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食を究めたスペシャリストが教えます 達人レシピ。

日本各地、旬の食材を提供する農家や漁師など、食のスペシャリストたちが、専門家だからこそ知っている秘伝のレシピを紹介。食材の味や、栄養を引き出し尽くす! 達人ならではのレシピをお見逃しなく!

第24回佐賀海苔

写真:佐賀海苔

有明海に面する佐賀県は、日本を代表するノリの産地のひとつです。2019年の養殖量(生乾重量)は6万5,203トン、国内生産量の25.9パーセントを占めています(農林水産省 海面漁業生産統計調査)。有明海は日本一の干満の差を誇る遠浅の海で、県内の養殖場はすべて有明海の最奥部に位置し、ここで養殖されるノリは、干満の差によって十分な太陽光を吸収することができ、また多くの流入河川から供給されるミネラルを含んだ海水の中で育ちます。恵み豊かな海で育った佐賀海苔は、黒褐色の色とつやを持ち、香ばしさや口溶けのよさ、うま味が凝縮された味が特徴です。
ノリの収穫は11月からはじまり、「秋芽網期(秋海苔)」「冷凍網期(冬海苔)」の2回に分けて3月頃まで行われ、海苔芽が15センチから20センチメートルほど成長したところで摘み取っていきます。収穫した生海苔(なまのり)は、四角い木枠を載せたすだれ状の「みす」に流し込み、四角い形に漉(す)いて乾燥させると乾海苔(ほしのり)になり、出荷後、焼き海苔や味付け海苔に加工されて消費者の元へ届きます。

ノリ養殖の達人

佐賀県有明海漁業協同組合


蒲原 謙一さん(佐賀県佐賀市)

「柔らかさと口溶けが際立つ一番摘み」

写真:蒲原謙一さん

干満の差が最大で約6メートルにも達する有明海では、この干満差を利用して、ノリに干出(干潮時に支柱に張った養殖網が海面上に現れ出ること。かんしゅつ)を与えることのできる支柱式養殖という方法でノリを育てています。佐賀県有明海漁業協同組合の蒲原さんによると、支柱の間に張った海苔網は干潮時には海面上に出て天日にさらされるため、うま味がぐっと凝縮されるほか、ノリの病気の予防にもなるそうです。
蒲原さんがおすすめするのは、「一番摘み」と呼ばれるノリです。「秋には一番摘みから四番摘み程度、冬になると七、八番摘み程度まで収穫が行われますが、やはり初めて摘んだノリが最も柔らかく、口溶けもいいんです」と教えてくれました。また、「一番摘み」の中でも、たんぱく質の含有量や口溶けの食感測定値、色つや、形などの厳しい評価基準を満たしたものの中からさらに味検査(実際に食味する)をクリアしたものが、佐賀海苔全体の約1パーセントにも満たない最上級品「有明海一番」のブランドを名乗ることができます。
「きれいな海があってこその、ノリ養殖です」と語る蒲原さんは、仲間の漁協組合員や地元の人たちとともに、「豊かな海は、豊かな山や川から」をモットーに、山への植樹や有明海の海辺の清掃活動にも積極的に取り組んでいます。

写真:海苔養殖
海の野菜といわれるノリ

ノリは海の野菜といわれるほど栄養豊富で、特にビタミンB群、葉酸、ビタミンK、β-カロテン、ビタミンA、C、食物繊維が豊富です。ビタミンB12、葉酸は貧血予防に効果があり、ビタミンKは骨形成に不可欠で丈夫な骨づくりを促します。(監修:管理栄養士・国際中医薬膳師 清水 加奈子さん)

食のスペシャリストが教える! 達人レシピ"

  • 写真:長ねぎのみじん切り
    1

    長ねぎはみじん切りにし、ノリは1枚を6等分に切っておきます。

  • 写真:ボウルに鶏ひき肉と長ねぎ
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    ボウルに鶏ひき肉と1の長ねぎ、塩を入れて混ぜ、さらにAを加えて粘りが出るまでしっかり混ぜます。

  • 写真:タネをノリで巻く
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    2を、中の空気を抜くようにしながら手で円柱状にまとめ、形を整えてノリを巻きます。

  • 写真:フライパンで焼く
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    フライパンに油を入れて熱し、3を入れ中心まで火が通るようにしっかりと焼いて出来上がりです。

写真:蒲原 謙一さん

ここがポイント!

佐賀海苔はどんなものを巻いてもおいしいので、いろいろ試してみてください。酸味との相性がいいので、温かいごはんにマヨネーズだけのシンプルな海苔巻きもおすすめです。

なくそう! 食品ロス

袋詰めされた焼き海苔などの賞味期限は、未開封で正しく保存した場合のものです。開封後も乾燥剤と一緒に冷暗所で保管すれば、しばらく湿気ることはありませんが、味や香り、風味は徐々に低下していきます。袋を開けたらなるべく早く食べきるようにしてください。

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