、今飲んでも熟成させても楽しめます。

日本の北と南を飲み比べ
ソムリエおすすめのロゼワイン

北海道中央葡萄酒(株)

北ワイン ピノ・ノワール ロゼ

写真:北ワイン ピノ・ノワール ロゼ

ピノ・ノワールらしい香り高さ、軽やかな渋味ときめ細かい酸味が特徴の、凛としたロゼワインです。冷涼な北海道らしい背筋が伸びるような美しい酸味を、ちょうどいいバランスに工夫して和らげているため、食材の宝庫である北海道のお料理はもちろん、日常の食卓の様々なお料理に合わせやすいワインです。

(株)都農ワイン

キャンベル・アーリー・ドライ・ロゼ

写真:キャンベル・アーリー・ドライ・ロゼ

低圧力でゆっくりプレスして良質な果汁のみを抽出し、キャンベル・アーリー種の可愛らしさと綺麗さを生かしたロゼワイン。香りは甘やかでチャーミングですが、飲んでみるとすっきりと辛口でキレが良く、お食事の最初から最後まで楽しめるワインです。冬の鍋との相性も抜群です。

日本のワイン発祥地の味わいを堪能
ソムリエおすすめのスパークリングワイン

Kisvin Winery

甲州 スパークリング

写真:甲州 スパークリング

日本を代表する白ワイン用品種である甲州の素晴らしさを味わえる、きめ細かい泡立ちのスパークリングワイン。醸造はもちろん、原料となるぶどうの栽培にも、丁寧な傘かけなど様々な工夫をしています。エレガントで爽やかながら、お口の中での満足感も十分にあり、お寿司をはじめ幅広くお料理に合わせることができます。

中央葡萄酒(株)

Grace Blanc de Blancs

写真:Grace Blanc de Blancs

繊細でクリーミーな泡が印象的なスパークリングワイン。あえて複数収穫年のブレンドをせず、日本の気候における年ごとの個性を表現しています。通常の半分未満に抑えたとても低い収量、60ヶ月もの熟成期間、一本一本手作業で造っていることなど、こだわりを追求している美しいスパークリングワインです。

(注)シャンテY-A ますかっとべーリーA Ycube、Deux Robes Violettes、Pinot Blush、PRIVATE RESERVE CHARDONNAY、北ワイン ピノ・ノワール ロゼ、キャンベル・アーリー・ドライ・ロゼ、甲州 スパークリング、Grace Blanc de Blancsの記事の一部について、2021年2月15日に修正。

さらに日本ワインについて知りたい方はこちらへ

<外部リンク>日本ワインファンサイト※令和4年12月28日で閉鎖になりました。

今回教えてくれたのは

監修者プロフィール

富田 葉子さん

JSA(日本ソムリエ協会)認定ソムリエ/ワインエキスパート。レストラン勤務時代にワイン界最高峰の資格MW(マスターオブワイン)を取得したネッド・グッドウィン氏と出会い、氏の元で働きながらワインスクールに通う。現在は、レストラン勤務時代の経験を生かしたワインと料理のマリアージュ講座をはじめとするワイン普及活動を行っている。

写真:富田 葉子さん

編集後記

ビール派でしたが、最近ワインも嗜むようになりました。休日、日本ワインを探しにお店のワイン売場へ。その売場では日本ワインのコーナーが広く設けられ品揃え十分、色々な種類のワインが並んでいました。今回選んだワインは、ぶどう品種甲州を使用した辛口の白ワイン。ヘーゼルナッツ、クルミをお供に、至福の一杯(二杯、三杯…?)をいただきました。次回は、やまぶどう系品種の赤ワインを探してみようと思っています。(広報室KM)

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