腸管出血性大腸菌(細菌)[Enterohemorrhagic Escherichia coli] (O157、O111など)
大腸菌は、動物や人の腸の中にいて、ほとんどのものは無害です。このうち、下痢などをおこす一部の菌は、病原性大腸菌と呼ばれています。病原性大腸菌は、患者の症状と菌の病原因子(毒素を作る、細胞に侵入するなど)により6つに分類されており、このうち毒素を作って出血をともなう下痢をおこすものを腸管出血性大腸菌といいます。また大腸菌は、細菌の表面の型などでも分類されており、O157とは、157番目に発見された細胞の表面の型を持っている、という意味です。腸管出血性大腸菌には、O157のほかに、O111、O26などがあります。
症状は?
東京都健康安全研究センター提供
細菌の大きさは
1.1~1.5 µm×2.0~6.0 µm
食後3~8日で、激しい腹痛、下痢、下血などをおこします。
子どもや高齢者では、赤血球が壊れて貧血になる、腎臓のはたらきが悪くなって尿量が減る、血小板という出血を止める血液成分が減って皮膚に紫色のあざができる、けいれんをおこすなどの症状が出ることがあり、さらに重症になると死ぬことがあります。
原因になりやすい食品は?
- 加熱不足の肉などが原因になりやすいです。
- 殺菌されてない井戸水や湧き水なども原因になります。菌を持っている動物のフンに汚染されている可能性があるためです。
- 生野菜が原因になることもあります。
- 生の肉に使った包丁で切った調理済みの食品も原因になります。
予防のポイントは?
- 生の肉にさわったら、よく手を洗いましょう。
- 包丁やまな板を使うときは、先に生野菜などの加熱しない食品を切り、生の肉は後で切りましょう。生の肉に使った包丁やまな板と、調理済みの食品がふれないようにしましょう。
- 肉の汁が、生で食べるものや調理済みの食品にかからないようにしましょう。
- 生の肉など加熱が必要な食品は、中心まで十分に加熱しましょう。
- 生野菜はよく洗ってから食べましょう。
- 生の肉に使った調理器具は、使い終わったらすぐに洗いましょう。洗った後、熱湯をかけると消毒効果があります。
関連情報
- お肉はしっかり火を通してから食べましょう
- 生の野菜や果物を安全でおいしく食べるために
- 食品安全に関するリスクプロファイルシート(腸管出血性大腸菌)
- 腸管出血性大腸菌O157等による食中毒 [外部リンク](厚生労働省ホームページ)
お問合せ先
消費・安全局食品安全政策課
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