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農林水産省

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aff 2022 JULY 7月号
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海ではたらく!アクティブに輝く水産女子の活躍!

海ではたらく!アクティブに輝く水産女子の活躍!

みなさんは「水産女子」という名称、またはグループをご存知ですか?水産女子とは、まさしく漁業や水産業、そしてその周辺で活躍する女性たちのこと。その活躍の現場に迫ります。

水産女子の活動に密着! 水産女子の活動に密着!

さまざまな分野で水産業の魅力を発信する
水産女子の皆さん。
今回は釣り・漁業✕地域活性プロジェクトを
展開する中川めぐみさんと、
鮮魚ドライバー兼京都唯一の
海女である大西幸子さんの活動に迫ります!

水産女子01

釣り・漁業を入り口に地域活性化を目指す 中川めぐみさんの場合 釣り・漁業を入り口に地域活性化を目指す 中川めぐみさんの場合

日本各地の釣り場を巡っているにも関わらず、「竿は一本も持っていません。これは、釣りは手ぶらで楽しめる気軽なアクティビティであることを紹介するため!」と中川さんは語る。

全国の漁場を訪れ、釣りとその土地の魅力を自身が編集長を務める釣りのポータルサイト「ツッテ」やSNSで発信したり、オリジナルの観光コンテンツの企画・PRを行う中川めぐみさん。最近は、漁場で知り合った漁師さんたちの魅力や課題を伝えるべく、漁業にも携わっています。
IT企業に勤務していた時、釣り船の予約サイトやeコマース事業(電子商取引)の市場調査のため東京湾で初めて釣りを経験。そんな、自分にとっての非日常体験をきっかけに釣りに目覚めたと振り返ります。
「魚の引きはもちろん、船に乗り川から東京湾に出た時の開放感が素晴らしくて。そしてなにより、自分で釣った魚がおいしくて!そんな釣りの魅力を訴えて、会社員時代は100名ほど釣りデビューさせました(笑)」
各地で釣りを楽しむうちに、中川さんにある気づきがありました。旅先での地域の人たちとの関わり方です。
「観光客でも釣り船に乗れば、地元の方ともすぐに親しくなり、現地のおいしいものや愛される店、文化に歴史も教えてもらえる。釣りは地域への入り口だと気づきました。当時、地方創生事業に関わる仕事をしていて地域の活性化にも興味があったので、〝釣り✕地域活性〟のコンセプトを思いつきました」

ツッテ熱海がクーポンなのに対して、ツッテ西伊豆では買い取られた魚の代金は、西伊豆のみで使える電子通貨「ユーヒ」で還元される。魚の代金を電子通貨で支払うのは日本初の試みという。

2018年3月に立ち上げた「ツッテ」で、釣りをきっかけとした地域の魅力発信を開始。現在まで全国100箇所以上の地域を巡り、釣りを入り口に地域との関係性を深めていきました。そんな繋がりのなかで生まれたのが、釣った魚を現地の飲食店や土産物店で使えるクーポンに交換する「ツッテ熱海」です。

釣った魚を旅館で調理してもらい、酒師範から料理に合った地酒をペアリングしてもらえる、富山県黒部市の温泉旅館企画を舞台とする1日1組限定の特別プラン。これも中川さんが考案した大人の釣り企画です。

「下田でたくさん釣れた際、知り合いだった現地の魚市場の社長に相談すると、ちょうど市場の魚が足りなかったようで買い取って貰ったのですが、そのお金を外に持ち出すことに違和感を覚え、熱海で食事してお土産を買って消費しました。その時に浮かんだのが〝魚払い〟という言葉。魚を通して人やお金を町の中で循環させられるのではと思ったのです。後日、社長に話すと面白がってくれ、釣り客が釣りすぎた魚を魚市場で買い取り、地元限定のクーポンで支払う仕組みを考案し、『ツッテ熱海』が始まりました。現在、同様の仕組みで、クーポンではなく地元の電子通貨で支払う『ツッテ西伊豆』も展開中です」

その後、各自治体や企業から「釣り観光コンテンツ」の企画立案や講演の依頼が舞い込むように。また、漁場を巡り、地元の漁師たちと親交を深めるなかで、彼らの魅力と課題を知ることに。釣りだけでなく漁業に寄与したいと、ライターとして記事を書くなどの活動を開始。そして、この春、「(株)ウオー」を立ち上げました。
「これまでさまざまな地域に関わらせていただきましたが、より地域に根ざした持続可能な取り組みをしたくて、地元の富山に会社を設立しました。私も一事業者として未来を見据えた、釣り・漁業の取り組みを企画・運営していきたいと考えています。そして、
それがモデルケースとなって、他の地域でもそれぞれの特性を活かした企画が生まれたら嬉しいですね」

多くのメディア出演に加え、沿岸各地の自治体から講演の依頼も多数寄せられる。「そこで土地の方との繋がりができ、新しい企画が生まれることもあり、とても貴重な機会になっています」と中川さん。

水産女子02

鮮魚を運び海に潜るパワフル水産女子 大西幸子さんの場合 鮮魚を運び海に潜るパワフル水産女子 大西幸子さんの場合

若狭湾沿岸の大型定置網で揚がった魚を舞鶴の京都府漁協まで運搬するのが、大西さんの主な仕事。愛車の4トントラックには、旬を迎えた活きの良い鮮魚がたくさん積み込まれている。

「映画『トランスフォーマー』を観てコンボイに憧れ、その第一歩として大型免許と牽引、フォークリフトも運転できる大型特殊の免許を取りました」と笑顔で語るのは、京都北部、丹後半島の東部突端で操業する(有)新井崎水産で鮮魚ドライバーとして活躍する大西幸子さん。
はじめは魚を選別するアルバイトでしたが、大型免許の取得を知った社長から「練習としてうちのトラックに乗ったらどう?」と提案され、約10年前から正社員のドライバーとして活躍中です。

魚種や型ごとに選別された魚をコンテナや発泡スチロールへと梱包後、見事なハンドルさばきでフォークリフトを操縦しトラックへと積み込む。「多分、京都の女性のなかで一番上手いかな」と笑う。

「この仕事に就いてから、本当に毎日が楽しいんです。毎朝、今日は大漁かな?どんな魚が獲れるかなとワクワクするし、なかでも新井崎漁港の代名詞であるブリが多く揚がった時は、テンションが上がります!しかも、毎日トラックを運転できるから、こんなに楽しすぎていいのかなって。舞鶴の京都府漁協まで1時間半、漁協での荷降ろしで約1時間と往復で約4時間かかるのですが、以前、大漁だった日は3往復したことも。いくら運転が好きでも、この時はちょっと大変でしたね(笑)」

積載したコンテナの海水をこぼさぬよう丁寧な運転で舞鶴へ。到着後は出荷作業も行う。「いいブリが揚がった日は、漁協の人から『やったな!』と声をかけられる。これも仕事の喜びのひとつです」

自身を「海に根ざした人生」と語る大西さん。海と空、そして山が織りなす景観と潮の香りが大好きで、幼少の頃から海に潜って貝を捕り、お小遣い稼ぎをしていたとか。「現在は京都府内で唯一の海女みたいです。潜るのは休日と仕事が早く終わった日の週1、2回。アワビにサザエ、ナマコにタコにワカメなどの海藻も獲ります。夢中になると5時間くらい潜っちゃうことも」

海女漁では、なんと32キログラムもの大タコが獲れたことも!「だから楽しいんです。もちろん、獲りすぎは厳禁。持続可能な漁のため、例えばサザエなら獲れても10キログラムまでなど上限を決めています」

水産業に携わり、しかも副業で海女漁を営む水産女子である大西さんの願いは「京都に海があることを知ってもらうことです!」といいます。
「京都のイメージの大半は寺社仏閣。なかには『京都に海なんてあった?』という人もいます(笑)。でも、京都の北部には美しい海があって、寒ブリや鰆などおいしい魚も獲れる。そうした〝海の京都〟を知ってもらいたくてFacebookなどSNSで発信しています。また今後は、魚離れしている子供に向けて、この伊根町ではこんな魚が獲れて、こんな食べ方があるんだよと紹介する、魚食普及活動も行いたいですね」

早朝6時前の始業にも関わらず、カラコンやつけまつげなどメイクもバッチリ!「鎧みたいなもの。メイクが決まると気合が入るのです」。ネイルの色は、大好きな海と同じマリーンブルーでコーディネイト。

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ハートと魚の
ロゴマークに注目!

ハートと魚でデザインされたこの可愛いイラストは、「海の宝!水産女子の元気プロジェクト」のロゴマーク。「女性の愛情で持続可能な水産をつくる!」をコンセプトに、ハートは女性を象徴し、魚は無限大(∞)をモチーフとすることで持続可能な漁業をイメージしています。企業とのコラボなどプロジェクトから生まれた商品やサービスには、共通のロゴマークとして使用されています。各ショップや関連イベントでは、このマークに注目です!

2018年11月、「海の宝!水産女子の元気プロジェクト」第1回推進会議を開催。
メンバーは16名からのスタートでした。

愛で海を守り、
未来へつなげる〝水産女子〟

全国の水産女子が参加する「海の宝!水産女子の元気プロジェクト」は、メンバーの日々の生活や仕事、そして、自然との関わりのなかで培った知恵と経験を、企業や団体の技術力、ノウハウなどと掛け合わせることで、新しい商品やサービス、情報を創造し、社会全体へと発信しています。

プロジェクトに参加する水産女子は、88名(2022年2月現在)。漁業従事者をはじめ、養殖業や加工業、さらには魚食普及や広報、飲食業の方など、多種多様な業種から幅広い年齢層のメンバーがそれぞれの強みを活かし、積極的に活動しています。

プロジェクトのイメージ図

ピックアップ ピックアップ

海や魚に興味がある人大歓迎!
水産女子メンバー募集中!

発足から4年目を迎えた「海の宝!水産女子の元気プロジェクト」はメンバーも増え、SNSでの情報発信やコラボ商品の開発など活動の幅が広がっています。これを機に、プロジェクトではさらなる水産女子のメンバーを募集中。

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魚心満載の
LINEスタンプ!

「海の宝!水産女子の元気プロジェクト」は多くの企業とコラボレーションし商品やサービスを展開しています。なかでもユニークなのが、メトロアドエージェンシーが展開するジャムから生まれた妖精「ジャムム」とのコラボスタンプ「魚心あれば、ジャムごころ。」です。スタンプでは、海や漁港、そして魚河岸などで楽しむジャムムが「お疲れサバです」や「りょう貝です」などの水産ギャグを連発。

今週のまとめ

女性の感性で水産業を盛り上げる
水産女子の元気プロジェクト。
企業や団体とコラボレーションし、
新たな商品やサービスを実現しています。
今後もメンバーを増員し、バラエティに
富む活動を目指します。

(PDF:11,581KB)

お問合せ先

大臣官房広報評価課広報室

代表:03-3502-8111(内線3074)
ダイヤルイン:03-3502-8449

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