食を究めたスペシャリストが教えます達人レシピ。

日本各地、旬の食材を提供する農家や漁師など、食のスペシャリストたちが、専門家だからこそ知っている秘伝のレシピを紹介。食材の味や、栄養を引き出し尽くす！達人ならではのレシピをお見逃しなく！

第21回鶏卵

さまざまな栄養素をバランスよく併せ持つ鶏卵は、毎日の食卓に欠かせない大切な食品のひとつです。そんな鶏卵の生産が日本一盛んなのが茨城県で、1年間の生産量は23万トンあまり、全国シェアの8.9パーセントを占めています（農林水産省　鶏卵流通統計調査2019年）。現在、採卵養鶏業者の大半では、健康状態の点検や卵の安全確保が容易なケージ飼いが広く行われています。一方、常陸大宮市にある石黒たまご園では、生産した鶏卵に特徴を持たせるため、「平飼い」という方法にこだわった飼育によって卵を生産しています（広義に平飼いとは、鶏舎内または屋外において、鶏が床面または地面を自由に運動できるようにして飼養する方法）。

鶏卵生産の達人

石黒たまご園

石黒昌太さん（茨城県常陸大宮市）

「平飼い卵を消費者のもとへ」

石黒たまご園は、アユの遡上で知られる那珂川と久慈川に挟まれた緑豊かな山の中で約1,500羽のボリスブラウンという採卵用の鶏を育てています。この地に石黒たまご園を開いたのは、脱サラをして養鶏業を始めた石黒昌太さんのご両親で、30年前に300羽ほどからスタートして、少しずつ鶏の数を増やしてきたそうです。また、ここでは10羽から20羽の雌に対して1羽の雄を一緒に飼っているため、生まれてくる卵のほとんどが有精卵だそうです。
「平飼いの鶏は、土の上を元気に動き回るために、食欲旺盛で餌代はかさみます。しかし、雌は雄と一緒だと安心して暮らせることや、適度な運動もできること、また時には盛んに砂浴びをして毛並みをきれいにするなどストレスがなく、とてもいい卵を産んでくれるのです」と石黒さんはいいます。
こうして生産される石黒たまご園の有精卵は、白身にも張りがあり、黄身と白身を箸で一緒につまんで持ち上げられるほど弾力に富んでいます。そして、生で食べてもおいしく、料理やケーキの材料に使った時の膨らみ感が違うと評判です。毎日出荷する卵の数は平均で1,000個前後と決して多くはありませんが、近隣のお得意さんへの宅配と遠方への通販、そして道の駅にある直売所ですべて売り切れてしまうそうです。

＜外部リンク＞https://www.tamagoen.com

卵は食物繊維、ビタミンC以外の栄養素をすべて含んでいるため「完全栄養食品」ともいわれています。アミノ酸、ビタミン、ミネラルがバランスよく含まれ良質のたんぱく質源です。（監修：管理栄養士・国際中医薬膳師清水加奈子さん）

食のスペシャリストが教える！達人レシピ"

1

最初にポーチドエッグを作ります。まず、鍋に湯を沸かし酢を入れます。沸騰したお湯を菜箸などでかき混ぜて渦をつくり、渦の中央に卵を入れます。2分から3分茹でたら、穴の開いたお玉などを使い形を崩さないように卵をすくい出し、キッチンペーパーで水気をとります。
2

マフィンはトースターで焼き、ベーコンはフライパンでカリッと焼きます。
3

Aをボウルに入れよく混ぜます。
4

皿に載せたマフィンに、ベーコンと1を載せ、3をかけます。ベビーリーフを添え、黒こしょうをかけたら出来上がりです。